集英社の企業研究!気になる業務内容、福利厚生は?

集英社は「週刊少年ジャンプ」、「週刊プレイボーイ」や「non-no」など多数の人気出版物を刊行しています。

みなさんも手にとってこれらの本を読んだことがあるでしょう。

特に「週刊少年ジャンプ」は子供から大人まで愛されている、業界内でもかなり高い売り上げをあげている、集英社の看板出版物です。

今回は、そんな人気雑誌を刊行する集英社について企業研究をします。

 

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出版社ってなにをするところ〜書店に本が届くまで〜

そもそも一般的な出版社では、どのような業務がされているのか。

あまり詳しくない方もいると思うので、説明をします。

出版社の業務は大きく2つに分かれます。それは制作・営業です。

厳密に言うと、宣伝業務もありますが、営業部門が宣伝も兼ねて業務に当たっていることが多いので、今回は2つに分けて説明をします。

制作〜書店に置く本を完成させる仕事〜

制作の業務は、簡単に言うと本を作ることです。

雑誌や書籍の企画を考えることからはじまり、その企画に見合った方に執筆を依頼し、原稿をあげてもらい、それを下版(ゲラ)という形で印刷し、校閲にかけます。

校閲とは誤字など、文章における間違いを正すことです。その後、みなさんが書店やコンビニで見るような「本」が完成します。

 

営業〜書店に置く本の量を決め、より多くが売れるように宣伝する仕事〜

本を読者に多く届けるため、書店に置く本の販売部数を「取次」と呼ばれる販売会社との営業で決めることが主な仕事です。

宣伝業務は本の売り上げを上げ、また本の増刊のために行われます。

 

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気になる集英社の歴史や、平均年収、福利厚生、事業内容を解明!

会社情報

集英社は1926年8月に設立され、社員数は男性421名、女性333名の計754名が働いています。(2016年6月)

集英社は第76期(H28.6.1~H29.5.31)決算で、売上高を1175億2100万円、純利益を53億5700万円と発表しました。

前年度に比べ収益は少々下がってしまっているのは事実ですが、昨今のスマートフォンの台頭や書籍離れの影響もあるのでやむを得ないと言えると思います。

しかし、そのように業界内全体に逆風が吹く中でも、集英社の刊行物が変わらない高い人気を博しているのは間違いないでしょう。

 

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集英社の歴史〜最大手出版社になるまでの道のり〜

集英社の歴史について触れます。

集英社はもともとは、同じく業界大手である小学館から娯楽誌出版部門として分離した部門だったのです。

戦後に紙芝居をヒントに作られた児童書である「少年王者」のヒットを経て、株式会社集英社として新組織立ち上げた後、株式会社集英社として初の雑誌「おもしろブック」を創刊し、少年雑誌のトップを飾ることになりました。

この頃日本のビジュアル雑誌の先駆けとなる「明星」も創刊されました。

この「明星」愛読者から、ラジオのミュージカルドラマの花嫁役を募集する。という、ラジオと雑誌の初めてのタイアップ企画をしたのも集英社です。

その後、総合出版社を目指し、連載漫画の単行本や文学書、外国文学へ進出しました。

この頃に「りぼん」や「週刊マーガレット」という長寿雑誌が創刊されました。

日本が経済的に安定した1960年代に、若者のサブカルチャーを背景に「週刊プレイボーイ」「non-no」が創刊。

また、「少年ジャンプ」を代表とする漫画誌の創刊でコミック文化を確立し、集英社は若者の支持を得ました。

1975年に即日完売の大反響を呼んだ「PLAY BOY日本版」を創刊しました。

女性の自立という時代の流れを背景に「MORE」をはじめとする多数の女性誌が誕生したのもこの頃でした。

また1985年の「科学万博つくば85」への出展参加が、集英社という企業を社会に遍く知らせることにつながりました。

バブル経済崩壊、また21世紀に向かっていく中で、集英社は人々の多様化するニーズに応えるべく、事業展開を広げます。

コミックス「ONE PIECE」などの大ヒットを得て、コンテンツビジネスの可能性を予見し、2000年にデジタルメディア部を新設しました。

数年後には漫画作品のTVアニメ化も活発になりました。

近年では集英社刊行「週刊少年ジャンプ」に連載されている「ONE PIECEをはじめとする、さまざまなコミックが大人気に、世界にジャンプコミックスが広がりました。

「ONE PIECE展」「ジョジョ展」などで来場者数、グッズ売り上げともにかなりの記録になりました。

また集英社作品は続々に映像化され、高い人気を得ています。

近年は、漫画、書籍、女性誌のデジタル書籍化事業もかなり力を入れて展開している最中です。

 

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集英社の年収はどのくらいもらえるの?

他の出版社同様、有価証券報告書に記載がないので正確な平均年収はわかりません。

しかし、集英社は出版業界で講談社、小学館と並ぶ大手企業です。その点からも高い平均年収であることが予想されます。

Web上で報告されている平均年収にばらつきはありますが、平均年収はおよそ700万〜だと考えられるでしょう。

もちろん特に編集部門はその多忙さからも他の部門よりも高い平均年収であることが予想されるように、部門ごとに平均年収の差があるでしょう。

集英社の福利厚生は充実している?

