私たちの生活にはなくてはならない存在である「ガス」
ですが、日本にはどんなガス会社があるか、日本のガス業界はどのくらいの規模なのか知っている人はそれほど多くはないと思います。
また、最近では電力自由化やガス自由化などがニュースで取り上げられることも多くなってきました。
今回はそんなガス業界がどんな業界なのかを紹介するとともに、各社の特徴、業界の将来予想まで扱っていきたいと思います!
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この記事の目次
ガス業界の概要
ガス業界の業界規模
2015年から2016年にかけて算出した、ガス業界の業界規模は、4兆7,463億円でした。
近年では原子力発電所の稼働規模の縮小から、火力発電の燃料としてのガス供給の需要が高まりを見せました。
こうした背景があり、平成21年から26年までは一貫した売上高の増加が見られましたが、平成27年には一旦落ち着いたと言えます。
国内でのエネルギー消費全体として見ても、東日本大震災以降に大きな落ち込みが見られましたが、現在では回復傾向にあり震災以前の水準まで戻りつつあります。
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ガス業界の動向・ガス自由化の影響は!?
前年の2016年4月の電力自由化に付随して、2017年4月には都市ガスの全面自由化がスタートしました。
これによって、私たち一般の消費者が今まではエリアや居住地域によってあらかじめ指定されていたガス会社との関係性から自由になり、個人の好きなガス供給会社からガスを購入することができるようになりました。
この自由化に際して、電力会社や商社、石油産業など、他業界の様々な企業がガス業界に産業へと参入してくることが予想されます。
自由化によって、ガスの従来の独占的な枠組みが崩壊し、業種の垣根を超えた競争が生まれていくのではないかと考えられます。
そのため、ガス自由化がもたらす業界内の覇権争いにも注目したいところです。
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ガス業界の勢力図!各社の売上高や経常利益は!?
※データは各社が発表した2016年度の有価証券報告書より
東京ガス
・売上高 1兆8,846億円
・経常利益 1888億円
・平均年収 649万円(平均年齢44.3歳)
1872年にガス事業を開始しましたが、事業開始当初はまだ官営(政府によって管理・運営がされること)でした。
現在のように民営化されたのは1888年のことで、渋沢栄一が中心となって東京瓦斯会社が設立されました。
都市ガス*では国内最大手で、契約件数は1100万件にものぼります。
また規制緩和を背景に電力業界にも参入し、LNG火力発電所の増設を進め、2020年までに全体の収益の25%をLNG関連によるものに押し上げることを目標をしています。
全国の都市ガスの45%近くを供給しているのがこの東京ガスで、日本のGDPのおよそ4割が関東圏で創出されていることから、東京ガスが日本社会に与える影響力の大きさは計り知れません。
*都市ガスは一般に家庭用で使用されるガスの種類です。
これに対して日本では、プロパンガスという種類のガスが供給されており、こちらは都市ガスよりも高価ではありますが火力が強いため事業用に使用されています。
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大阪ガス
・売上高 1兆3,220億円
・経常利益 1349億円
・平均年収 650万円(平均年齢43.3歳)
1897年に設立で、東京ガスに次ぐ都市ガス第2位です。
技術力の高さに定評があり、家庭用燃料電池エネファームやダイオキシン除去フィルターなど環境に配慮した製品づくりにも取り組んでいます。
また中部電力と燃料調達面で協定を締結し、三重・滋賀ラインと呼ばれる全長60kmにも及ぶ大型天然ガスパイプラインを建設しました。
海外事業にも積極的な姿勢を見せ、中部電力と共同でアメリカテキサス州でのLNG(液化天然ガス)プロジェクトの液化事業に参加しています。
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西部ガス
・売上高 1,903億円
・経常利益 121億円
・平均年収 610万円(平均年齢44.1歳)
1930年創業で、福岡県福岡市に位置しています。
福岡・熊本・長崎の北九州地域にガスを供給しています。
