旅行業界の業界研究!現状や今後の課題、売上高ランキング

昨今進んでいるグローバル化。

その波に乗って海外旅行に行く人、海外から日本に来る人の数は増え続けています。

 

2020年の東京オリンピックも踏まえ、旅行業界に注目している就活生も多いのではないでしょうか?

 

そんな旅行業界の現状からシェア、将来性についてまとめました。

旅行業界の現状

最近では大学生の多くが旅行するようになり、親しみやすい旅行業界は人気業界の一つです。

 

2018年の観光庁の調査によると、2017年の日本の観光消費額は21.1兆円(前年比0.8%増)、日本人国内延べ旅行者数は、6億4,751人(前年比1.0%)と増加傾向がみられます

 

そんなことからも旅行業界って絶好調だと思っている人も多いはず。

実際の現状はどうなのでしょうか?海外旅行と国内旅行で違う現状をまとめました。

そもそも旅行業界ってどういうもの?

旅行会社は法律で、「旅行業」と「旅行業者代理業」の2つに分かれています。

 

その中でも旅行業者は、さらに三種類に枝分かれ。

 

  • 海外・国内の旅行を企画できる「第1種」
  • 国内旅行のみの企画ができる「第2種」
  • 一定の条件下で国内旅行を企画できる「第3種」

 

一方、旅行業者代理業は、旅行業者と代理契約を結び、ツアーなどの旅行商品を代理販売しています。BtoBと呼ばれる企業ですね。

 

ここではこの「旅行業」と「旅行業者代理業」の二種類の業界研究します。

海外旅行の現状

グローバル化、海外旅行の安価化、オリンピック、、、など、海外旅行は増えていると思っている人も多いはず。

 

実際その通りなのです。

日本旅行業協会のリサーチによると、海外への旅行をする人は年々増加しています。

 

最近では特に若者のアジア圏への旅行者数が増えています。

しかし驚くべきことは日本に訪日する旅行者の増加なのです。日本政府観光局(JNTO)のリサーチによると、

  • 2017年時点 日本に訪日した外国人 2,869万人(2016年は、2,403万人)
  • 世界16位の観光受け入れ人数

ということが分かっています。

 

オリンピックに向けて更なる訪日外国人増加が予測されている現状があります。

国内旅行の現状

では一方の国内旅行の現状を見てみましょう。

日本旅行業協会のリサーチによると、国内旅行による売り上げは年々低下しているという意外な結果が出ています。

理由としては、

  • 人口が減少している
  • バブル後の団体旅行への需要が低下している
  • 交通手段の発展により、日帰り旅行が増加している

ということが挙げられています。

旅行業界 旅行取扱高ランキング

日本旅行業協会によると、旅行業者は年々増え、2017年4月時点で1191社あります。

ではどの企業の売上が大きいのでしょう?

 

観光庁の旅行取扱高ランキングによると、(平成28~29年度)

 

  • 1位 JTB  1兆4771億円
  • 2位 KNT-CTホールディングス  4830億円
  • 3位 HIS 4388億円
  • 4位 日本旅行 4267億円
  • 5位 阪急交通社 3187億円

 

という結果でした。

みなさんおなじみのJTBが2位のKNT-CTホールディングスを大きく離して1位に輝きました。

 

KNT-CTホールディングスは近畿ツーリズムとクラブツーリストが合併した会社です。趣味やバリアフリーに注目した独特な企画に人気のようです。

 

HISは売上の大半が海外旅行に依存するという特徴があるようです。

 

日本旅行はJRとのつながりが深く、国内旅行に重点を置いています。

阪急交通社は関西を中心に活躍している企業であり、不動産事業なども行っています。

旅行業界のお仕事

旅行に関わる仕事という点では同じですが、その中でもかなり枝分かれした業務があるのが旅行業界。

 

おおまかな旅行業界の仕事を紹介します。

 

カウンター・・旅行会社の店舗で航空券やツアーの販売・手配を行う

企画(ツアープランナー)・・ホテルや観光場所の選択、企画を行う

仕入れ・・ツアープランナーの企画に沿ってホテルや交通手段を手配する

コンダクタ―(添乗員)・・ツアーに同行して旅行者の管理や引率を行う。「旅行管理主任者」の資格が必要。

法人営業・・企業の海外進出などを手伝う。

団体営業・・団体客に対してプランやツアーを提示する。団体旅行のコンダクターになることも多い。

ITエンジニア・・オンライン化が進む旅行オンラインサイトの運営を行う。

 

その他にも他企業同様に人事・総務・経理などが存在します。

気になる年収は?

