長期インターンを始めたきっかけを教えてください。
小学生の頃からプログラミングに夢中になり、今は大学院の情報理工学系研究科で専門的に学んでいます。
大学1年生から家庭教師をしていて、教えることにはやりがいを感じていました。ただ、次第に「せっかくなら自分の大好きなことを教えたい」という気持ちが強くなっていったんです。
プログラミングは自分のルーツ。だからこそ、それを誰かと深く語り合える環境に魅力を感じて「プログラミングを教える仕事」を軸に探し、今のインターンに出会いました。
インターン生としてどのような役割で、生徒と向き合っているのですか?
角川ドワンゴ学園が運営するプログラミング教室『N Code Labo』で、小学生から高校生までを対象に指導を行っています。役割はTA(ティーチングアシスタント)ですが、1回90分の授業で生徒1〜3人を担当する準個別形式なので、かなり一人ひとりと深く向き合う環境です。
通っているのはN高グループの生徒に限らず、一般の小中高生たち。「プログラミングを学びたい」という意欲を持って集まってくれるのが嬉しいですね。
扱う内容はUnityでのゲーム制作やPythonでのAIアプリ開発など幅広いですが、基本は教材に沿って進めます。ただ、生徒が「こういうものを作りたい!」とアイデアを持ってきてくれることも多いんです。その時は教材に縛られすぎず、「どうすれば実現できるかな?」と一緒に悩みながら形にしていくプロセスを大切にしています。
柔軟な対応には高いスキルが必要そうですが、どう対応し、高めているのでしょうか?
生徒の「やりたい」にその場で応えるには、やっぱり自分自身でアプリやゲームを作れるくらいの応用力が求められます。相談を受けたときに「それなら、こういうやり方があるよ」と引き出しを提示できるのは、この仕事の難しいところでもあり、一番やりがいを感じる部分でもありますね。
もちろん、最初からすべて完璧である必要はありません。まずは研修で教室の教材を一通り触って、環境をキャッチアップするところから始まります。
あとは、生徒が持ってくるアイデアが自分にとって未経験の分野であることも珍しくないんです。その時は正直に伝えつつ「じゃあ、先生も一緒に勉強してみるね」と一緒にリサーチを始めます。教えるついでに自分も新しい分野を学ぶことで、スキルの幅が広がる。そんな「生徒と一緒に自分もアップデートされていく」感覚があるからこそ、ずっと新鮮な気持ちで楽しみながら働き続けられているんだと思います。
インターンとして働く中で印象に残っているエピソードはありますか?
小学生の生徒が、1年かけてオリジナルのゲームを完成させたときのことです。Scratchを使い、ゼロから形にしていく過程を週に一度の授業でずっと見守ってきました。
自分自身が何かを作るのとは違い、「教えた生徒がここまでできるようになったんだ」という手応えは、この仕事ならではの大きな喜びでした。長い期間一緒に走ってきた分、完成した瞬間の達成感は今も心に残っています。
他にも、かつて通っていた生徒が成長して、大学生になってから講師(TA)として戻って来てくれたことがありました。教えられる側から教える側へ、という成長のサイクルに関われるのも、この仕事の素敵なところだなと感じます。
「教える」という役割の中で、壁にぶつかったことはありますか?
実は、最初は「正しいことを論理的に言えば伝わるはずだ」と思っていたんです。でも、実際はそれだけでは不十分だということに気づかされました。
特に入門者の子にとっては、教材通りに進めること自体が高いハードルになることもあります。一方で、経験のある子には、より発展的なヒントを投げかけて意欲を引き出さなければなりません。一人ひとりのレベルや「つまずき」に寄り添いながら、どう言葉を届けるか。その難しさを実感したことが、自分にとっての大きな転換点になりました。
その壁を乗り越えて、自分自身の変化や成長はありましたか?
相手の理解度に合わせて、柔軟に「説明の抽象度」を変えられるようになりました。
例えば、理解が早い子には少し踏み込んだ理論を添え、苦戦している子には理屈よりもまず「全体のイメージ」を重視して話す。そんな「相手に合わせたパス」を出す意識が芽生えました。
また、家庭教師の頃から大切にしている「生徒の小さなサインを見逃さない」という意識もより強まりました。生徒が「わかりました」と言っていても、表情やタイピングの迷いを見て、本当はどこでつまずいているのかを注意深く観察する。言葉の表面だけでなく、生徒が心から納得できているかを汲み取ることが、深い学びに繋がると信じています。
研究で忙しい大学院生活と、どのように両立させているのでしょうか?
現在は土曜日を中心に、週1回のペースで勤務しています。1日で8時間弱しっかり働きますが、平日は研究に集中したいため、週末にまとめて入れるこのスタイルが自分にはとても合っています。シフトも柔軟に調整できるので、学業を疎かにすることなく、4年間という長い期間を無理なく歩んでこれたと実感しています。
学部生の頃から4年もインターンを続けてこられた、一番の理由はどこにありますか?
一言で言えば、この場所の「居心地の良さ」に尽きます。
正直、最初から「4年も続けよう」と決めていたわけではありませんでした。ですが、この4年間で仕事に行くのが嫌だと思ったことは一度もありません。教室へ行けば、生徒や他の講師仲間と大好きなプログラミングや最新の技術の話を気軽に楽しめる。「あのアツい話の続きをまたしよう」と自然に思える環境が、私にとっての最大のモチベーションになっています。
同じ興味関心を持つ仲間が集まり、何気ない雑談さえも技術の話題で盛り上がれる。自分の専門性を隠さずに語り合える空気感が、仕事に行くこと自体を「楽しみ」に変えてくれています。
最後に、長期インターンシップを検討する学生さんへメッセージをお願いします。
一番大切にしてほしいのは、スキルそのものよりも「プログラミングが好き」という気持ちです。
単に淡々と教えるのではなく、まずは自分たちがプログラミングを楽しむこと。その熱量が、生徒に楽しさを伝える一番の近道だと思っています。実際、職場にはそんな技術好きの仲間が集まっています。
将来は開発職を志望していますが、ここで生徒と一緒に試行錯誤した経験は、技術者としても大きな糧になると確信しています。プログラミングが好きで、誰かに何かを教えることに喜びを感じる人なら、ここは最高の環境です。少しでも興味があれば、ぜひ挑戦してみてください!