「内々定辞退の仕方が分からない」
「内々定を貰ったけど、辞退の連絡はいつまでにしなきゃいけないの?」
本記事では、内々定の正しい辞退の仕方を就活生向けに分かりやすく解説しています。メールや電話例文も掲載していますので参考にしてください。
今後のキャリアプランを考える上で、ファーストキャリアは非常に大切ですので、内々定辞退も慎重に意思決定する必要があります。
後半には、内々定を受けるかどうかで迷った時の対処法も解説しています。
この記事の目次
そもそも内々定は辞退できる?法的問題はある?
ベンチャー企業や外資企業などでは大学3年生の秋頃から内々定を出す企業も少なくありません。せっかく獲得した内々定ですが、就活が進むにつれて辞退したいという場合もあると思います。
結論からいうと、内々定は辞退しても問題ありません。
「内定」と「内々定」という似た言葉があり、分かりづらいかもしれませんがそれぞれの言葉の意味は以下の通り違いがあります。
内定・・・正式な労働契約。企業と就活生双方の承諾を得て成立する。
内々定・・・労働予定通知。企業から就活生に対して行う採用予定の通知。正式な労働契約には至っていない。
上記の通り、内々定は雇用契約ではなく、労働契約を結ぶ前の段階とされるため、内々定を辞退したとしても就活生に法的なリスクは一切ありません。
一般的に10月1日以降に出される採用通知が内定、それ以前に会社から出される採用通知が内々定ということになります。
これは元々、経団連の倫理憲章(企業が新卒採用で守るべきルール。罰則は特にない)で、10月1日以前に内定を出してはいけないとしていたことが発端になっています。
経団連による就活ルール廃止によって、就活スケジュール自体が無くなるのではないか?という話もありますが、現状は、現在の大学1年生(2018年11月時点)までは就活スケジュールを維持するという政府の発表がありました。
今後のスケジュール次第では、内定、内々定の定義そのものが変わってくる可能性がありますが、今のところ、就活の内定は10月1日以降に出されるものという認識で大丈夫でしょう。
内々定辞退の期限はいつまで?
大学4年生の10月1日を超えてしまうと、内々定から正式な労働契約を結ぶ内定状態になり、就活生は企業と正式な雇用契約を結ぶことになります。
それ以降の内定辞退も不可能ではありませんが(法的には入社2週間前まで内定辞退可)、入社直前の辞退は、企業とトラブルに発展する恐れがあります。
内々定を辞退する時は、内定が出る10月1日よりも前で、かつ辞退を決めたらなるべく早く連絡しましょう。
辞退のタイミングが遅れるほど、会社への影響も大きくなり、迷惑をかけることになります。
学生の内々定辞退は珍しいものではなく、会社側も一定数は辞退することを折り込み済で内々定を出しているケースも少なくありません。
一度自分を評価してくれた人事担当者に辞退の連絡を入れるのは気が重くなるかもしれませんが、人事担当者もある程度は就活生の状況を理解してくれていますので、必要以上に不安にならないようにしましょう。
内々定の正しい辞退の仕方
内々定の辞退を企業の採用責任者に伝える時のポイントをご説明します。
「第一志望の別の会社から内々定を貰った」「就活を通して、やりたいことが変わった」「別の業界に興味が出てきた」等、内々定辞退に至った理由は就活生にも色々あると思います。
しかし、正式な労働契約前とはいえ、会社が多くの時間とコストをかけてあなたを評価して受け入れようとしてくれたことに変わりはありません。
その会社へ内々定の辞退を出すことは、ある意味で会社や人事担当者の期待を裏切ることとも言えます。また、企業からすると優秀な人材を逃してしまう痛手にもなります。
辞退は悪いことではありませんが、会社側の気持ちを考えて紳士な態度で伝えることが重要になります。社会人のマナーとして、失礼のないように誠意を持って内々定辞退を伝えるようにしましょう。
以下に具体的なポイントを見ていきます。
ポイント①:メールよりも電話がベター
内々定の辞退を伝える方法は、電話でもメールでも構いませんが、可能であれば電話で直接お詫びと感謝の連絡を入れた方が誠実さが伝わります。
メールだと人事担当者が見逃していた場合に見落とされる可能性がありますし、確認が遅れる場合もあります。
内々定辞退が決まったら迅速に人事担当者に伝えましょう。その意味でもメールよりも電話の方がスムーズです。
ポイント②:内々定辞退の理由はしっかり伝える
まず、内々定を辞退する理由は採用責任者にしっかりと伝えましょう。どんな理由であれ、就活生が一度貰った内々定を辞退するのには、相応の理由があったはずです。
