公務員といえば、リストラもなく安定した職業だと学生に人気ですよね。
特に地元で就職をしたい人にとっては、地方公務員は憧れの職業!
しかしどうすれば採用されるのか、どのような仕事があるのか、詳しく話すのは難しいですよね。
今回は、就職活動やインターンシップの為にもなる情報をまとめてみました!
この記事の目次
地方公務員の基本情報
地方公務員とは何か
地方公務員は主に地域に密着した仕事をしており、地域住民から行政に求められているものを汲み取りつつ、地域活性化をしていく事が求められています。
仕事としては例えば治安、消防、水道、交通や教育、文化事業など様々なものがあります。
地方公務員は自治体の役所のほか、公立の学校や図書館、福祉施設から上下水道施設にまで職員として勤務する人がいます。
警察組織や消防組織などに所属する人の大半も地方公務員となっています。
また地方公務員は「一般職」と「特別職」に分類されています。
知事や副知事、市町村長や副市長村長などが「特別職」その他が「一般職」と呼ばれています。
平成29年度時点で全国の公務員の数は約332万人であり、その中で地方公務員は約273万人と、約82%が地方公務員であり、その他が国家公務員であることが分かりました。
公務員と呼ばれる人の多くは地方公務員だったんですね!
地方公務員と国家公務員の違い
公務員とは大きく分けると地方公務員と国家公務員に分けられます。
- 地方公務員
地方公務員とは、治安や教育、交通など国家公務員に比べてより地域の生活に関わる様々な仕事をしています。
地方公共団体に勤務するので、給与も地方公共団体から受けます。また勤務先は各都道府県や市町村になります。
国家公務員に比べて地域住民との距離が近く、自分の行った仕事の手ごたえも実感しやすいメリットがありますね。
また3~5年で異動することが多く様々な職種を体験することが出来ます。
- 国家公務員
国家公務員とは、国の行事や国民全員に関わる仕事を行っています。
国に勤務する公務員で、日本の行政機関や特定独立行政法人に勤務し、国家公務員法が適用されます。
経済や地球環境、労働問題など国に関わるスケールの大きい仕事を行うことが出来ます。
国を動かすような大きい仕事をやり遂げたい、という人にはぴったりですよね。
地方公務員の級(ランク)って何?
地方公務員には級があるのって知っていますか?
受ける試験の違いでもあり、働く環境にも大きく関わるものです。
級は全部で3つに分かれています。
勤務地 | 役割 | 試験難易度 | |
地方上級公務員 | 都道府県庁や東京都特別区、政令指定都市にそれぞれ勤務 | 地方自治体の幹部候補 | 大学卒業程度 |
地方中級公務員 | 自治体による採用なので、採用場所による勤務 | 中堅幹部候補 | 高校卒業程度・短大や専門学校卒業程度 |
地方初級公務員 | 自治体による採用なので、採用場所による勤務 | 一般職(主に事務) | 高校卒業程度 |
またこの級により、給料も異なってきます。
とはいっても地方公務員の給料は各自治体の税収から発生するため、税収の多い自治体とそうでない自治体では与えられる給料も異なってきます。
一般的には人口や企業の多い都会の公務員は給料が高く、人口も企業も少ない自治体であれば、地方上級公務員であってもそこまで給料は上がらないといいます。
地方公務員の年収ランキング
自治体ごとに年収が変わることが分かりました。
では、ここから実際に年収をランキングしていきましょう!
東洋経済が発表しているランキング(2015年度版 総務省「地方公務員給与実態調査」に基づく)では以下のようになりました。
- 5位 多摩市(東京都) 727万円
- 4位 東京都(※都庁職員) 730万円
- 3位 中野区(東京都) 733万円
- 1位 厚木市(神奈川県) 737万円
- 1位 武蔵野市(東京都) 737万円
東京都が年収ランキングのトップ5をほとんど占めていました。
関東地方は人口も企業も多いので、やはり年収も高くなるようですね。
地方公務員の魅力
地方公務員の基本情報を見てきました!
