商社というと、「世界中と取引をやっていてかっこいい!」とか、「億単位のお金を動かすような大きな仕事でかっこいい!」といった漠然としたイメージしか持てていない人も多いと思います。
しかし実際には商社と一口に言っても、企業ごとに看板としている分野は異なり、主として取引しているしている地域も様々です。
そもそも商社と言っても総合商社と専門商社の2つに分けることができるのです。
総合商社は食料品など身近なものから、宇宙開発事業といった日常生活から大きくかけ離れたものなど取り扱い商品は非常に多岐に渡ります。いわば「広く、浅く」というのが総合商社の特徴です。
一方、専門商社は特定の分野の商材に絞って取引を行うので、総合商社に比べて顧客と近くより専門性の高い商品を取引することができます。こちらは「狭く、深く」と表現でき、総合商社では扱わないようなマニアックな商品を扱ったりできる点が特徴です。
総合商社に至っては日本に7社しかないんです。(ちなみに7社の内訳は、三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事、豊田通商、双日の7社です。また、豊通と双日を除き太字になっている5社が5大商社と呼ばれています。)
今回は、総合商社の中でも三菱商事に焦点を当てて企業研究を行なっていきます!
三菱商事ってどういう企業?事業内容は?
そもそも「三菱」ってどうゆう組織?
歴史の教科書で何度も目にしたことのある「財閥」という文字。三菱も戦前、戦後に渡って日本の経済的成長を支えてきた財閥の一つです。特に三菱は、三井、住友と並んで三大財閥と呼ばれました。
三菱の起源は1870年で、創業者の岩崎弥太郎が海運事業を興したことから始まりました。
実際に三菱商事が総合商社として創設されたのは1954年のことで、設立以来単なる商業目的にとどまらない、開発投資型のビジネスを特徴として、世界各地に活躍の場を広げてきました。
グループ全体の純利益は1兆6800億円、総資産にいたっては439兆3000億円と圧倒的な数字を誇っており、これら二つの指標では三井・住友の両グループを大きく上回っています。
三菱の活躍の分野は多岐にわたり、特に代表的な三菱商事、三菱重工業、三菱東京UFJ銀行の三社は「御三家」と呼ばれています。
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三菱商事の概要!従業員数や営業利益・売上高など!
三菱商事の有価証券報告書によると、2016年3月現在
従業員数(本社単体) 6,290人
営業利益 6兆9,255億円
売上高 1,439億円
三菱商事の持つグローバルネットワークは広大で、国内外90カ国において200以上の拠点を持っています。また1200社にものぼる連結対象会社と協働しながら、世界中でビジネスを展開しています。
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三菱商事の7つの事業!具体的な事業内容は?
三菱商事の活躍する分野は多岐にわたり、7つの事業グループに分けられています。
①地球環境・インフラ事業グループ
主に世界各地でのインフラ整備を行う事業で、発電・送変電設備の供給や水道設備や、交通インフラ、海洋上での石油・ガスの開発や輸送に関わるなど、事業対象も顧客も世界各国に広がっています。
また、リチウムイオン電池の開発など限りある資源をより多くの人が最適に使えるような技術の開発・普及を行なっています。
②新産業金融事業グループ
商業施設や住宅、工業団地の開発といった不動産事業や、世界各地とのネットワークを活かした物流事業、さらには商社ならではの知見やネットワークを活用した投資・ファンド運用業務を担います。
③エネルギー事業グループ
三菱商事にとって資源ビジネスは大きな基盤です。原油や石油製品の仕入れから、ガソリンスタンドなどに提供するまで一貫したサービスを行うのがこの事業です。また、原油だけでなく、LNG(液化天然ガス)の開発、供給にも寄与しています。特にLNGの開発事業に関してはこれから積極的に力を入れていく分野の一つとされています。
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④金属グループ
主に南米やオーストラリアでの鉱山開発や製錬事業に投資し、世界全体での安定的な金属製品の供給に携わっています。この分野は、発展途上国の経済成長による建設ラッシュ、とそれに伴う金属需要の高まりを見込み、さらなる事業の拡大が期待されています。
⑤機械グループ
農業機械から建設機械といった産業機械から、宇宙関連事業まで幅広い事業展開をしています。またいすゞ自動車と提携し、タイをはじめとする東南アジア地域でのトラックの販売も担っています。
⑥化学品グループ
肥料や合成樹脂といったあらゆる製品の材料となる化学品の生産から、医薬品や農薬といった私たちの生活に近いライフサイエンスの分野に関わるものまで扱います。新興国での中間層の拡大と、それに伴う健康や美味しさへの関心の高まりを考えると、今後の収益拡大に期待が持てる分野だと考えられています。
⑦生活産業グループ
食料品や衣類、生活消費財といった生活必需品を実際に消費者に届けるのがこの事業です。原料の調達からコンビニエンスストアなどの小売店や飲食店での提供まで一貫して担います。またここ最近では、ローソンや日本KFCホールディングスを傘下にしたことも記憶に新しいと思います。
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総合職と一般職の違いは?採用までの流れ、求められる能力は?