人それぞれ切実な理由があったと思いますが、内々定を出してくれた会社に対して、その葛藤や思いを隠さず打ち明けることこそ、誠実な対応といえるでしょう。
自分が考えた末の結論であれば、採用責任者もしっかりと理解を示してくれるはずです。
ポイント③:感謝の気持ちも忘れずに
辞退する企業だからと適当な態度で接するのは社会人としてあるまじき行為です。まして、一度自分を評価してくれた会社だというのを忘れずに辞退の時も感謝の一言を伝えるようにしてください。
また、ビジネスの世界はいつどこで繋がるか分かりません。
社会人になってから辞退した会社と取引することになった。企業の採用担当者が転職して自分の上司になった。など、思ってもないタイミングで辞退した会社や採用担当と接点が生まれるかもしれません。
学生時代にマナーに反した態度を取ってしまうことで、後々社会人になってから困る可能性もあります。今後のことも考えて誠実な対応を心がけましょう。
メールで内々定を辞退する時の例文とポイント
内々定辞退のメール例文
【件名】内々定辞退のご連絡【〇〇大学 ゼロワン太郎】
【本文】
株式会社〇〇
新卒採用グループ
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学のゼロワン太郎です。
先日は、内々定の通知を頂き、誠にありがとうございました。
貴社に評価頂けたこと、大変嬉しく思っております。
このような機会を頂きながら大変恐縮なのですが、
自分の就職活動を今一度鑑みた結果、別の企業様とご縁を感じたため、
貴社の内々定を辞退させて頂きたく存じます。
〇〇様には貴重なお時間を割いて頂いたにも関わらず、
このようなご返事となってしまい誠に申し訳ございません。
最後になりますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
署名
内々定辞退メールのポイント
- 用件はシンプルに、内々定辞退の連絡のみに収める
基本的にビジネスメールでは、用件以外にくどくどと文章を書くのはよしとされていません。忙しい中でもパっと見ただけで用件が伝わるようにしましょう。採用担当者に対してもその方が親切です。
- 人事担当者への感謝と謝罪の文章を入れる
「内々定を辞退したい」という用件だけではなく、きちんと感謝と謝罪の文章を入れましょう。せっかく内々定を出してあなたを評価してくれた会社です。内々定を出してもらった感謝と、その好意に応えることができなかった謝罪を入れるのは最低限のマナーと言えるでしょう。
- 誤字脱字がないかチェックする
ビジネスメールでの誤字脱字はご法度です。特に今回のような重要な用件のメールの場合は何度か読み直してから送りましょう。
電話で内々定を辞退する時の例文とポイント
内々定を辞退する時の電話の掛け方
「お世話になっております。私、〇〇大学のゼロワン太郎と申します。新卒採用担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」
「はい、お電話変わりました。〇〇です。」
「お世話になります。〇〇大学のゼロワン太郎です。先日は内々定の辞退を頂きありがとうございました。
このようなご機会を頂きながら誠に恐縮なのですが、自分の就職活動の軸を改めて見直したところ、別の企業様の方にご縁を感じたため、御社の内々定を辞退させて頂きたいと思いご連絡しました。
〇〇様には色々とお時間割いて頂いたにも関わらず、勝手をいって申し訳ございません。」
内々定辞退の電話のポイント
- 後回しにせず、内々定を辞退したいということをちゃんと伝える
メールに比べ、電話だとどうしても伝えたいことが後回しになって前置きを長く話してしまいがちです。内々定の辞退は言いにくいことかもしれませんが、相手の都合も考えて「まず結論から述べる」ようにしましょう。
- 企業から理由を聞かれたら端的に答えられるように準備しておく
辞退の旨を伝えたら、採用担当者からその理由を聞かれる可能性が高いです。その時に曖昧な返答や腑に落ちない回答だと、採用担当者も納得することが出来ません。事前に言いたいことをまとめて端的に話せるように準備しておきましょう。
- 企業・採用担当者への感謝の言葉を忘れない
内々定を出してくれたこと、また採用担当者へも感謝の言葉を述べるようにしましょう。辞退する事実は変わりませんが、相手を気遣った一言が言えるかどうかで相手に与える印象はガラっと変わります。
- 自分から電話を切らない
最後に電話を切る時は学生から切らないようにしましょう。採用担当者が切るまで待って、電話が切れたのを確認してから自分の電話を切りましょう。最低限のビジネスマナーです。
内々定を辞退したら呼び出しをくらう?怒られる?
