[プロフィール]
山本 浩二(やまもと こうじ) J.D.パワー ジャパン 代表取締役社長
大分大学卒。約30年、日産自動車にて、アメリカでの新車・新工場の立上げ、電気自動車のプログラムダイレクター、自動運転・コネクティッドカー事業本部長等を歴任。
新規調査やビジネス開拓を通じて、未来の自動車社会におけるJ.D. パワーの役割を果たすべく、2018年5月にJ.D. パワー ジャパンの代表取締役に就任。
梅澤 希一(うめざわ きいち) J.D.パワー ジャパン 常務執行役員及びグローバル・ビジネス・インテリジェンス部門長
筑波大学国際関係学類卒。ペンシルバニア大学ウォートン校MBA卒。日本銀行、金融庁、ゴールドマン・サックス証券、UBS証券を経て、2018年にJ.D. パワー ジャパンの常務執行役員、及びグローバル・ビジネス・インテリジェンス部門長に就任。
公的機関と民間企業の両面から長年金融業界に携わり、経済・市場調査や政策立案をはじめ、資本市場政策の提言や営業戦略の企画・立案など幅広い経験を持つ。
J.D.パワーは、アメリカに本社を構え、顧客満足度調査の領域で世界的に有名な調査・コンサルティング会社です。
今回は、J.Dパワーの日本法人、J.D.パワー ジャパンの代表取締役社長 山本氏と常務執行役員 梅澤氏の2名に、事業の魅力やインターンの仕事内容を伺ってみました。
また、本インタビューでは、日産自動車・日本銀行・ゴールドマンサックス・金融庁といったグローバルに事業を展開する大組織で活躍してきたお二人から「外資コンサルで必要な素養」や「大学生が身につけておくべきスキル」についてもお聞きしています。
将来、外資系コンサルティングに行きたいという大学生はぜひ最後までご覧ください。
世界規模の外資リサーチ・コンサルティング会社が提供するサービスとは?
質問:まずはじめに御社の事業内容を教えてください。
山本:J.D.パワーは、50年前にアメリカで立ち上がり、以来、自動車業界をはじめ様々な業界の顧客満足度調査を行なってきました。
顧客満足度調査というと、大学生には馴染みがないかもしれませんが、簡単にいうと商品・サービスを実際に利用した人の声を集め、中立的な立場から満足度を数値化することで、企業のサービス改善や業界発展に役立ててもらうものです。
また、企業だけではなく、消費者の方々が満足度調査の結果を、商品・サービスの購入時の指標にしていただくこともあります
梅澤:調査では業界ごとに満足度ランキング等も公表していて、各業界におけるトップ企業やベスト・プラクティスについて明らかにしています。
「自分の会社と顧客満足度の高い会社の違いは何だろう?」「他業界で成功している会社はどのような取り組みしているのだろう?」といったお悩みをお持ちの企業のコンサルティングも当社の業務の一環です。
質問:同業他社との違いや御社ならではの強みは何でしょうか?
山本:一般的な調査会社は、企業から依頼をうけてリサーチをするケースが大半ですが、当社は自主的に調査を行なっています。
第三者の立場でリサーチを行うので、独立性や客観性があるのは特徴だと思います。
あと、業界特化で調査を行なっている会社も多いですが、当社は業界を絞らず、様々な業界・エリアの調査データを持っている点は強みですね。
というのも、最近は、同業界の成功事例を取り入れるだけではなく、他業界や先進国のベストプラクティスを参考にしようという動きが各社にあります。
例えば、古くからの慣習が色濃く残っている業界の会社が、IT業界の取り組みを参考にしようといった感じですね。
そうした要望にお応えできるのは、世界規模で展開しているからこそだと感じています。
インターン生が海外本社の副社長に英語でプレゼン!?
質問:少し話は変わりますが、日本・世界を代表する企業で実績を積まれたお二人からみて、大学生が今のうちにこれは身につけておくべき!というスキルや能力はありますか?
