理系学生は大学院に行くべき?就職するべき?メリット・デメリットを知ろう

進路

理系学生の方の中には、学部卒業後に大学院に進学するか、就職するかで迷っている人もいるのではないでしょうか。

 

最近では、ポスドクの就職難などの問題がニュースで取り上げられたこともあり、大学院に行くと就職がしづらくなるのでは?と漠然と不安を感じている人もいると思います。

 

「院に進んで専門分野の研究を続けたい」という気持ちと、「早く入社先を決めて社会人経験を積んだ方がいいんじゃないか」という気持ちで板挟みになっているという悩みはよく聞きます。

 

今回は、大学院進学と就職それぞれのメリット・デメリットと、就活をするべきか迷っている理系学生向けたアドバイスをご紹介します。

 

就職活動の皮切りであるサマーインターンがスタートし、内心焦っているという方は、まず本記事を最後までご覧になってください。

理系大学生の大学院進学率はどれくらい?

はてな

そもそも大前提として理系学生の大学院進学率はどれくらいなのでしょうか。

 

文部科学省が発表した平成30年度学校基本調査によると、理学系・工学系の大学卒業者の内、およそ40%が大学院へ進学しているとのことでした。就職者と進学者の割合はほぼ半々になっています。

 

ただし、これはあくまで全学校の平均値。実際は、大学によって大学院の進学率は大きく異なります。

 

例えば、東京大学、東京工業大学、東北大学、大阪大学、名古屋大学などの旧帝大クラスの国立大学では、90%近くの学生が大学院に進学しています。また、その他国立大学も軒並み70%程度と高い進学率であることがわかります。

 

一方、私立大学は大学によって差が出ています。早稲田・慶應大学では進学率が70~80%なのに対し、明治・青山学院・立教・中央・法政大学では進学率が40%と就職者の方が多い状況です。

 

大学院に進学するメリット・デメリット

時計とビジネスマン

それでは次に大学院に進学するメリット・デメリットを押さえましょう。

メリット①就職先の選択肢が広がる

大学院を卒業することで就職先の可能性が広がります。

 

大手企業メーカーの研究職などでは、そもそも採用条件を院卒・修士以上としている会社も少なくありません。

 

そのため、研究職を目指す学生のほとんどは大学院への進学を目指し、最終的に学校推薦で就職が決まるケースも珍しくないのです。

メリット②新卒の初任給が学部卒より高い

多くの企業では、学部卒より大学院・修士卒の初任給が高く設定されています。

 

例えば、理系学生に人気の上位企業の初任給をみてみると、

  • トヨタ自動車 学部卒 207,000円 院卒・修士 229,000円
  • ソニー 学部卒 219,000円 院卒・修士 252,000円
  • サントリー 学部卒 227,000円 院卒・修士 243,000円

と、学部卒、院卒で差があることがわかります。

メリット③研究に専念でき、高い専門性が身に付く

大学院に進学すると、学部時代以上に研究・実験に時間を費やすので高い専門性を身に付けられます。

 

研究成果を学会などで発表する機会もあり、その分野の有識者と知り合いになれたりするのもメリットといえるでしょう。

デメリット①学費がかかる

大学院の学費は、国立の場合は2年間で150万円程度、私立の場合は専攻分野によりますが、2年間合計で高い200万円〜400万円程度かかるケースもあります。

 

大学院では学部時代と違い、研究で忙しく、がっつりアルバイトの時間はとりづらいといえます。学費以外に参考書籍代などもかかることも踏まえると、もっとお金はかかると考えられます。

デメリット②社会人経験が2年遅れる

同世代と比べて社会人経験が2年遅れるのは人によってはデメリットかもしれません。

 

大学院の2年間を有意義に過ごせれば意味があると思いますが、目的もなくただ大学生活の延長のようなイメージで大学院に進学する人も一定数います。

 

大学院に何も成長しなければ、社会人経験を積んだ同期と大きな差が開いてしまうでしょう。

学部卒で就職するメリット・デメリット

就職

次に学部卒で就職するメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット:社会に出て実務経験を積める

1つはやはり早い内から実務経験を積んでスキルアップできることでしょう。

 

これまで学部時代に勉強したことを活かして、実務でアウトプットする中でより成長スピードは加速していくはずです。

 

例えば、プログラミングを勉強している学生は、実際に企業に入って実務をこなしていく方が、座学でひたすら勉強をするよりもスキルアップのスピードは早いでしょう。

デメリット:研究職としての就職は難しい場合も

日本を代表する大手企業の研究部門では、修士・博士を必須条件にしている会社が少なくありません。

 

学部卒であるとそうした企業への就職の門戸が閉ざされるというデメリットがあります。

 

もし将来民間企業の研究職を目指すのであれば、大学院進学は必須事項といえるでしょう。

大学院か就職かで迷っている理系学生へアドバイス

もし現在、大学院に進学するか、就職するかで迷っている方がいたら、まずはお試しでインターン・就活をしてみることをおすすめします。

 

実際、院を目指しながら、就活を体験する人も少なくありません。

 

学部卒で企業へ就職した理系社員の人や大学院卒で入社した人の話を聞いたり、実際の仕事内容を聞いたりする中で自分がどちらに惹かれるのか、価値観を見直すきっかけになるでしょう。

 

一回、就活を体験した結果、やっぱり研究職に行こうでも全く問題はありません。

 

就職するにしろ、大学院にいくにしろ、自分が経験したことがないことに対して良い悪いを決めることはできません。会社の人と話したり、大学院の先輩に話を聞いたりするのが一番参考になると思いますよ。

 

明確な意思を持って進学先・就職先を決めよう!

もしやりたいことが明確に決まっているのであれば、大学院進学は迷わず決めるでしょう。

 

しかし、就職と迷っているということはやりたいことが定まっていないということの裏返しともいえます。

 

大学院の2年間を上手に過ごせれば、自分にとって大きな成長にも繋がりますし、逆に目的なく過ごす2年間では時間の無駄になってしまうかもしれません。

 

大学院、就職どちらを選ぶにしろ、自分の意思を持って進路を決めることをおすすめします。後悔のないことを願っております。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です