就活生が内々定を辞退することは気が重いことですよね。
内々定を辞退したらからといって採用担当者から必ず怒られるかというとそうではありませんが、会社や採用担当者によってはお叱りの言葉を受けたり、場合によっては一度会って話そうと呼び出されることもあるかもしれません。
というのも、やはり学生の内々定辞退は会社にとっても大きな痛手となるからです。就活生の皆さんも自分の都合だけではなく、辞退をした際に企業や採用担当者がどのような思いを抱えるか知っておくことも大切です。
次に内々定を辞退が企業にどのような影響を与えるかみていきましょう。への影響
企業の新卒採用計画に影響する
内々定辞退は、企業の新卒採用計画にも大きな影響を及ぼします。
内々定辞退も含めて予定人数よりも多めに内々定を出している会社もあるとはいえ、予定以上に内々定辞退学生が出たら再度計画を立て直さなければいけません。
さらに、辞退者が続出すると人事担当者自身も「学生の見極めが甘いのでは」「大学生の気持ちをグリップできてないのでは」と企業内部から責任を追求される可能性があります。
人事担当者としては内々定辞退を少しでも抑えたいところ。その気持ちが強いあまり就活生側に怒りの矛先が向いてしまうことも少なからずあるでしょう。
多大な時間と費用が無駄になる
会社は新卒採用な多大な労力と時間、金銭的なコストを費やしています。
新卒採用イベントへの参加や求人メディアへの出向、企業説明会の開催、面接調整といった採用までの段取りから、内々定後の研修スケジュールの調整や内定式の準備、内定者懇親会の企画など人事担当者や採用グループは大忙しです。
企業規模によっても異なりますが、就活生1名の採用につき100万円以上の費用がかかっている会社も少なくありません。
内々定辞退は会社側のこれらの苦労を全て水の泡にしてしまいます。
就活生が内々定を辞退してはいけないというわけではありませんが、しっかりと採用側に与える影響を理解した上で対応するようにしましょう。
その内々定、本当に辞退しても大丈夫?
無い内定(NNT)にならないために判断は慎重に
内々定の辞退は慎重に行いましょう。
第一志望の企業の選考が順調に進みそうだからといって、それ以外の内々定を全て蹴ってしまった結果、第一志望の企業も落ち、いわゆる「無い内々定(NNT)」状態になってしまう就活生もいるようです。
辞退をするのは簡単ですが、一度辞退したらその会社から再び内々定をもらうことは難しいでしょう。
「内々定を承諾するのに何か決め手が足りない」「理由は分からないけど何か違う気がする」といった漠然として気持ちだけで内々定を辞退して、後悔しないように慎重な判断が必要です。
判断に迷ったらインターンという選択肢も
もし内々定を貰ったけど、何か違う気がするという大学生は一度その企業で内定前にインターンとして働くことができないか聞いてみるのも良いでしょう。
百聞は一見にしかず、という通り実際に働いてみることで自分に合った会社かどうか判断することができます。
もしその会社でインターンシップができなければ、次善策として同じ業界の企業で有給インターンをしてみるという手もあります。
業界全体の雰囲気や、その会社の評判などが分かるかもしれません。同じ業界の仕事を経験してみることで、自分にとても合っている仕事だと気付けたり、反対に実は自分に向いていないことに気付けます。
就職活動で後悔しないためにも就活を控えた大学3年生や就活生こそ、有給インターンシップに挑戦してみても良いかもしれませんね。
おわりに
就活生の内々定辞退の正しい伝え方、伝える時期、メールと電話の方法までお伝えしてきました。
繰り返しになりますが、内々定の辞退をするかどうかの意思決定は慎重に行いましょう。就活を進めるにつれ、自分の仕事に対する考え方や姿勢、価値観も変わってくると思います。
就活の後半になってから、「辞退しなければよかった!」とならないようにしてください。
在学中から実務経験を詰めるのは長期インターンシップなどを上手く活用して、後悔しない就職活動にしてくださいね!
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