就活生/内定者を襲う「オワハラ」とは?具体例とその対策

就職活動中の皆さんは「オワハラ」という言葉を耳にしたことはありますか?

オワハラを聞いたこともない、経験することもないまま就活を終えられることが一番ですが、オワハラはある日突然にあなたの身に降りかかる可能性があります。

オワハラを聞いたことがあるという就活生も多いかもしれませんが、改めてオワハラに関して解説し、その対策方法を見ていきましょう。

 

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オワハラとは?これまで優しかった人事が突然豹変する?

まずはオワハラという言葉の意味から見ていきましょう。

オワハラとは、「就活終われハラスメント」のことです。

企業が学生に対し、就活を終わらせて、自社に入社するように圧力をかける行為を指し、他社の選考参加や内定辞退をさせることを意味しています。他社の選考を辞退しないと内定を出さないと言ったり、内定を出したあとに他社の内定や選考を辞退するように強要したりする行為、それがオワハラです。

そもそもこの言葉は2016年に、経団連の指針によって、選考開始時期が後ろ倒しになったころから使われるようになりました。企業からすると、例年よりも採用活動期間が短い中で、目標人数の採用をしなければいけないという状況の中で、企業側の就活生に対する囲い込みが激化するようになりました。

その状況に危険を感じたNPO法人DSSがYouTubeにあげた一本の動画。それがオワハラ誕生のきっかけになっています。

 

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オワハラが行われやすい4つの具体例。

その動画では、オワハラを次の4パターンに分類しています。

  1. 就活の終了を明言しないと内定をもらえないと不安にさせるような言動
  2. 就活の終了を言質や書類提供を強要し、他社の面接を受けることや、内々定を辞退することへの精神的な圧迫を感じさせる行為
  3. 選考期間・選考時間・選考頻度を必要以上に多く設け、拘束的なイベント等で他社の選考を受けさせないようにする行為
  4. リクルーターなど今までの関係性を必要以上に強調し、内定承諾や就活の終了を強要する行為

 

1や2に関しては、直接的な言動や行為として行われるため、就活生も「これはオワハラだ!」と気付きやすいですが、3や4に関しては、一見するとオワハラとはわかりにくく、場合によっては企業側の善意と受け取ってしまう場合があるので注意したいですね。

 

また選考とは直接関係ない場合でも、頻繁に懇親会や食事会などが催され、会社と学生の接点を必要以上に持つこともオワハラの一種として扱われます。言い方は厳しいですが、恩を売ることで、断りにくい状況を作り出そうとしていると見なされてしまうのです。

 

他にも、内定を辞退しようとすると「損害賠償を請求する。」「契約不履行だ。」などと、法的に処罰すると言ってくることもあるようですので、気をつけておきたいですね。

 

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なぜオワハラが起こる?人事担当者が突然変貌する理由とは?

では、一体なぜ、オワハラという行為が行われるのでしょうか?その理由は大きく2つ考えられます。

 

1つめ:優秀な人材を確保したいと強く願っているから

一つに、より良い人材の確保、という目的が考えられるでしょう。学生にとっての就活が、他の就活生との激しい戦いであるように、企業にとっての採用活動も、他の企業との激しい戦いです。「少しでも良い会社に入りたい」すべての学生がそう思うのと同じように、企業側も「少しでも良い人材を採用したい」と思っています。自分が良いと思った学生を、他の会社に取られたくない。そんな思いからこのオワハラをしてしまうケースは多いと考えられます。

 

2つめ:人事には絶対達成しなければいけない採用目標数があるから

もう一つ、採用目標数を達成するためです。良い人材を採用することはもちろん大切ですが、何人採用するか、ということも企業側の重要な目標です。多くの企業では、採用活動のタイミングでは、10名採用、100名採用といった具体的な目標数が設定され、人事担当者はその目標数の達成を目指しています。