山本:社会人、とくに外資系企業に求められるスキルには、ロジカルな思考、コミュニケーション力、顧客思考など色々ありますが、大学生の方々は、まず「自分を振り返る力」を身につけるのがいいんじゃないかと思います。
自分の行動を振り返って、強みや弱みを把握する能力は、今後の社会人生活のベースを作ってくれるはずです。
例えば、「外資に行くなら英語力を鍛えたほうがいい」と考える人も多いと思いますが、このような知識的な学習だけではなく、もう一歩深い階層にあるファンダメンタルスキルをぜひ身に付けてもらいたいですね。
振り返りのスキルを磨くには、いかに問題解決の回数を増やすかが鍵だと思います。中々、普通の大学生活を送っているだけだと課題にぶつかる機会はそこまで多くはないと思うので、それこそインターンは良い練習の場になると思います。
梅澤:そうですね。とくに外資コンサルや投資銀行には毎年優秀な人材が数多く集まって、熾烈な競争が繰り広げられるので、その意味でもインターンシップは重要かもしれないです。
私も金融業界に長年勤めていましたが、採用企業からすると、「外資コンサルでインターンシップの経験あります!」という学生と「未経験ですがやる気はあります!」という学生だと、やはり評価は大きく変わってきますね。
山本:それはあるよね。ただ、せっかくインターンという社会人経験のいい機会があるのであれば、目の前の就活だけではなく、その先の自身の成長も見越して取り組んでもらえると自分にとって得るものも大きいんじゃないかと思います。
質問:御社のインターンでは、具体的にどのような仕事を行うのでしょうか?
梅澤:主に金融業界の企業に関する顧客満足度のデータ分析やプレゼン資料作成などをサポートしていただきます。
アンケート調査のExcelは1万行分くらいの膨大なデータになるのですが、こうしたデータをクロス集計などを用いて様々な角度から分析する業務をお手伝いしてもらっています。
あと、海外本社の副社長が日本法人に来社したタイミングで英語プレゼンを行なってもらったこともありますよ。笑
質問:え、グローバル企業本社の副社長に大学生が英語でプレゼンをするんですか?
梅澤:はい、インターンの集大成としてインターン中の作業成果を報告してもらいました。副社長は定期的に来社するので、今後もインターン生には取り組んでもらう予定です。
というのも、山本が申し上げた問題解決の機会をいかに増やせるかということにも直結しますが、やっぱり「今の自分には難しいんじゃないか」と思える経験から学べることが多いと思うんです。
プレゼンをしたインターン生は、元々英語がそこそこ出来る子だったんですが、プレゼンで自分の英語の未熟さを実感してそれから目の色を変えて、一層英語習得に励んでましたね。
まさに課題にぶつかったからこそ成長できた事例だと思います。
インターンシップで磨かれる、○○力。
質問:インターン生は主に調査データの分析のサポートをされるそうですが、日本では、どのような業界の調査を行なっているんですか?
山本:日本も本社のイメージから自動車業界のリサーチ中心だと思われることがあるんですが、実は、自動車業界をはじめ、銀行・保険・証券といった金融業界から通信・IT・ホテルなど幅広い業界の調査を行なっているんです。
梅澤:時代の流れによって調査対象とする市場も移り変わっていきますよ。例えば、最近だと、キャシュレス決済市場が良い例ですね。
キャッシュレス市場は、近年様々な会社が参入してきて、色々なサービスがリリースされていますが、消費者の立場でみると、「サービスがありすぎて、結局どれがいいか分からない!」という状況ですよね。
そこで当社がアンケート調査を行い、「セキュリティはどう?」「操作性良い?悪い?」といった生の声を集めて分析することで、サービス提供側・消費者側双方にとって有益な情報になるんです。
現在のインターン生は、金融業界のデータ分析のサポートを中心に取り組んでもらっているので、将来金融業界に行きたいという大学生にはぴったりだと思います。また、金融に限らず様々な業界の最新動向が知れるのは面白いんじゃないでしょうか。
質問:そのようなリサーチ・コンサルティング業務を行う上で、求められる素養やスキルは何ですか?
梅澤:論理的思考力やデータ分析スキルなどはもちろん必要なのですが、当社ならではという点でいうと業界・企業の分析力でしょうか。
というのも、独自調査を実施する時に消費者の方々へどのような設問を立てるのかは非常に重要なポイントになります。そこで重要なのが顧客視点です。
「消費者の方々が欲している情報は何か」「どういう基準でサービス選定を行うのか」等、消費者の気持ち・ニーズを理解する必要があります。言い換えると、お客様のお客様を想像する力ともいえますね。
大学生もこの精度が高められるようになると、企業分析のスキルは相当磨かれると思います。
実際、以前当社インターンシップに来ていた大学生は、インターン終了時に、「HPを見たら、大体その会社がどういう会社か分かるようになった」と言ってましたよ。
質問:最後にインターンシップ参加を考えている学生に一言お願いします。
山本:私たちが学生の頃には、インターンという文化があまりありませんでしたが、今ではインターンは当たり前のものになりつつあります。
ぜひこうした時代の流れを利用して、成長したいという気持ちがある方は、インターンシップに参加してみてはいかがでしょうか。
当社は50年以上に渡って、顧客満足度調査を専門にしてきた世界的な調査・コンサルティング会社です。もしコンサルやマーケティングに興味がある人がいたら、当社のインターンにも奮ってご応募ください。
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