就活生・大学生にはあまり馴染みのないかもしれないパチンコ・スロット業界。
でも相次ぐ不正問題や法改正・警察からの厳しい監督下にある現在では、かなり苦しい経営を強いられています。
そうした中で、カジノ法案を法案通過を巡ってパチンコ業界は新たな岐路に立たされていると言えます。
スマートフォンでのソーシャルゲームが大人気となっている現在では、若者のパチンコ離れは著しく、業界全体への大きな逆風となっています。
また、日に日にギャンブル依存症への世間の目は厳しくなってきていることから、どうやって安心・安全な遊戯コンテンツとして依存症への対策をしていくと同時に、収益性も確保していくかという、ジレンマに業界は苦悩していることと予想されます。
今回は、そんな厳しい状況を強いられているパチンコ・パチスロ業界全体の概要から、業界各社がどのようにしてこの状況を打破しようとしているかまで、幅広く紹介していきたいと思います!
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この記事の目次
パチンコ・スロット業界の概要
パチンコ・スロット業界の市場規模は!?娯楽の王様ってホント!?
日本生産性本部が算出した「レジャー白書」によると、2015年のパチンコ・パチスロ業界の市場規模は23兆2,290億円でした。
これは日本における余暇市場のおよそ3分の1近くを占めるもので、趣味や余暇活動が多様化していく現代でも老若男女に愛される巨大産業と言えます。
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パチンコ・スロット業界の動向!!若者離れやカジノ法案の影響は!?将来性は!?
パチンコホールの売り上げは長期にわたる低落傾向にあり、テーマパーク・遊園地やゴルフ場など市場規模の拡大が進む中で相対的な地位・存在感は低下しています。
また店舗数は年々減少傾向にあるものの、売り上げを確保するために1店舗あたりの設置台数の増加が進んでおり、店舗の大型化が著しいのが現状です。
またかつては「娯楽の王様」と称されたパチンコでしたが、近年では娯楽の多様化や無料でも楽しめるコンテンツが普及していることによって、若者を中心としてパチンコで暇を潰そうという人は圧倒的に減少してきています。
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こうした現状に対して一種の起爆剤となりうるのが「カジノ法案」の動向です。
このカジノ法案は、正式名称「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」で、主な目的としては新たな観光客を集客するスポットとなること、外国人観光客を誘致する武器とすることなどが挙げられています。
こうした中で、日本におけるカジノ経営が合法化が認められた場合、パチンコ・パチスロ業界にはどんな影響があるのでしょうか?
まず前提として考えたいのは、カジノとパチンコのターゲットとしている客層が少しずれているということです。
カジノは一般的に富裕層向けのアミューズメントで日常的に楽しむものというよりかは、旅行や観光などの特別な体験として利用されることが多いです。
一方でパチンコやスロットはかなり少ない金額から楽しむことができ、日常的に触れることができるので、庶民的な傾向が強いものと考えられます。
こうしたターゲット層の違いに加えて、カジノが日本全体にもたらす影響はそう大きくないという点も指摘できます。
パチンコは全国展開しているのに対して、カジノは日本のある限定的な地域にのみ開設される見込みが強いです。
そのためカジノの存在が直接的にパチンコ・パチスロ業界に与える影響は小さいのではないかと考えられます。
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しかし、間接的な影響の余波はすでに現れています。
例えば、パチンコホール系の各社はすでにリゾート経営乗り出しています。
もちろん他業界の企業もリゾート経営に参入を進めていますが、パチンコなどと類似するゲーム性などを考えるとリゾート経営に関してはかなり有利に進められるのではないかと予想されます。
よって国内での遊戯者人口の減少は避けようのない事態であり、各社は経営の多角化によって状況を打開しようとしています。
例えば、パチンコ製造メーカーでは海外にターゲットを定めたパチンコ・スロット機器の開発・輸出を行なったり、海外でのリゾート事業にも積極的に乗り出しています。
では実施に業界各社がどのような打開策を実施しているのか、実際に具体的な企業の例を見てみましょう!
