就職活動やインターンシップの中でなかなか対策を立てづらい項目の一つがグループディスカッション(GD)。出されるお題もさまざまですし、何より一緒にグループディスカッションにのぞむメンバーもその日初めて会ったメンバーと行うことになりますから、事前に準備をしておこうと思ってもなかなかうまくいきません。
しかし、グループディスカッションを行う企業側の意図を知ることで、自分が果たすべき役割や気をつけるべきことが見えてきます。
ここでは、グループディスカッションを勝ち抜くコツとその対策法について、解説していきます。
就活のグループディスカッションはこれで大丈夫!解説と対策
この記事の目次
グループディスカッションとは
グループディスカッションとは、その名の通り4人~8人程度のグループを作り、テーマをもとに議論を展開。制限時間内で結論を導き出す選考フローの一種のことです。
多くの場合、そのテーマには答えとなるものがなく、どんな答えを導き出したかよりも、その答えを導き出す過程を大切にしています。
ここからはまず、グループディスカッションをやる目的や意図を、企業側の視点からチェックしていきましょう。
自己PRの書き方と例文。受かるESの書き方とは
グループディスカッションで頻出する課題
グループディスカッションで出されるテーマは、細かなワードの違いこそあれ、実は似た傾向を持ったものであることがほとんどです。
その中で最も多く出されるタイプが、『自由討論型』と『ディベート型』の二つ。
自由討論型は、例えば『新しい国民の祝日を、その日にする理由と一緒に考えてください』といったような、正解のないことに関して、自由に意見を出し合いながら、グループとしての総意をまとめるタイプのものです。
対してディベート型は、『留守番電話機能は必要か否か』や『年功序列はあった方が良いか、無い方が良いか』といったような、肯定と否定、どちらかに意見が分かれるテーマにすると話し合うタイプのもの。
それぞれ出されるテーマによって、企業側が見ようとしているポイントも違ってきます。グループディスカッションにおいて重要なのは、その出題されたお題の意図を見抜くこと。単純に意見をたくさん出したから、自分の意見が採用されたかた高評価を得られる。というものではありません。
次は、先ほど挙げた二つのタイプのテーマに関して、どういった部分を主に採用担当者が見ているのかをお教えします。
自己分析のやり方がわからない?正しい方法、お教えします
グループディスカッションで企業側が見たいもの
自由討論型のお題の場合、具体的なビジネスの問題等について話し合うわけではないので、その答えの優秀さを示すような、思考力や課題解決能力といった項目は、実はあまり見られていません。
それよりももっと基本的な、グループ内であっても、自分の意見をしっかりと発信できるかどうか。また逆に、人の意見をしっかり聞いて、チームワークを重視できるかどうかを見られています。
ですので、自分の意見を通したいからと言って、安易に人の意見を否定したりするのはNG。もし自分の意見よりも周りの意見の方が多数派となりそうな空気であれば、その流れを感じ取り、同じ方向性を持ったうえで、より深みのある意見を出していかなければなりません。
自分の意見を持ちつつも、周りの意見も尊重し、時には自分の意見を一度捨てて、グループの総意をより強固なものにしていく…そんな風に、輪を尊重しつつより良い答えを導き出していく姿勢が求められるのです。
そういった意味では、みんなが自由に意見を出し合うと、話がまとまり切らずに時間超過。というような事態も起こりやすいテーマですから、時間への意識をしっかりと持ち、適せんチーム全体の意見をまとめるタイミングが作れるように促すことも大切ですね。
一方のディベート型のテーマの場合、意見がぶつかることが前提となっていますので、意見そのものよりも、その根拠となる部分や相手の意見の穴を見つけるような論理思考力が問われてきます。
自分で意見を出すときは、結論を述べつつ、それにいたった根拠、その根拠が導き出された具体例なども押さえながら、説得力のある意見を出していくように心がけましょう。
議論が熱くなってくると、どうしても攻撃的になって、相手を攻め立てようとしてしまいますがこれはNG。自分の意見を通すことはもちろん大切ですが、論理的に相手を納得させるのと、無理矢理押し通すのは全くの別物。
重要なのはディベートそのものの勝ち負けではありません。場合によってはあまり意見としては強くない、デメリットの方が多い側を擁護しなければならないこともあるでしょう。そんな時でも、相手の意見の弱いところや、自分の意見の強いところをしっかりと見つけ出し、そこを正確についていく力。
それこそが討論型のグループディスカッションで見られている部分なのです。
大学3年生はインターンシップをすぐに始めたほうがいい
グループディスカッションにのぞむ際に心がけたいこと
グループディスカッションでメインとなる2つのタイプについて、その特性をみてきました。細分化していけば、『選択型』や『課題解決型』など、他にもさまざまなタイプがあり、企業側がどのタイプで出題をしてくるかわからない以上、そのすべてに対して個別の対策を練る、ということは現実的には難しいでしょう。
しかし、どんな形のグループディスカッションであっても、討論者が果たすべき役割、というのはある程度固定化されているものです。
ここからは、グループディスカッションにのぞむ際に心がけておきたい基本的な項目に関して見ていきましょう。
業界別!大手企業内定者たちのESを一挙公開!例文多数!
自分の役割を定める
議論をする場では、全員が全員メインの発言者になることはあまりありません。もし仮にそうなってしまうと意見がまとまらず、時間だけが過ぎてしまうことにもなるでしょう。
自然な流れの中でおのずと決まってくるそれぞれの役割ですが、あえて自分からその役割を拾っていくことで、グループ内でより効果的に目立つチャンスをつかむこともできます。
まずは『司会』。議論の場を整理・活性化することが役割です。意見をまとめるリーダーとは違うので気をつけましょう。みんなの意見をまとめ、発言できていない人に話をふってみたり、ディスカッションの場全体を盛り上げるために動いていきましょう。自分の意見の発信力も、周りの意見を咀嚼し、纏める力が必要とされるポジションですね。
次は『書記』。一見すると地味ですが、まとめられ、文書化された意見は、議論の後半になればなるほど活かされます。あまり積極的に発言するのは得意ではない。と言う人こそ、積極的にこの役割を買って出るようにすると良いでしょう。ただ、書記だからと言って、何も発言しなくても良いというわけではありません。みんなの意見をまとめたものを適せん発表し、その場の状況整理をしてあげることも必要になります。
最後が『タイムキーパー』。良い意見を出す。ということはとても大切なビジネススキルですが、一方で絶対に破ってはいけないビジネスマナーの一つでもあるのが時間・納期です。どんなに素晴らしい商品を作っても、納期が間に合わなければ意味がありません。そこをしっかりメンバーに意識付けさせて、議論の流れを調節していくのがタイムキーパーの務め。場の盛り上がりなども見ていきながら、タイミングよく舵取りをしていく力を求められます。
自分はどの役割に向いているか、それを事前に確認した上で、グループディスカッションにのぞむことが大切だと言えますね。
就活・インターンシップに受かるエントリーシートの書き方例
まとめ
グループディスカッションを勝ち抜くために大切なことを、企業側の視点や、参加者としての視点から見てきました。ビジネスの場では、自分ひとりで仕事を行うことはありません。時には協力し、時には意見を戦わせながら、色んな人と一緒に仕事を進めていくものです。
そこで必要とされるのは、抜群のアイデアや強力な発言力ではありません。論理的で、周りの意見も尊重できる、そんな輪をまとめる能力ことが求められるのです。
そのことをしっかりと理解してからグループディスカッションに参加すれば、自分自身の手ごたえも大きく変わるはずですよ。
面接の雑談で落ちる?気軽な質問こそ就活生は要注意!