20卒学生の皆さん、就活状況はいかがでしょうか。
既に内定をもらい就活を終えている人もいれば、複数の会社から内定を獲得し、入社先に迷っている人まで色々いるかと思います。
ひとまず企業から内定をもらって安心した方もいらっしゃると思いますが、就活生の皆さんは「内々定と内定の違い」をご存知でしょうか?
実は内々定と内定には法律的に大きな違いがあります。それぞれの意味を理解しておけば、卒業までの期間も安心して過ごすことができます。
本記事では、内々定と内定の違いから内定取り消しになるケース、内定後の時間の使い方などをご紹介していきます。
内定済の就活生の方はぜひ最後までご一読ください。
この記事の目次
就活生の内定獲得の状況は?
人材大手リクルート・就職みらい研究所のレポートによると、20卒学生の就職内定の状況は下記の通りです。
- 2019年4月1日時点・・・21.5%
- 2019年5月1日時点・・・51.4%
- 2019年6月1日時点・・・70.3%
- 2019年7月1日時点・・・85.1%
2019年7月時点では、既に9割近い学生が内定を獲得している状況です。
経団連主導の就活スケジュールが廃止となってから、ベンチャー・中小企業や外資系企業だけではなく、国内大手企業の内定出しも早期化の動きが見られます。
内定と内々定の法律上の違いを知ろう
内定と内々定の違いをご説明します。
内々定は法律的な拘束力はない
内々定とは、内定と同じような意味合いですが、法律的には労働契約に至っていない状態のことです。
そもそも内々定は、経団連が定めた倫理憲章において「10月1日の採用内定日」より前に内定通知を受け取ることをさします。
経団連の就活スケジュールが廃止され、翌年以降の内々定がどのような状態になるのかは定まっていませんが、20卒までは経団連ルールにのっとっています。そのため、この時期(10月1日より前)は皆さんは「内定」ではなく「内々定」をもらっている状態になります。
内々定は、法律的には拘束力がなく、企業との口約束というイメージになります。
内定は正式な雇用契約
内定は、前述した通り卒業・終了年度の10月1日以降に受け取る内定通知書に対し、学生が入社承諾書を提出することで労働契約が成立した状態を指します。
正式には、「始期付解約権留保付労働契約」と呼びます。簡単にいうと、入社は4月1日から(始期付)でやむを得ない事情があれば労働契約の解約がありうる(解約権留保付)ということです。
多くの会社が10月1日内定式を行うのは、経団連が定めたスケジュールにのっとり、正式な労働契約を結ぶためです。
油断禁物!内定取り消しになるケースとは?
内定は、正式な労働契約になり、内定取り消しは解雇と同じ扱いになります。そのため基本的によほどのことがない限り、内定が取り消されることはありませんが、一定の条件下では内定が取り消しになる可能性もあります。
内定者にとって「内定取り消し」は最も避けたいことだと思います。ここでは、内定取り消しになる具体的な事例をご紹介します。
内定取り消しには、学生側が要因の場合と企業側が要因の場合の2つのケースがあります。
学生側に問題がある場合
学生側に問題があり、内定取り消しに至るものには下記のようなケースがあります。
- 単位が足りずに卒業ができなかった場合
- 病気や怪我など健康上の理由で勤務が困難になった場合
- 犯罪行為があった場合
- 履歴書や面接で学歴などの詐称が発覚した場合
- SNSで不適切な投稿をした場合
特に最近では、TwitterやFacebook、YoutubeなどのSNSによる炎上の問題がよくニュースで取り上げられます。
大学生の皆さんもSNSは身近なものだと思います。これまでの学生生活では仲間内のコミュインケーションツールとして使うことが多かったと思いますが、SNSは誰でも見れるものだということを改めて意識しておきましょう。
就活が終わり、プレッシャーから解放された勢いで不適切な投稿をして内定取り消し、なんてことにならないように注意してください。
企業側に問題がある場合
企業都合による内定取り消しもありえます。企業側からの内定取り消しが起こりうるケースは、以下です。
- 業績悪化や経営破綻によりやむを得ない場合
また、その上で企業が新卒者の内定を取り消すためには、「人員削減が必須であること」「解雇回避のための努力をしたこと」「解雇者を合理的に人選すること」「労働組合・労働者と協議すること」といった条件を満たす必要があります。
企業からの内定取り消しは労働契約上の解雇にあたるので、簡単には取り消されることはありません。しかし、業績が悪化した際は既存社員が優先され、新卒者が先に削減対象になる傾向がありますので注意しましょう。
内定獲得後によくある就活生の悩み
内定と内々定の違いや内定取り消しのケースをご紹介してきました。ここでは、この時期に内定者からよく聞く悩みにお答えしていきます。
Q.第一志望じゃない企業の内定者懇親会は行かなくちゃだめ?