旅行業界といえば不安定ですが、その業績は国際化に合わせて上がっています。

 

年収はどうなるんだろう?と疑問視する就活生も多いはず。

 

マイナビエージェントによると、業界全体の20代30代の年収は347万円で他業種に比べてあまり高くないイメージです。

 

大手のHISの年収は432万円(平均33.5歳)、KNT-CTホールディングスの年収は568万円(平均47.4歳)でした。

 

一方の旅行業界トップの年収を誇る阪急阪神ホールディング年収は931万円(平均42.2歳)でした。

 

また、経済変動によって左右されやすいことから年収のアップダウンも激しいデータがあります。(年収ラボ調べ)

志望動機ってどう書けばいいんだろう?

就職活動中の大学生を悩ますことが多いのが志望動機の書き方。

「ただ旅行が好き」だけじゃなかなか通らないのが現実。

 

では、どのように志望動機を書けばいいのでしょうか?

  • 企業研究の成果を見せる

旅行業界といってもそれぞれの特徴を持つ企業が存在します。

 

「旅行が好き」という気持ちを見せることは大事ですが、なぜその企業を選んだのかという理由を伝え、その部分にどう貢献できるのか、ということをアピールすることが必要です。

 

  • 柔軟性・タフさをアピール

旅行業界では少しのミスが命取り。

もしミスをしてしまった時にどのように対処できるのか、という柔軟性を持っていることが重要です。

 

例えば、ツアー中に行くはずだったレストランが急遽閉まっていた時、いかに迅速に他のレストランを探し、ツアーを続けるか。

 

学生時代の経験をもとに柔軟性やタフさをアピールするといい、という声があります。

 

  • 企画力を見せる

旅行業界では外せない大事な仕事、企画(プランナー)。

 

このツアーやプランを企画するこの仕事を目指している人は特に、「企画力」をアピールすることが大事です。

 

大学祭やゼミの行事など、なにかを企画して実行した経験を話すといいでしょう。

  • 国際性でアピール

海外旅行が増加傾向にある旅行業界。

多くの旅行会社が海外旅行に力を入れようと考えています。

国際性をアピールすることのできる留学やホームステイ、自身の旅行の体験を話すことがいいでしょう。

旅行業界の今後は?

海外旅行の売上が伸び、国内旅行の売上が下がっているという現状にある旅行業界。

 

不安定だと言われる業界ゆえ、今後に不安を持つ人も多いはず。

そんな旅行業界が今後に向けて行っていることをまとめました。

デジタル化

デジタル機器の台頭により、旅行の申し込みや予約もオンラインで行う人が増えています。

拡大するインターネット利用者に合わせて、オンラインエージェントというオンライン業務だけを行う旅行業者も増えています。

既存の旅行会社もオンラインへの取り組みを行いつつあります。

価格の二極化

昨今、旅行は老若男女問わず大人気。

日本旅行業協会によると、「生活においてレジャー・余暇生活に重きを置いている」と答える人は増え続けています。

そこで旅行業界が始めたのが価格の二極化。

若い学生に向けて出来るだけ価格を下げたプランを提示する一方で、熟年層に向け高級感のあるプランを提示し続けています。

さいごに

旅行業界の業界研究いかがでしたでしょうか?

 

不安定だと言われる旅行業界ですが、海外旅行は増加中で、オリンピックも控える日本。

デジタル化への参入、団体旅行からターゲットを絞った個人旅行への移行を通して、これからも活躍し続ける業界だと言えるかもしれません。

 

JTBなど大人気の企業もある旅行業界。気になる方は調べてみてはいかがでしょうか?