履歴書の年齢欄には「満何歳」と表記しなければなりません。
しかし、普段「満何歳」という年齢の考え方をしないので、一体何歳と書けばいいのか迷ってしまいますよね。
履歴書は選考のための大事な書類ですし、記載にミスがあってはいけません。
ここでは、「満何歳」の意味や計算方法についてご紹介します。
「満何歳」の意味とは?
いつもは数え方なんて意識せずに、誕生日を軸に年齢を認識していることかと思いますが、実は年齢の数え方には色々な方法があります。
その中の一つが「満年齢」で、「現時点での年齢」を意味しています。
普段、「何歳ですか?」と聞かれた時に答える年齢と同じ意味ですね。
満年齢では生まれた時の年齢を「0歳」とします。そして、誕生日を迎えるごとに1歳ずつ年を重ねていくことになります。
一方、よく聞く「数え年」というのは、生まれた時の年齢を「1歳」として考え、1月1日のお正月を迎えるたびに1歳年を重ねる考え方です。
誕生日で年齢を重ねる発想ではなく、厄年や長寿のお祝いなどで用いられる計算方法になります。
履歴書では「満年齢」なので、誕生日を軸に普段と同じように年齢を考えたので問題はありません。
これは早生まれの人も同様です。
早生まれとは、1月1日~4月1日に生まれた人のことで、学校の学年は「4月2日生まれ~翌年の4月1日生まれ」を一区切りとして扱います。
そのため早生まれの人は、学校では同学年の人よりも年下という感覚を持つ人が多いです。
しかし、履歴書では学年は関係なくあくまで「満何歳であるか」を問われているので、履歴書提出時点での年齢を記載するので正解です。
「満何歳」の計算方法
満年齢は西暦を元に計算するのが最も分かりやすい方法です。
和暦だと元号が変わり計算が難しいですが、西暦は切換が発生しないため簡単に引き算することができます。
例えば1996年生まれの場合、2018年-1996年=満22歳となります。計算した日時点で誕生日を迎えていなければ、「-1歳」して満21歳です。
引き算で計算する方法が一般的ですが、エクセルの関数を使用することで年齢を自動計算する方法もあります。
エクセルで「=DATEDIF(“誕生日”,TODAY(),”Y”)」(誕生日は1996/6/1のように記載)と入力すれば、満年齢が自動で表示されます。データで履歴書を提出する場合は活用すると便利でしょう。
また、インターネット上には年齢早見表があります。
履歴書には年齢だけでなく、高校や大学の入学・卒業年も記載しなければなりません。これらの年代をすぐに思い出すのは難しいですよね。記入後にミスに気付いてすべて修正することになると大変手間がかかってしまいます。
「年齢早見表」などと検索すれば入学や卒業年度も一気に調べられるので、履歴書作成をスムーズにするためにもぜひ参照してみてください。
履歴書に「満何歳」と記載する時の注意点
履歴書で年齢を記載する場合、いくつか注意すべきポイントがあります。
まず、満年齢は履歴書を提出する時点での年齢を書く必要があります。
履歴書を書いている日は21歳でも、書類を提出する日が誕生日以降で22歳となっている場合は「満22歳」と記載します。
ついつい無意識の内に今の年齢を書いてしまいがちですが、履歴書においては必ず提出日を意識するようにしましょう。
次に、数え年と間違えないようにしてください。
「満何歳」と聞かれると、何か特別な年齢のような気がして、冠婚葬祭などで使用する数え年を書かなければならないのかと勘違いしてしまいそうになるでしょう。
しかし、満年齢は普段使っている年齢の数え方です。この機会に、満年齢と数え年の違いをしっかりと認識しておくようにしておきましょう。
年号は和暦と西暦どちらを使用しても問題ありません。ただし、履歴書内はどちらかに統一しておく必要があります。混在させていると読み手は混乱してしまい、採用担当者に「マナーを知らない人だ」という印象を与えかねません。
また、和暦で記載する場合は平成を「H」、昭和を「S」のように略すのはNGです。正式な書類では、必ず正式な名称で記載するようにしてください。
履歴書内に和暦もしくは西暦の記載があれば、それに従って記入します。稀ではありますが、企業側から指定があればそれに従いましょう。
万が一書き間違えてしまったら
履歴書の作成は緊張するものです。いつもにはない焦りから、うっかり記載ミスしてしまうこともあるでしょう。
では、万が一履歴書で満年齢や生年月日を書き間違えてしまった場合は、どのようにすればよいのでしょうか。
まず、書き間違えてしまったところを修正液や修正テープで書き直すのは、マナー違反となってしまいます。修正跡が目立ちますし、上から文字を書いても違和感が残ります。就職活動や公式書類では基本的なことなので、絶対に使用しないよう気を付けてください。
軽微なミスであれば、ゴム印ではなく朱肉を使うタイプの印鑑で訂正印を押しましょう。修正箇所は定規を用いて二重線を引き、上から訂正印を押し、そばに書き直します。通常の印鑑は大きいので記載内容が見づらくなってしまいますが、基本的に使用すること自体は問題ありません。
修正範囲が広かったり、訂正印だと履歴書が読みづらくなったりしてしまうような場合は、新しい履歴書に一から書き直すようにしましょう。そのため、修正用にあらかじめ予備の履歴書を購入しておくことをおすすめします。
履歴書はいきなりボールペンで記入するのではなく、シャーペンや鉛筆で薄く下書きしてから本番書きすると、大きなミスを防げます。下書きする時は後から消しゴムで消すことを考慮して、筆圧で紙がへこまないよう薄く書くようにしてください。
また、消すときはボールペンのインクが完全に乾いてからでないと、インクがにじんでもう一度書き直さなければならなくなってしまいます。
マメ知識!満年齢と数え年の由来
最後に少しマメ知識。
そもそも、なぜ日本には満年齢と数え年が存在するのでしょうか?
数え年とは仏教圏特有の考え方と言われており、命が芽生えた胎児の時代を「0歳」と考えるからだそうです。そのため、生まれた時が「1歳」となります。お正月に年を重ねることになる理由は、「歳神様が正月にやってきて、1つ年をいただく」という言い伝えが由来とのこと。仏教的なニュアンスが強いので、冠婚葬祭などで使用される年の数え方になっているのですね。
一方数え年が日本で使用されるようになったのは、昭和24年5月24日に、年齢のとなえ方に関する法律が制定されてからだそうです。その背景は食糧配給制度にあります。
例えば年末に生まれた子どもは、お正月を迎えると生後2日にも関わらず2歳になります。キャラメルは2歳から支給されていたのですが、生後2日ではとても食べられませんよね。そこで、食糧不足という課題を解決するためにも、より実年齢に近い満年齢が採用されたそうです。
まとめ
ここでは、履歴書で記載する「満何歳」という表記について解説してきました。
履歴書には数え年ではなく、普段年齢を聞かれた時に答えるのと同じ「満年齢」を記載することになります。
今の西暦から生まれた年の西暦を引いて、誕生日と整合性を取れば簡単に計算することができます。
また、年齢早見表を活用すれば、今までの入学・卒業年も一度に調べられるので便利でしょう。
年齢は履歴書を提出する時点でのものを記載する必要があるので、誕生日頃に履歴書を記入する時は十分に注意してください。
満年齢と数え年の違いをしっかり理解して、正しく履歴書に年齢を記入しましょう。