エウレカ赤坂社長「起業〜pairsのヒットに至るまで」

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【プロフィール】

株式会社エウレカ 代表取締役 CEO 赤坂優

2006年、法政大学経営学部を卒業し、2006年にイマージュ・ネットに入社。

その後、2009年に独立し、株式会社エウレカを設立。同社が開発した「pairs」、「Couples」はともに会員数300万人を突破し、pairsは台湾へも展開中。2015年5月、M&AによってInterActiveCorp(IAC)グループ入り。

「最初は、よくいる勉強もろくにしていない学生でした。」

そう語るのは、株式会社エウレカの代表取締役CEO、赤坂優さん。

日本・台湾合計で300万人以上の会員数、800万人超のFacebookファンを獲得する恋愛・婚活マッチングサービス「pairs」、そして、カップル向けコミュニケーションアプリ「Couples」を立ち上げ、2015年には米IACグループ入りも実現させた赤坂さんだが、そのサクセスストーリーは、決して順風満帆とは言えないものだったという。

彼がどんな学生時代を過ごし、どうやって現在の成功を掴んでいったのか。その物語をざっくばらんに話してもらった。

 

大学生のうちにやるべきこと、やってよかったこと7選

 

自分は、服が一番好き。それが、まず間違いでした。

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質問:赤坂さんは、学生時代はどう過ごされたのでしょうか?

一言でいうと、よくいる大学生という感じでした。(笑)

授業にも目的を持てず、大学の授業にも真面目に参加していなかったですね。

授業よりは遊びっていう感じでした。洋服が大好きだったので、バイト代わりに洋服を仕入れて最初はフリマ、その後はヤフオクなどで販売していました。

どうやったらもっと洋服が売れるのかを、いろいろと試しながらやってましたね。

たとえば、代々木公園でのフリマに出店していた時は、1人でやるより、5人ぐらいでチームを組んで2人がスタッフ、3人をサクラにしたほうが集客しやすいとか、値付けもこの商品は魅せ商品としてあえて安くして、こっちの商品で儲けようとか。

ヤフオクなら、何曜日のどの時間帯にどれぐらい入札が入るかを分析して、ベストな出品方法を模索するとか…。大好きな服に囲まれて、しかも遊ぶための利益も充分あがっていたので、とにかく楽しかったですね。

 

大学生活がつまらない。サークル・バイト以外に何をやる?

 

質問:就職活動は、どのようにされましたか?

「やっぱり、服が一番好きだから、その道に進もう。」そう思って、アパレル業界を中心に考えていました。

そして、あるアパレルブランドから内定をもらって、就活を終えました。早く働きたかったので、役員にお願いして入社前からアルバイトとして働くようなったんですが、そこで、すごく違和感を感じたんですよね。

社員は皆、給料の半分以上を洋服に注ぎ込む服好きばかりで、服の話ではすごく盛り上がるのですが、それ以外の世の中のトレンドやビジネスの話になると、皆、無関心。

トレンドを発信する側の人たちが、ファッション以外のトレンドには全く興味を示さないんです。

その時にようやく気付いたんです。「自分が好きだったのは服というよりも、服を仕入れて売るという流通、つまりビジネスそのものだったんじゃないか」と。

それから、大学4年の1月にアパレル会社の内定を辞退。自分で決めたことなのに、友達は皆就職先が決まっている中、自分だけが将来見通しゼロになった挫折感は相当なものがありました(笑)。

「起業」ということを意識したのは、その後、サイバーエージェント藤田社長の「渋谷で働く社長の告白」の本を読んでからですね。

とても衝撃的な内容でした。IT業界にはビジネスの可能性がある。起業しよう!本を読み終わった瞬間そう決意しました。僕にとって運命の一冊です。

まあ、もとから他の人と同じ人生は嫌だと思っていたので、分かりやすくIT業界のきらびやかな世界に憧れたのもあります。最年少上場とか、芸能人との結婚とかね(笑)。

3年で起業することを視野に入れ、まずはIT企業に就職して力をつけようと考えました。でもその時すでに大学4年の1月。ほとんどの企業が新卒採用活動を終了していました。

そんな中出会ったのがイマージュ・ネットでした。今でいうZOZOTOWNのような、Webサイト内で巨大なアパレルセレクトショップを立ち上げるという構想があり、社員半分がエンジニアで“テクノロジーカンパニー”を謳っていました。

洋服ももちろん好きだったので、まさに運命だと思って「インターンシップからでいいので入れてください」と社長に直談判しにいきました。

もちろん新卒採用される保証はなく、社会人になれるか、フリーターになるのかを賭けたまさに崖っぷちのインターンシップでした。最初任されたのは、雑用、雑用とにかく雑用…(笑)。

ホント、死に物狂いでやりましたよ。その姿勢を見てくれて、大学4年の3月末になんとか内定を頂きました。

 

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目標のサイバーエージェント藤田社長とは程遠かった社会人スタート。

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質問:1社目の経験から創業に至る経緯を教えてください。

イマージュ・ネットには広告営業職として入社しました。

目標にしていた藤田社長は、新卒入社のインテリジェンスですぐに結果を出していた。僕も同じように華々しい新卒デビューをイメージしていましたが、全然そんな上手くはいきませんでした。

