長期有給インターン生や新社会人として会社で働くと、毎月「給与明細」をもらうことになります。
でも実は、社会人の先輩も給与明細の読み方は詳しく知らない人も多いんです。
給与明細の読み方を知れば、企業選びで給与欄を見る際の役に立ちますし、自分がどれだけ稼いで差し引かれた給与が何に使われているのかを理解することができます。
ここでは、給与明細の読み方について解説いたします。
実際に給与明細をもらった際や、就活で求人情報を見る際の参考にしてみてください。
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給与は「額面」と「手取り」で考える
まず、給与は「額面」と「手取り」で考える必要があります。
「額面」とは会社があなたに支払う給料の総支給額で、「手取り」は税金や年金などを差し引いた後、実際に手元に残る金額のこと。
一般的に、手取りの給与は額面の8割と言われています。
なので、求人情報の給与欄に「月給20万円」と書かれていた場合は、「20万円×0.8=約16万円」が手取りの給与になるのです。
働いた経験がないと勘違いしがちですが、月給20万円を丸々もらえる訳ではないのでちゅういしてください。
給与明細は、「勤怠」「支給」「控除」の3項目で構成されるのが通常です。
「勤怠」とは、その月に働いた日数や時間などの勤務状況を表した項目。残業したり、有休を消化したり、欠勤したりした場合もこの欄に記載されます。
「支給」とは、勤怠状況に基づいて計算された給料の総支給額が記載される項目です。
「控除」とは、社会保険料や税金、年金など総支給額から自動的に差し引かれた金額(控除)が記載される項目です。
自分の給料を正しく把握するためには、これら3つの項目を正しく読み解かなければなりません。
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月給や年収は給与明細の「支給」を見る
「支給」欄は、企業があなたに支払った給与の総支給額が載っています。
以下の項目によって構成されることが一般的で、手当の数が多ければ多いほど福利厚生が充実した企業と言えるでしょう。
- 基本給:年次やその人の能力ごとに決められたベースの給与。
- 時間外労働手当:所定の勤務時間を超えて労働した場合に支給される手当。
- 深夜労働手当:午後10時から午前5時の深夜帯に労働した場合に支給される手当。
- 休日労働手当:企業所定の休日に労働した場合に支給される手当。
- 役職手当:主任や課長といった役職に応じて支給される手当。
- 家族手当:配偶者や子どもなどを扶養している場合に支給される手当。
- 住宅手当:住宅状況に応じて支給される手当。
- 資格手当:企業が指定する資格を取得した場合に支給される手当。
残業代やボーナス、退職金はすべて「基本給」を基準にして計算されます。
そのため「月給20万円」と表記された求人であっても、「基本給14万円+みなし残業代6万円」の企業と「基本給20万円」の企業では、長期的にもらえる給料は大きく差が開くことになるでしょう。
一定時間残業することを想定して支給される「みなし残業代(固定残業代)」は、月給を高く見せるためにも使われることがあります。
求人情報の給与欄や給与明細を見る時は、基本給がどれだけあるのかを注意して見てみることをおすすめします。
また、基本給が変動することは基本的にほぼありませんが、業績によっては手当が削られるということも考えられます。
手当がたくさんついており給料が高くなっている場合は、永久にその水準を保てる保証はないことを頭の片隅に置いておいた方がよいでしょう。
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手取りは「控除」を差し引いた金額を見る
私たちの生活にとって重要なのは、実際に使える「手取り」の給与ですよね。
はじめて給与明細を見た時は、控除の金額が多くてびっくりされる方も多いかと思います。
一体何が何のために給与から差し引かれているのか、正しく理解することで給与明細の見方も変わるでしょう。
健康保険料
病気やケガをした場合に、医療費の負担を3割にすることができる健康保険料。
手術や入院などで莫大な医療費がかかってしまった場合に、一定額が払い戻される高額医療費制度を利用することもできます。
健康保険料は会社が半分負担してくれており、「標準報酬月額(給与)」×「保険料率」で計算されます。フリーランスや自営業になったら、会社が半分負担してくれなくなるので、明細に記載された2倍の金額を自分で支払うことになります。
なお保険料率は、企業がどの健康保険組合に加入しているかによって異なります。
健康保険料を安く抑えられる組合や、中々高額になってしまう組合など様々なので、気になる場合はOB・OGやインターンの先輩社員に聞いてみてもいいかもしれません。
厚生年金保険料
定年退職した後や障害を負ってしまった場合、そして死亡してしまった場合に、本人や家族が受け取ることができる、いわゆる「年金」のこと。
会社員は国民年金と厚生年金の二つに加入しており、両方の金額が給与明細では控除されています。
少子高齢化が進む中、年金制度を維持するために、今後も厚生年金保険料が引き上げられていく可能性は高いです。
雇用保険料
失業してから再就職まで、失業給付金を受け取り生活を安定させるための保険料。
失業時だけでなく、資格学校などの費用を補助する教育訓練給付金なども受け取ることが可能です。
失業給付金などは雇用保険に入ってから1年経過しないと受け取ることができないので、早期離職者は対象外となるのに注意が必要です。
なお、雇用保険料は会社が0.85%、社員が0.5%負担することになっています。
所得税
給与から通勤手当と社会保険料を差し引いた金額を「所得」と言い、その額に応じて所得税が計算されて徴収されることになります。
年収300万円であっても、所得がイコール300万円という訳ではないのです。
所得税は毎月、おおよそで計算された金額を仮で支払うことになります。
年末の12月に所得を計算し、正しい所得税を算出することを「年末調整」と言います。
自主的に生命保険料を支払っている場合や扶養家族が増えた場合は課税額が変化するため、払いすぎた税金が払い戻しされることがあります。
数万円が払い戻される可能性もあるので、年末調整は面倒くさがらずに必ず実施するようにしましょう。
住民税
前年の所得に応じて課されるのが住民税。
新入社員は前年に所得がないため、社会人2年目から支払うことになる税金です。
そのため、入社1年目より2年目の方が、手取りが少なくなってしまうというケースも多々あります。
計画的に預貯金しておき、無理なく生活できるよう考慮しておきましょう。
以上で紹介した各種税金や保険料は、ボーナスに対しても課されます。
支給額が大きくなればなるほど、控除として差し引かれる金額は大きくなるので、ボーナスの手取りが意外と少なかった…と感じる新社会人は多いものです。
このように、税金や保険料の内容を見ていくと、日々の生活や政治経済の見方も変わってくるのではないでしょうか。
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まとめ
給与は「額面」と「手取り」の2つの観点から考えるようにしてください。
就活生やインターン生でよくあるのが、求人の給与欄に書かれた金額をすべてそのままもらえると勘違いしてしまうことです。
そうであれば嬉しいのですが、実際は税金や保険料で約2割の金額が差し引かれてしまいます。
これらは私たちの生活を成り立たせるのに必要なお金ではありますが、手取りの給与額に注意しておかないと目の前の生活が苦しくなってしまう可能性も。
給与明細の中身を正しく読めるように、今回ご紹介した内容をしっかりとおさえておいてくださいね。
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