基本的に参加必須でない限り、内定者懇親会への参加は義務ではありません。そのため、行かないこともできますが、もし内定辞退するつもりなのであれば、早めに人事担当者に伝えましょう。
また、内定者懇親会では一緒に働く同期や先輩社員の働き方、社内の雰囲気などを知る良い機会でもあります。
もし入社を迷っているようであれば、内定者懇親会に参加して情報を集めるのも良いと思います。
Q.内々定を辞退したいけど、直接会いに行く必要はある?
内々定の辞退連絡は、直接会いに行く必要はありません。
しかし、かといってメールだけで済ませてしまうのは考えもの。できれば電話で直接人事に伝えましょう。
企業側もこれまで多くの時間と費用をかけて選考を行い、あなたを評価してくれました。辞退そのものに遠慮をする必要はありませんが、内々定を出してくれた感謝と誠意を伝えた上で辞退をするのは社会人として最低限のマナーです。
Q.内定承諾後の辞退は違反?罰則はある?
内定承諾をした後でも法律的には、入社2週間前までは内定辞退は可能です。
そのため、10月1日に内定承諾をした後の辞退によって法的に罰せられることはありませんが、企業とはトラブルに発展することもあり得ます。
内定辞退を決めたら、連絡を後伸ばしにせずできるだけ早く企業へ連絡を入れることが重要です。
内定者必見!卒業までの有意義な時間の使い方を紹介
内定を獲得した後は、忙しかった就活も終わり、比較的自由に使える時間が多いと思います。
最後に内定者におすすめの入社前の時間の使い方をご紹介します。
海外旅行や免許取得などやり残したことをやる
社会人になると、まとまった休みや年に数回あるかないか。学生時代ほどに長期休暇をとるのは難しくなります。
とくに新卒入社直後は、新しい環境になれたり、仕事を覚えたりとやることがたくさんあります。
海外旅行や免許の取得などのやり残したことがあれば、卒業までの時間をぜひ活用しておきましょう。
入社後に役立つ勉強や資格取得に励む
入社後の仕事に役立つ資格や勉強を始めておくのもおすすめです。
社会人になるにあたって分からないことばかりかもしれませんが、入社前から少しづつ知識を習得しておけば、入社後のスタートダッシュは切りやすいはずです。
また、社会人になるとどうしても目の前の仕事に追われて、勉強する機会が減っていく人が多くいます。社会人になる前に自己研鑽の習慣を身につけておくことは、社会人としてレベルアップするためにとても重要です。ぜひこの機会に身につけておきましょう。
インターンでスキルアップする
インターンシップで一足先に社会人経験を積んでみるのもおすすめの過ごし方です。
入社先が内定者インターンを実施していれば、それに参加してみても良いですし、仮に内定者インターンを実施していなければ、同じ業界や職種の長期インターンシップに参加してみても良いでしょう。
あらかじめ入社後にやる仕事を知っておけば、それに向けた準備や心構えができるはずです。ビジネスマンとして同期と差をつけたい人にはぜひおすすめです。
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