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パチンコ・スロット業界の勢力図!各社の特徴や売上・営業利益は!?
※データは平成28年3月期のものを使用しています
パチンコ・パチスロ機メーカーの企業紹介!!売上高・営業利益・平均年収は!?
セガサミーホールディングス
・売上高 3,479億円
・営業利益 176億円
・平均年収 849万円(平均年齢40.4歳)
アミューズメント機器メーカーのセガとパチンコスロットのサミーが2004年に統合し成立しました。
大ヒット商品である「北斗の拳シリーズ」が稼ぎ頭となっています。
こうした大人気シリーズの台数は前期に比べて順調に増加し、7万台近い増設となりました。
企業全体の売り上げは減少傾向にはあるものの、パチンコ・パチスロ事業では売上高が前年比5.1%増、営業利益は25.7%増となりました。
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平和
・売上高 2,149億円
・営業利益 389億円
・平均年収 724万円(平均年齢39.9歳)
北関東の発祥で、「ルパン三世hシリーズ」がヒット商品となっています。
しかし、パチンコ事業は販売台数の大幅な減少と昨年度に新筐体を販売していたことも相まって、売上高は前年比20.4%減となりました。
またゴルフ場事業にも進出しているのも特徴的です。
SANKYO
・売上高 1,371億円
・営業利益 188億円
・平均年収 706万円(平均年齢41.0歳)
平和と同様に北関東が発祥で、パチンコでは「エヴァンゲリヲンシリーズ」が、パチスロでは「機動戦士ガンダムシリーズ」が人気機種となっています。
しかし、こうした人気機種の販売台数は伸び悩み、売上高は前年比で40.6%減となり苦しい戦いが強いられています。
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ユニバーサルエンターテインメント
・売上高 917億円
・営業利益 168億円
・平均年収 730万円(平均年齢38.5歳)
腫瘍となるパチスロ事業に加えて、カジノリゾート事業にも精力的です。
特に東南アジア・フィリピンでのカジノリゾート施設の建設・運営に力を注いでいます。
フィールズ
・売上高 944億円
・営業利益 14億円
・平均年収 645万円(平均年齢35.7歳)
名古屋発祥の企業で、元は販売が中心でしたが製造にも進出しています。
円谷プロダクションの買収を通してコンテンツの充実化を進めています。
またコミックやアニメーション、映画などの人気の各種知的財産権を取得することで、パチンコ・パチスロ事業への反映を目指すビジネスモデルを掲げています。
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パチンコホール系企業の企業紹介!!マルハン1強に対する他社の対応は!?
マルハン
・売上高 1兆8,988億円
・営業利益 397億円
パチンコホールを扱う各社の中では、ダントツの売り上げと利益を誇ります。
パチンコ事業では大規模な経費削減に取り組み、人件費・機械入替費・広告宣伝費の三大経費の大幅な削減に成功し、618億円の削減に成功しました。
また、金融事業にも進出し、カンボジア・ラオス・ミャンマーなどの東南アジア諸国での商業銀行事業を展開しています。
ダイナムジャパンホールディングス
・売上高 8,448億円
・営業利益 181億円
出店ターゲットを人口3~5万円の小商圏地域に定めて、他社との差別化を図ると共に店舗数の増加を進めています。
また日本での法規制の厳格化が進んでいく中で、ダイナムが2012年にはパチンコホール企業として初めて香港市場への上場を果たしたことにも注目です。
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パチンコ・スロット業界ランキング!!売上高・営業利益など
パチンコ・パチスロ機メーカー売上高ランキング!
まずは、売上高ランキングを見てみましょう!
1位 セガサミーホールディングス 3,479億円
2位 平和 2,149億円
3位 SANKYO 1,371億円
4位 三洋物産 1,263億円
セガサミーホールディングスが業界内1位となっています。
しかし2位以下はかなり混戦模様なので熾烈な競争があると思われます。
パチンコ・パチスロ機メーカー営業利益ランキング!
続いて、営業利益ランキングを見てみます!