地方公務員について段々理解し始めたのではないのでしょうか。
ここからは地方公務員の魅力についてまとめていきます。
地域貢献ができる
地方公務員になりたい人の中では、Uターン就職をする人も多いと思います。
大学生の間は地元から離れ、そして就職を地元でする学生はその地域が好きだから戻ってくるのではないのでしょうか。
地域を活性化させる、そんな役割をもつ地方公務員は自分が育った地域が好きな人にはとてもぴったりな職業だと考えられます。
具体的には制度の整備や補助金の交付など、地方公務員だからこそできる仕事が多々あります。
また地方公務員は地域密着型の仕事が多いため、直接住民の声を拾い上げる機会も多々あります。
地域の住民の声を拾いながら、またその反応を見ながら仕事をすることは他では味わえない達成感が得られるでしょう。
人との繋がりもをもてる
公務員は、仕事上人との繋がりがとても重要となります。
それは地域住民だけでなく、同じ部署内や他部門の職員、関連機関との調整や連携が必要な場面も多くあります。
様々な部署をもつ公務員だからこそ、他人と協力することが大切になるわけですね。
転勤が限定されている
国家公務員と異なり、地方公務員は自治体に採用されています。
なので全国規模の転勤がなく、遠くても県内の転勤となります。
自分の住みたい地域でずっと働くことができる、そんな魅力も地方公務員にはあります。
地方公務員になるために
ここからは地方公務員になるまでの流れを調べていきましょう。
地方公務員は国家公務員と異なり、基本的には試験の合格イコール内定となります。
県あるいは市町村が試験を管轄するので、その地域によって受験の基準や試験内容などが異なるというのが大きな特徴です。
地方公務員に興味のある学生は注目して見て下さい!
基本的な地方公務員採用までの流れ
出願や試験の時期は自治体ごとに異なる場合があります。
なので自分の出願したい自治体のホームページをよくチェックする必要があります。
基本的な流れは以下の通りです。
多くの職種の一次試験では「教養」「専門」「教養記述」の3つが実施されます。
専門試験で記述式試験(論文形式)が出されるところもあり、自治体によっては記述の対策も必要となります。
第一次試験合格者は第二次試験へと進み、面接を行うことになります。
最近では第二次試験での競争率も高くなってきており、人物重視傾向が進んでいるようです。
最終合格が発表されると、「採用候補者名簿」に名前が記載されます。
採用者側はこの名簿に基づいて意向調査を行い、内定を出し採用という形になります。
また社会人経験者採用試験があり、社会人採用枠が自治体でも増加しています。
年齢制限も59歳までとほとんどない状態であり、50歳以上からでも公務員へ転職することが可能です。
地方公務員になる方法は増加しており、多方面から様々な人材が集まってくるでしょう。
地方上級公務員の採用まで
道府県と政令指定都市の大卒レベル上級職一次試験は、一部を除き毎年6月下旬(平成29年度は6月25日)に実施されます。
- 受験案内配布 4月下旬
- 申し込み受付期間 4月下旬~6月上旬
- 第1次試験日 6月下旬
- 第一次試験合格発表 7月上旬~中旬
- 第二次試験日 7月下旬~8月上旬
- 最終合格発表 8月下旬
受験資格について高卒程度の年齢上限は21歳程度の若い年齢に設定されていますが、大卒程度の年齢上限は大半の自治体で30歳前後に設定されています。
大学を卒業していなくても、試験を受けることも採用されることもあります。
ただし、この年齢制限についても自治体ごとに異なる可能性があるようです。
もし高卒の方で年齢上限を迎えてしまった方は、30歳前後までであれば大卒検定をとれば再度年齢制限内に入れる可能性があります。
教養試験の他専門試験(論文)や、面接では集団面接と個人面接があるなど、試験の種類や数も自治体により様々です。
最近ではES提出を課している自治体もあるため、あらゆる試験に対する対策が必要となるでしょう。
どんな人が採用されるのか?
自治体の経営は常に厳しいと言われています。
特に人口が減少している地域は、今後も経営が厳しい状態であるでしょう。
地方公務員は地域活性化も仕事の一つです。
その為に地域自治体では改革が進んでおり、新しいアイディアや考え方を持つ人が求められています。
またその自治体について深い理解が必要となります。
面接などでも自治体の詳しい事象について聞かれることがあるので、事前に調べていくことが大切なのではないのでしょうか。
最後に
今回は地方公務員についてまとめていきました。
地方公務員の魅力や採用までの流れをつかめたでしょうか?
自治体ごとに仕事内容も試験も異なってくる地方公務員、今後は自分が働きたい自治体についてチェックを怠らないことが重要となってくるでしょう。
地方公務員になるためには、早めの対策が就活のポイントかもしれませんね。