就職活動分かれ道!総合職と一般職の違いは?
総合職の主な仕事は取引先との直接的なやりとりがメインとなります。仕事量はかなり多く、転勤も国内外問わず命じられることもあるので、かなりハードな仕事である一方、かなり高額の給料が得られます。
ただ、関わる仕事の規模や動くお金が大変大きいため仕事のやりがいや達成感は、なかなか他の業界、業種では味わえないものになると思います。
一方、一般職は会社運営における事務作業といった補助的な業務が中心で、転勤等も原則的にないものとなっています。また、総合職に比べて女性の割合が一般職ではかなり高くなっているのも特徴であると言えます。また、総合職と比較すると給料は低いもの相手方のいない仕事が多いためプライベートが圧迫されることは少ないようです。
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就活難易度最高峰の三菱商事・採用までの流れは?
三菱商事の採用までの流れは、総合職・一般職共通して、
- プレエントリー
- テストセンター受験・エントリーシートの提出
- WEB適正アセスメントの受験・学業成績の提出
- 面接による選考
といった流れになります。
また、例年の採用人数は大卒・院卒を合わせて180人程度で、そのうち総合職が150人前後、一般職は30人程度となっているようです。
総合職合格者の主な出身大学は、東京大学や京都大学一橋大学などといった国立大学、早稲田大学や慶應義塾大学などの私立大学に加えて、イギリスなど海外の大学の出身者も一定数採用されていることから、かなりハイレベルの競争が予想されます。
また一般職に関しても競争倍率が高いのは同様であることに加えて、出身大学も慶應義塾大学や早稲田大学、上智大学など有名私立大学の出身者の割合が増えてきていることから、かなり狭き門であることが考えられます。
三菱商事のOB・OGが活躍する企業の長期インターンシップ
就活生に求められる能力・人物像・人材は??大学生のうちに何をすべき?
商社ということもあり、海外とのやり取りにも対応できる実践的な英語力が期待されています。
採用段階では、TOIECなどの得点によって選考が特段有利になったりすることはない、とされていますが一つの適性として評価されることはあるようです。
具体的な目安としては、入社後の研修期間中には少なくともTOIEC730点以上の英語力をつけられように指導をされるようなので、これを目標に学生のうちから英語を頑張っておくことは長い目で見ても大きくプラスになると思います。
総合職に就くと国内外や業種を問わずあらゆる人と関わって仕事を進めなければなりません。そのためコミュニケーション能力も大切になります。
加えて、関わるプロジェクトはかなり大規模になることから、チームとして働く協調性や倫理観、事業の先を見通す洞察力や実際に事業構想を練るアイデア力を備えた経営人材が求められています。
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三菱商事の年収・勤続年数は?高収入でも激務だと離職は多いのか?
三菱商事の年収は??やっぱり高いの?
三菱商事の平均年収は1,446万円(平均年齢42.6歳)で、年次によって変動はあるもののおおよそ1300~1500万円のあいだくらいになります。
国税庁の発表した、平成28年9月における日本の労働者の平均年収がおよそ420万円(平均45.6歳)であり、年収1000万円以上の人は4.3%しかいないことからいかに三菱商事の平均年収が飛び抜けているかがわかると思います。
またこの数字は、総合職と一般職を合わせて算出したものなので、総合職だけで平均年収を計算するとさらに高くなります。
「会社四季報業界地図2017年度版」によると、上場企業の平均年収ランキング(40歳推定額)では、三菱商事は第9位にランクインしていることから、三菱商事の平均給料がいかに高いかが分かると思います。
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三菱商事の勤続年数はどのくらい?大変そうだしやっぱり短い?
ここまで見てきて分かったと思いますが、三菱商事で働くことは本当に大変です。(笑)
給与額も高めに設定されており、携わることのできる仕事も他業界では経験できないくらいグローバルで大きな事業です。また受けられる報酬も極めて高水準なため、平均勤続年数は18.5年とそれほど短くはありません。
でも一方では海外転勤のタイミングが読めず結婚やマイホームの購入などの人生設計が難しい、といった不安点もやはりあるようです。
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まとめ
三菱商事の企業研究はいかがでしたか?
資源ビジネスからコンビニエンスストアまで、あらゆる形で三菱商事は私たちの生活に関わっています。
扱っている事業が幅広いため、具体的に何をやっているかイメージしにくいという人も多いと思います。
まずは、既存の事業について詳しく掘り下げて、どんな分野で活躍したいかイメージしてみると良いと思います!
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