1位 平和 389億円
2位 SANKYO 188億円
3位 セガサミーホールディングス 179億円
4位 ユニバーサルエンターテインメント 168億円
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パチンコ・パチスロ機メーカー平均年収ランキング!
1位 セガサミーホールディングス 849万円(平均年齢40.4歳)
2位 ユニバーサルエンターテインメント 730万円(平均年齢38.5歳)
3位 平和 724万円(平均年齢39.9歳)
4位 SANKYO 706万円(平均年齢41.0歳)
パチンコ業界の平均年収は比較的高額ということはよく知られています。
しかし、高いと一口に言っても各社給与額にはばらつきがあり、業界トップ5を見ただけでも1位と5位とで150万円近い開きがあるので、注意が必要です。
パチンコホール系企業の売上高ランキング!!
1位 マルハン 1兆8,988億円
2位 ダイナムジャパンホールディングス 8,448億円
3位 オザム 3,744億円
マルハンが圧倒的な売上高を誇っています。
パチンコホール系企業の店舗数ランキング!!
1位 ダイナム 404店舗
2位 マルハン 320店舗
3位 ガイア 149店舗
となっています。
先ほどの売上高ランキングを踏まえるとマルハンが大規模な店舗経営を行い、それに比べるとダイナムは一店舗あたりの大きさはあまり大きくはないけれど、小規模店舗を数多く出店していることがわかります。
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就活生必見!パチンコ業界への採用プロセス!インターンって何をする!?
パチンコ業界は一般に給与水準が高いことで知られています。
しかし、勤務時間が長かったり、不規則なライフスタイルになってしまいがちと色々と問題点もあるようです。
そうしたパチンコ業界で働くということはどういうことか、就職するにはどういったプロセスが必要か紹介していきたいと思います!
まずはパチンコ・パチスロ機メーカー第の平和の場合を見てみましょう。
主に新卒採用者の募集区分は、総合職、営業職、専門職の3つに分けられます。
総合職は、経理・財務・総務・人事・経営企画といったあらゆる分野・部門での仕事になります。
株主への情報開示やお金の管理、人材育成、社内制度の企画等を通じて社員が安心して働ける環境を構築します。
営業職は、パチンコホール系企業に対して、パチンコ・パチスロ台の営業・販売(既存顧客・新規開拓)を行います。
自社製品を積極的に売り込んでいかなければならないので、高いコミュニケーション能力・プレゼンテーション能力が必要となります。
専門職は、企画やシステム管理、筺体設計など特定の部門に配置され、専門性の高い業務に従事します。
エントリー
↓
説明会
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適性試験・エントリーシート提出
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一次面接
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二次面接
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最終面接
↓
内々定
といった流れになります。
特に平和名物なのが説明会で、先輩社員との座談会を通して堅苦しくなくなんでも質問できる場、会社のイメージをより直接的に感じ取れる場を就活生に提供しています。
また、業務内容を就活生に広く深く知ってもらうためにインターンシップも実施されています。
先ほどのマルハンの例を再び挙げてみると、女性限定のインターンシップがあったり、4日間の研修を通して優秀な成績を収めたグループには東京ビッグサイトでの実演発表の機会を与えられる4daysインターンシップなどが特徴です。
特に後者に関しては、4000人規模のエントリーが殺到し、極めて満足度の高い大人気プログラムとなっています。
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まとめ
パチンコ業界の業界研究はいかがでしたか!?
就活生にとってはあまり馴染みが薄かったり、あまりいいイメージを持っていない人も多いのではないかと思います。
先ほどからも述べている通り、パチンコ業界は今変革期を迎えており、従来とは異なるビジネスモデルで勝負する必要が出てきています。
そうした状況だからこそ、若い人たちの創造性・アイデア力を企業側も必要としているはずです。
ギャンブルという面での健全さを保ちつつも、しっかりと遊戯者が楽しめるような工夫・企画作成をしていくことが逆風を克服する第一歩だと思います。
またリゾート事業への参入など海外志向も強い業界なので、刺激的・活動的に働きたいという人はぜひインターンシップや説明会に参加してみると、よりしっかりとしたイメージが持てるようになると思います!!
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