あまりに数字が取れなくて、請求書の処理とか広告の配信設定とか、誰もやりたがらないバックヤードの仕事も回されるようになりました。悔しかったですね。

この雑務の日々の先に、起業家としての未来が本当に待っているのか、不安に押しつぶされそうになった時、近くの公園のブランコでタバコをふかしながら自分を奮い立たせていた時のことを今でも覚えています。

それからデキる先輩から積極的に学び、死ぬ気でやったことで、半年後には営業トップの成績を出せるようなっていました。

ただ、この売れない半年間があったおかげで、雑務を含めた社内全般の業務経験ができ、事業運営に必要な業務知識は一通り学ぶことができました。

その後、2年半ほど仕事を続け、26歳の時に会社を辞め、当時上司であった西川と、エウレカを創業しました。

 

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質問:エウレカの創業からは、 計画通りに成長できたのでしょうか?

現在は、「pairs」「Couples」という大きな事業の柱がありますが、最初からそれらの構想があったわけではありません。

前職からECサイトのメディア事業を引き継げる話があったため、初年度から会社は軌道にのせることができました。

これは事業全体の業務に精通しているのが僕だけだったので、頂けた話でした。振り返ると、あの雑務も無駄じゃなかったわけです。

その他、ロゴデザインの制作を依頼できるフリーランスのマッチングサイト「MILLION DESIGNS」を立ち上げ。(2012年にランサーズに売却)

その後にスタートさせたのが、ブログの広告配信サービスです。商品をPRしたい企業からの依頼を受け、有名人に商品のPR記事を書いてもらうように依頼する代理店ビジネスですね。

何か儲かるビジネスはないかと常にアンテナを張っている中で、この事業に行き着きました。

競合他社の見積もり、仕入額を徹底して調べていくうちに、代理店がかなり利ざやを取っているにも関わらず、代替サービスがないため、クライアントは高額でも発注をしていることが分かりました。

もともと、前職でネット広告に対する知識もありましたし、競合より安い見積もりを出しても、充分に利益が見込めることが分かり、事業をスタート。

1年半で軌道にのり、年商4億5000万円ほどにまで事業は膨らみました。

「pairs」や「Couples」の開発に着手したのは、その後ですね。

受託開発も行いながら、既存売り上げは堅調に伸びている中、一緒に会社を立ち上げた副社長の西川から「私が既存事業は見るから、あなたは今からゼロを一桁増やす新規事業を考えて」と言ってもらい、あらゆるビジネスを調べる中で出会ったのが、海外でも爆発的に普及しつつあったOnline Dating Service(オンライン・デーティング・サービス)でした。

この流れはおそらく日本にも来る。

当時、国内で先行していた業界1位のサービス内容、会社規模、開発体制を調べ上げ、自社の強みと徹底的に比較。Facebookのノウハウ、社内の技術開発力、企画力…。後発スタートでしたが、これは「いける」と判断しました。

その後、社内のヒューマンリソースを集中させて、3ヶ月で恋愛・婚活マッチングサービス「pairs」をリリース。その後現在に至るまで、順調にユーザー数は伸び、業界1位のサービスに成長しました。

 

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エウレカの新卒採用ルートは、長期インターンシップだけ。

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質問:エウレカの社員採用についてお聞かせください。

エウレカの新卒採用は、100%インターンシップを通して行っています。

しっかりと長期インターンシップを通して、エウレカを知ってほしいし、私たちもその方とマッチするかを見極めたい。

だから、新卒採用ルートはインターンシップだけ。インターンでは社員と同様にフェアに扱いますから、学生ながら開発リーダーになる子もいますね。

エウレカが求める人材は、ユニバーサルに活躍できる人材であり、時代や産業や国に依存しない人材を育成していきたいと思っています。

インターンシップでは、結果にコミットできる人、起業に対する意識が高い人にお会いできたらと思いますね。

この会社には、皆さんがもっている好奇心と才能を最大限に引き出す環境が備わっている。「エウレカ」という社名は、古典ギリシャ語で「わかったぞ!」という意味をもっていますが、新しい発見があふれる日々を送れると思いますよ。

 

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質問:最後に、インターンを検討されている学生にエールをお願いします!

これをやりたい!というのが明確にあって、だからインターンシップをやるという選択もありますが、自分が何をやりたいか分からないから、インターンシップをやるという選択も、私はありだと思います。

その瞬間は、絶対にこの選択が正しいと思っていても、後から振り返ったらやっぱり違ったかもってことは誰でもありますし、その逆も然りです。

私の場合、絶対にアパレルだと思っていたのが、実はアパレルに限らず、自分は商売そのものが好きだと後から気づいたり、こんなのに意味があるのかと思っていた新卒入社後の雑務が、巡り巡って、後にエウレカ創業期の柱にもなった事業譲渡に繋がったり。

不思議と、ひとつひとつの経験は無関係に見えても、過去の経験ってどこかで繋がって、活かされる瞬間がくるんですよね。まさにスティーブジョブズの有名なスピーチにあるConnecting the dotsです。

だから、本気でやりきる覚悟があれば、仮にその選択が間違ったと感じる瞬間があったとしても、そこで得た経験は絶対に将来無駄にならないと思います。

一歩前に出てみてこそ、見える景色、その先につながる未来がきっとあると思います。

 

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