集英社は2010年に次世代育成支援への取り組みで2つの計画を立てました。育児休業後に社員が復帰しやすくするために定期的に休業中の社員に情報提供をすることと、出産・育児を予定する社員に対する研修の実施や、相談窓口の設置することという目標の達成が認められ、2015年に厚生労働省に「子育てサポート企業」と認定を受けています。

またその後も、乳幼児健康診断や予防接種時の特例出勤・退勤の申請方法を簡略する。マタニティハラスメントの防止、女性社員の産休からの復帰の際、社員制度を気兼ねなく利用するために管理職者に研修を実施する。といった計画を進めています。

以上からもわかるように集英社では、仕事と子育てが両立しやすいような福利厚生は充実していると言えるでしょう。

また、実際に産休、育休制度を取っている社員の方も多いようです。

育児休業取得率は年々上昇しており、2016年では女性社員で100パーセント、さらに男性社員でも取る方もいるようです。

育休取得した女性社員の復職率も2014~2016年の3年連続で100パーセントを達成しています。

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雑誌編集

雑誌編集は少年・男性コミック誌、少女・女性コミック誌、ファッション誌・芸能誌・ジャーナリズム誌に分かれます。

すべての雑誌に共通する基本的な業務は、企画、担当作家との交渉、原稿受け取り、入稿、校閲などです。

それぞれのジャンル毎に特徴的な業務もあります。

例えば少年・男性コミック誌、少女・女性コミック誌に共通する業務で、読者イベント、ライツ事業部とともに作品のアニメ化・映像化、キャラクターグッズの監修など、漫画作品に関するすべての業務が行われています。

また、ファッション誌ではモデルやカメラマンを手配したり、雑誌連動のコラボ企画など、ファッション誌ならではの業務があります。

集英社の大看板雑誌でもある「少年ジャンプ」は常に新しいことを目指して業務展開しています。

アメリカで「Shonen Jump」を創刊するなど世界にも進出しています。

また、デジタルサービスの「少年ジャンプ+」を「少年ジャンプ」と同時配信するなど、従来の価値観にとらわれずに挑戦を続けています。

そんな編集職で、必要とされているスキルは読者の目線にしっかりと立てることのようです。

読者の目線に立つことで、どのような雑誌が面白いと思われるのかわかることができるのです。

 

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書籍雑誌

書籍雑誌は文芸書・児童書、新書ノンフィクションに分かれます。

基本的にはどちらも雑誌編集部門と基本的な業務は変わりません。

書籍雑誌では「すばる文学賞」や「開高健ノンフィクション賞」の選考が行われています。

デジタル・通販

電子書籍、電子コミック、雑誌電子版の企画・制作・編集・配信・プロモーションなどの各種デジタルコンテンツビジネスに関する業務。

通販サイトの企画・商品の製作、選定、運営、管理、新規ネットビジネスの開発なども行っています。

紙媒体での出版物が売り上げを落とす傾向の中、デジタル系のこの業務は将来性がある事業なので今後もさらに展開すると思います。

ライツ事業

国内、国外に向けて、書籍やコミックをアニメ化、映画化、テレビドラマ化、ゲーム化などの映像化や舞台化をする際に、版権業務やライセンス業務を担当します。

少子高齢化が進む中、日本の漫画や書籍の読者層が減ることが予測されます。そこで海外に向けて、漫画をはじめとするジャパニーズカルチャーをますます発信する必要があります。

他にも営業、広告、宣伝イベント事業、管理職があります。

すべての業務があるからこそ、業界最大手として、みなさんに愛される出版物を刊行することができるのだと思いました。

 

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集英社の強み〜大人気ジャンプ関連事業について〜

集英社といえば、「少年ジャンプ」の人気が高いです。

ジャンプ関連の事業について解説します。

集英社が配信しているアプリに「Myジャンプ」があります。

「Myジャンプ」は編集部とデジタル事業部が共同開発したものです。現在は2つの機能が搭載されています。

1つ目の機能は、このアプリでは「キン肉マン」などの過去の名作から「ONE PIECE」といった現在も大ヒットなジャンプ作品を、ユーザーの好みに応じて選び、毎週新しいエピソードが配信され読める機能があります。

最近、新たに搭載された2つ目の機能は「週刊少年ジャンプ」「ジャンプSQ」「月刊少年ジャンプ」「ヤングジャンプ」「ウルトラジャンプ」といったそれぞれの雑誌からユーザーの好きなエピソードを1話ずつ選び、自分好みのオリジナルジャンプが作れるという機能です。

ラインナップも9雑誌465作品と充実しており、SNS、LINEや Twitterなどでシェアでき、友人のオリジナルジャンプも読むことができ、反響を呼んでいます。

また大日本印刷と共同し、Anime Expo2017で、ジャンプの人気作品「ONE PIECE」や「DEATH NOTE」などのVRコンテンツを展示し、全世界の人々を魅了しました。

今後は世界の市場にもますます進出するでしょう。

その他のVR事業として、秋葉原映画祭2017でジャンプミュージアム、ジャンプ研究室、ジャンプ美術館が開催されたことがあげられます。

さらに、集英社のジャンプ作品である「ONE PIECE」を活用した、ワンピース歌舞伎が上演されています。

今後もジャンプの人気作品のコンテンツを、歌舞伎など伝統的なものからその他のショーとコラボし続け、漫画作品とそのグッズのさらなる売り上げ増が予想されます。

さらに、ジャンプのキャラクターグッズを販売する「ジャンプショップ」から新たに「ジャンプステーション」が誕生しました。

「ジャンプステーション」は2017年に大阪駅構内にオープンし、第1弾、第2弾に続き第3弾の「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」(2017年10月時点)をテーマにグッズが販売されています。

このように集英社は自社の強みであるジャンプを軸に、デジタル化を発展させることで、現代の電子書籍化の波に乗り、グッズ展開、コンテンツを積極的にイベント化することで収益をあげています。

 

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まとめ

今回は出版業界大手の集英社について企業研究をしました。

人気企業なだけに、選考も厳しく、採用は狭き門です。

他の出版社にも言えることですが、なぜ「集英社」に行きたいのか、詳しく企業研究を重ねる必要があります。

集英社の雑誌、書籍等を読んで、どのような出版物が刊行されているのかも知っておきましょう。