就活が始まるとこれまでの学生生活では聞いたことがないビジネス用語を耳にする機会が増えます。
代表的なビジネスワードの1つが「BtoB」「BtoC」という言葉です。
インターンシップや会社説明会、合同説明会なので「我が社はBtoB事業を中心に拡大をしています」「新しくtoC向け事業の立ち上げを行なっています」といった話をされたことがある人もいるのではないでしょうか。
今回は、このBtoB、BtoCの違いや就活生から見た時の違いを解説します。
就職活動が本格化する前にぜひ本記事を読んで社会人の基礎知識を身に付けてください。
この記事の目次
BtoB、BtoCの意味と特徴
BtoB、BtoCという言葉の意味と代表的な業界を見ていきましょう。
これら2つの単語は、企業のビジネス体系を示す1つの用語です。具体的には何が違うのでしょうか?
BtoBとは
BtoBとは、「Buisiness to Business」の略で、法人と法人の取引を意味します。
簡単にいうと、自社サービス・商品の提供先が企業である事業をBtoBビジネスと呼びます。
例えば、輸出入貿易を行う商社や素材・鉄鋼・機械・部品メーカー、広告代理店、コンサル会社などは、BtoB業界になります。
BtoBでは、法人が顧客となるため、大学生の皆さんからすると、身の回りの生活で触れる機会は少ないかもしれません。
一方で、事業としては、一回の取引額が高額になるので、軌道に乗れば安定的に収益を見込める点が特徴です。
BtoCとは
BtoCとは、「Business to Consumer」の略で、一般消費者を顧客としたビジネスを指します。
コンビニ・スーパー・百貨店・化粧品・食品・ゲーム・アミューズメントなどなど、BtoCビジネスは、皆さんの身の回りに溢れています。
一般消費者を対象としているため、テレビ、雑誌、広告などの宣伝を積極的に行なっており、BtoBの会社と比べると、知名度が高いのが特徴です。
実際、就活人気企業ランキング上位にランクインする会社の多くは、BtoCの会社になっています。
資生堂、明治、キリン、味の素、花王、オリエンタルランド、ニトリ、日清食品、アサヒビール、JAL、JTB、サントリーなど、よくCMや広告で目にする会社も多いと思います。
toBとtoCの市場規模の違い
BtoBでは、取引金額が高いという特徴をご説明しましたが、実はtoBとtoCでは市場規模も大きく異なります。
経産省が発表したEC(ネットショッピング)におけるBtoB、BtoCの市場規模は、それぞれ約317兆円と16兆円。なんと、20倍近くの差があります。
大学生の皆さんに馴染みがあるのは、BtoCの会社の方が多いと思いますが、実はビジネス規模という観点からみるとBtoBビジネスの方が圧倒的に規模が大きいんです。
BtoB・BtoCの違いから学ぶ企業選びのポイント
BtoB、BtoCの違いを理解したところで、次に就活にどのように活かせるかを考えていきたいと思います。
①顧客タイプによって求められる能力は異なる
BtoBとBtoCは顧客が、法人か一般消費者かということでしたが、どちらのビジネスに携わるかによって、従業員として求められる知識やスキルは異なってきます。
これは営業を例にするとわかりやすいと思います。
同じ営業職といっても、個人相手か法人相手によって営業スタイルは異なります。
取り扱う商材にもよりますが、一般的に個人営業に比べて法人営業は意思決定までの期間が長い傾向があります。これは組織としての複数人を介した判断を行うからです。
一方で個人営業は、購入者に直接提案を行うケースが多いので比較的に短いスパンで意思決定がされます。
そのため、法人営業では、複数人の人に納得してもらうための提案力や専門知識が求めるのに対して、個人営業では、短い間に購入者との関係を築くコミュニケーション力が求められる傾向があります。
もちろん、toB、toCの中でも業界・取り扱う商材・単価によって働き方は異なりますが、就活生の皆さんは大枠として法人相手か個人相手かという観点で仕事のイメージを湧かせてみると一歩踏み込んだ企業理解ができるはずです。
②配属先によって働き方が大きく変わる
1つの会社がBtoBとBtoCのビジネスを両方手がけているケースも少なくありません。
そのため、入社後の配属先によって、働き方が大きく異なってくることを理解しましょう。
例えば、銀行を例にすると一般消費者の対応を行うのか、企業向けの貸付業務を行うのかによって必要とされる知識などが変わってくるのは想像できると思います。
よく、「志望先企業に入社したけど、配属先が思っていたような仕事ではない」という新卒社員の声を聞きます。
会社全体でどのような事業を行なっているのか、配属先部署は何があるかを情報収集してtoB、toCの観点から想像してみるとこうした入社後ギャップも減らせると思います。
③知っている会社、というだけで選ぶのは勿体無い
前述した通り、就活生の多くが志望先の会社としてtoCの企業をあげます。
自分達の生活に根ざしたサービスを提供している会社は、イメージもしやすく、仕事内容も理解しやすいと思います。
しかし、だからといって知っている会社の中で志望先を選んでしまうのは考えもの。BtoBの会社についてもぜひ調べてみることをおすすめします。
例えば、キーエンスという会社をご存知でしょうか。キーエンスは、上場企業の平均年収ランキングで毎年上位に名乗りをあげ、その額はなんと2,000万円にも登ります。
キーエンスは、工場向けに精密機器を販売している会社で、いわゆるCMや雑誌などで目にする機会は少ないです。
しかし、業界で確固たる地位を築き、安定的な収益をあげていることから、従業員にもしっかりと給与還元されている点は大変魅力的ではないでしょうか。
世の中には、このように知名度は高くなくても魅力的な会社はたくさんあります。ぜひ企業選びの際には、最初から自分で選択肢を狭めてしまうのではなく、このような会社にも目を向けてみてください。
BtoB、BtoC以外に知っておきたい関連ワード
最後にBtoB、BtoC以外の関連ビジネス用語をご紹介します。
CtoC
CtoCは、「Consumere to Consumer」の略で個人と個人が取引を行うビジネスをさします。
メルカリやAirbnb、Uberと聞けばピンとくるのではないでしょうか。
近年はCtoCビジネスで台頭する会社も多くあり、企業は個人間取引のプラットフォームを提供しています。
BtoG
BtoGは、「Business to Government」の略で、企業と行政(地方自治体や都道府県、公的機関」との取引をさします。
わかりやすい例だと、建設業界があげられます。国の建設案件を民間企業が入札形式で案件を請け負うスタイルなどは、BtoGの代表例といえます。
BtoB、BtoCの違いを知って、就活基礎力を上げよう
BtoB、BtoCの違いはご理解いただけたでしょうか。
就活ビジネス用語に触れる機会はこれからますます増えていくと思います。
その意味をしっかりと理解することは重要ですが、できれば、その知識を一歩発展させて「就職活動にどのように活かせるか」「業界理解を深められないか」と考えてみることをおすすめします。
こうした思考を繰り返すことで、社会人として必要な考え方が自然と身につくはずですよ。
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