内定をいくらたくさん出したとしても、入社までいたらなければ採用数はゼロのままです。そのため内定出しの数以上に、内定承諾数を人事担当者は重要視しています。内定出しをした後、内定承諾した学生数の割合を内定承諾率と呼び、企業は昨年までの内定承諾率を逆算して、その年の内定出しの数を決めています。

そのため、想定より内定承諾率が低くなり、採用目標数の未達の可能性が出てくると、人事担当者は焦ってオワハラをしてしまうケースがあるようです。就活生の中には入社する気がもともと低いにも関わらず、「すべり止め就活」を行っている学生も少なからずいるため、入社意欲を確かめるためにも、オワハラを行ってしまうこともあるようです。

 

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オワハラの対策法!後悔しない就活をするためのポイント

さて、オワハラの意味や背景などについて見てきましたが、ここからはオワハラ対策について見ていきましょう。

職業選択の自由が認められている以上、オワハラに応じる必要はありません

まず前提として持っておきたいのが、学生には職業選択の自由があり、その行使は誰にも妨げられるものではないということ。

「損害賠償だ。」「契約不履行だ。」といったオワハラがあるともお伝えしましたが、本当に訴えられたり、罰せられることはまずありません。自分には選ぶ権利がある、ということをしっかりと認識しておくようにしましょう。

もしあなたの気持ちを確認することなく、一方的に他社選考を終えるように迫ってくるような会社であれば、入社後も同じように、あなたの考えや気持ちを無視した扱いを受けることは容易に想像ができます。

それも加味した上で、本当に入社すべき会社なのかどうか、判断材料として持つことが大事です。

いずれにしても、自分自身がその場で冷静な判断ができないと思ったら、その場急いで回答したり、ましてや何かのサインをすることはやめましょう。

 

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過敏になりすぎて、ただの入社意思確認を「オワハラ」 と思い込まないこと

オワハラという言葉が一人歩きしていることもあり、企業から内定承諾を頼まれた=オワハラだと思ってしまう学生も少なからずいるようです。

脅迫的に何か企業から判断を迫られているのか、それともただ内定承諾の有無の判断を依頼されているだけなのかは、冷静に見極める必要があります。

 

記事内で紹介した通り、企業側の採用目標数が決まっている以上、内定出しをできる数にも限りがあります。もしあなたが内定辞退をするとなった場合、人事はあなたに変わる人材の採用を早急に進めなければいけません。

そのため、内定承諾に至らない内定者の心境を早めに確認しておきたいという企業の考えは、ごくごく一般的です。あなたに内定承諾の意思があるのかその確認行為自体は悪いことではありません。オワハラに過敏になりすぎて、すべてを悪と見なしてしまわないようにしましょう。

その上で、あからさまなオワハラを受けた場合は、毅然とした対応をするようにしましょう。場合によってはその企業の内定を捨てることになるかもしれませんが、そんな会社に入社しても、満足度高く働けるかどうかは怪しいですよね。自分の中の軸をしっかり持っておくことが大切です。

 

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まとめ

どの企業がオワハラをしてくるかは、事前に確認することはできません。

そのため、就活生がオワハラを受けないための事前予防策としてできることは、自分の中の軸をしっかりと決めて、就職する気のない企業からの内定は早々に断りを入れることでしょう。

内定承諾するか辞退するか悩むラインの企業であれば、例えば人事以外の社内メンバーにも会う機会を設けてもらうなど、自分が判断をする上で必要な情報を積極的に自分からとりにいくことです。入社する企業を慎重に選ぶことは大事ですが、その判断材料はただ待っていても揃いません。積極的に自分から動いていくことが大事です。

できれば、就活が本格化する前にちゃんと準備をしておくことが大切。自己分析や企業研究、インターンシップ参加による仕事理解など、就職活動が始まる前からできることはたくさんあります。そうして自分の軸を固めておけば、終わってから後悔のしない就活ができるはず。

まずは今できることに、全力で取り組むようにしましょう!

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