世の中にたくさんある仕事の種類の中で、最も人数が多いと言われるのが営業職。就職サイトなどを見ても、半数かそれ以上が営業職の募集といっても過言ではありません。
なんとなくイメージをする営業職というと、巧みな話術で人の心をつかみ、商品を購入させる“話し上手”こそが活躍しているような感じがしますが、実際のところはどうなのでしょうか?
ここでは、話し上手と聞き上手、どちらが営業に向いているといえるのか、詳しく解説していきます。
話すのが得意だから営業職をやってみよう!話すのが苦手だから営業職はやめておこう!就活生が自分の就職先を考えるときに行っているこれらの自己分析。もしかすると、実は早計な誤った選択かもしれませんよ。
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この記事の目次
売るのが仕事ではない?営業職の本当の仕事とは?
大学生や就活生など、実際に営業職として働いた経験のない人の多くは、営業=売る、仕事だと考えていることでしょう。
実際、結果として営業は商品を販売し、クライアントからお金をもらうことが仕事の目標であり、それこそが評価をされる基準になります。
しかしそれはあくまでも結果の話。実際の営業現場では、意外にも“売る”という行為はほとんど行われていません。一体どういうことなのか?ここから解説していきましょう。
課題を抽出し、それを解決するための提案を行うことが営業職の使命
結論から言ってしまいますが、営業の仕事というのは、クライアントが抱える課題を抽出し、その課題を解決するための提案を行うことがその主たる目的です。結果として、その課題解決のためには営業が販売する商品が必要となり、売れる。ということになるのです。
例えば保険の営業。もっとお得で、内容も充実した保険に入りたい。そんなお客様の現状に対する困った思いがあるからこそ、自分のところの商品を買ってもらえるわけです。人材系企業であれば、優秀な人材を採用したいけど方法がなくて困っている。そんな状況があるからこそ、商品を買い、その課題を解決しようとするのです。
そもそも必要のないところに営業をしても結果は出ません。極論、課題があり、それを解決する手段が偶然自社の商品であった時、結果として売れるということなのです。
まずはクライアントに話してもらい、課題を教えてもらうのが営業の第一歩
だからこそ、営業職としてまずしなければならないのは、お客様が今抱えている課題を抽出するということ。その課題がないところに無理に商品を勧めても、売れることはないでしょう。すごく極端な例えですが、もし自分が自転車に乗れなかったとして、クリスマスプレゼントで自転車を貰ってうれしいと思いますか?思えませんよね。営業という仕事の第一歩は、クライアントが今何を欲しているのかを“聞く”ということなのです。
そして、そういった課題が一つもないという会社はありません。業界No.1企業であっても、億万長者であっても、何かしら「もっとこうしたい」という思いはあるものです。もしも本当に何の課題もないならば、特に努力をすることもなく、悠々自適に生活しているでしょうしね。
営業職として、自分が話すよりも先に、相手に話してもらうことが大切だということがわかってもらえたと思います。
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営業職に絶対に必要なのは「聞く」能力
そう考えると、営業に向いているのは、話し上手よりも聞き上手だということがわかるでしょう。クライアントの課題を聞けなければ、いくら話が上手くても、どんな商品を提案すれば良いのかわかりません。
見当はずれな提案ばかりしていては、もちろんお客様が買ってくれるわけがありません。どれだけ良い商品であったとしても売れることはないでしょう。
では、聞き上手こそが活躍できる営業職という仕事に関して、具体的にはどんなコツがあるのでしょうか。ここからはそんな仕事を進める上でのコツに関して見ていきましょう。
話す割合は自分2割、お客様8割と心得よう
営業職としての成功のメソッドの一つとして、営業現場で話しをする割合は、自分が2割、お客様8割になるようにすると良い。というものがあります。
考えみてください。あなたが本当に仲の良い友達と話すとき、積極的に自分から話したくなりませんか?人間は、自分の話をすることでどんどん気分も高揚していきますし、それを聞いてもらうことで、聞いてくれる相手への信頼感も増していきます。
逆にあまり仲が良くない友だちが、一方的に話しかけてきて、自分の話ばっかりしてきたとして、その人に自分の悩みなど、深い話をしてみたいと思えるでしょうか。
営業現場でもそれは同じで、クライアントにしっかり話してもらい、自分のことを信頼してもらうことで、初めて本当の課題というのは抽出できるものです。まずはお客様にどんどん話してもらうために、自分が話すのはグッと我慢。たくさん話してもらい、その中で見つかった課題に対し、その解決策をさらりと提案する。それが最もスマートな営業の形といえるでしょう。
お客様に話してもらうことでしか、営業職としての次の仕事は生まれえないものなのです。
クライアントとの信頼関係を築くために、話す能力を鍛えていこう
では話す力は全く必要ないかと言われると、それも違います。こちらの話す機会が少ないからこそ、その短い時間を有効に使わなければなりません。この場合、上手に話すというよりは、クライアントが求める解答を、端的にわかりやすく伝える力が必要と言えますね。
別に流ちょうに話す必要はありません。相手が聞きたいことだけを話す。それだけで営業職としての話し上手は成立するのです。ただそのためには、深い商品知識や、さまざまな雑学力、最近の市場やトレンドに対する深い造詣などの必要となるでしょう。自信を持って話せる肝の座り、みたいなものも大切と言えますね。
相手が質問などをしてきてくれたら、そこにしっかり解答しつつ、プラスアルファで有益な情報を伝えてあげる。短い時間の中であなたの信頼度をグッと高めることができる、営業職の必殺技とも言えます。
クライアントから色んな話を聞き出し、もっと話したい気持ちにさせる“聞き上手”。そして短く端的に、相手に価値を伝える“話し上手”。この二つの力を持った営業職こそが、もっとも活躍できる人材といえるでしょう。
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まとめ 聞くところから営業の仕事は始まる。口下手でも営業で活躍できます!
どうしても営業職ときくと、口八丁手八丁で、話術で相手をどうにかし、商品を買ってもらうものと思われがちですが、実際の現場ではそのようなことは行われていません。
まずはじっくりと相手の話を聞いて、どんな悩みを抱えているのか、どんな課題を持っているのか、それを抽出することが営業の第一歩。ここに、話し上手よりも聞き上手な方が営業に向いている、なんて話が出る所以があるのです。
もちろん、話し上手が営業の現場で活かせるケースももちろんあります。しかし、口下手で話すのが苦手だからといって、営業で活躍できないということは決してありません。クライアントの良き相談相手として、どんな話も真摯に聞いてくれる。そんな風に相手から信頼されれば、必ず先方はあなたと一緒に仕事をしたいと思ってくれるはずです。
まずは人の話を聞くのが好きかどうか。そしてよく考えればそれが得意かどうか。その目線から改めて自己分析を行い、自分の新たな可能性にチャレンジしてみるのもおすすめですよ。