また平成22年には九州電力と北九州地域でのLNG安定供給を目標として、大型LNG受入基地の建設・運営を行なう「ひびきエル・エヌ・ジー株式会社」を設立しました。
グループ事業は多岐にわたり、グループ会社の西部ガス興商会社では不動産事業や生保・損保事業が行われています。
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中部ガス
・売上高 439億円
・経常利益 18億円
・平均年収 634万円(平均年齢42.7歳)
1910年に前身の浜松瓦斯株式会社として設立し、1943年の中部瓦斯株式会社と改称されました。
2015年には静岡ガスと共同して全長109kmにもわたる大型パイプライン「静浜幹線」の建設が完了しました。
2016年7月にはサーラコーポレーションの完全子会社となりました。
静岡ガス
・売上高 1,460億円
・経常利益 120億円
・平均年収 682万円(平均年齢41.4歳)
静岡県の中東部地域を基盤とする都市ガス会社。
地域のガス会社を合併することで事業範囲を拡大すると共に、中部ガスとはパイプライン開通によって原料調達面で協力するなど、安定した基盤の確保に努めています。
またパイプライン開発以降は、電力自由化の波に乗って電力業界に参入し、家庭向けの電力販売を行なっていることも大きな特徴の一つとなっています。
東邦ガス
・売上高 4,798億円
・経常利益 611億円
・平均年収 602万円(平均年齢42.8歳)
愛知県名古屋市に本社を置き、愛知・岐阜・三重の三県にわたってガスの販売・供給を行なっています。
東邦ガスは、東京ガス・大阪ガス・西部ガスと並んで「四大都市ガス」と称されることも多い日本を代表する都市ガスの一つです。
2013年には中部電力と共同で、伊勢湾を横断する海底パイプラインの建設に成功し、さらなる安定供給体制を整えることとなりました。
日本瓦斯(ニチガス)
・売上高 1,146億円
・経常利益 113億円
・平均年収 612万円(平均年齢36.2歳)
最近よくCMで見かける機会が多くなったのがこのニチガスです。
1955年創業で、64年の東京オリンピックの際の聖火台へのガスを提供したことでも知られています。
都市ガスに加えてプロパンガスを供給しており、こうしたガス事業に加えて電力事業、住宅リフォーム事業などあらゆる分野に参入してることから、2016年には経済産業省と東京証券取引所が発表する「攻めのIT経営銘柄2016」に選定されました。
京葉瓦斯
・売上高 948億円
・経常利益 68億円
・平均年収 598万円(平均年齢42.6歳)
市川・浦安・船橋・松戸といった千葉県西部地域を地盤とする都市ガス会社です。
つくばエクスプレスの沿線での顧客拡大が著しく、特にコージェネレーションシステムを軸とした、企業向けに拡大を進めています。
K&Oエナジーグループ
・売上高 735億円
・経常利益 36億円
・平均年収 798万円(平均年齢44.1歳)
2014年1月に関東天然ガスと大多喜ガスが統合して設立されたまだまだ新しい企業です。
K&Oのガス事業の最大の特徴は、天然ガスの開発・生産といった上流部門から、都市ガス会社を通じたお客様への販売という下流部門まで、グループ内で一貫して行っているところです。
またヨウ素事業も大きな特徴であり、医療用、工業用など幅広い用途で活躍する日本で産出できる数少ない資源であるヨウ素の生産・販売を行なっています。
TOKAIホールディングス
・売上高 733億円
・平均年収 610万円(平均年齢39.7歳)
LPガスのザ・トーカイとCATV等のビック東海が2011年に統合して設立されました。
ガス事業を中心としたエネルギー事業や、そのノウハウを生かした住宅関連事業、さらにはビック東海の基盤を活用した情報通信事業やCATV事業など幅広いサービスを展開しています。
また2016年には東京電力と業務提携を結び、電気とガスのセット販売にも乗り出しています。
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ガス業界のランキング・売上高や平均年収は!?
売上高ランキング
1位 東京ガス 1兆8,846億円
2位 大阪ガス 1兆3,220億円
3位 東邦ガス 4,798億円
4位 西部ガス 1,903億円
5位 静岡ガス 1,460億円
やはり人口の集中する東京や大阪を供給先とする東京ガスと大阪ガスの売上高が圧倒的に高くなっています。
またこのランキングの上位4社は、しばしば「四大都市ガス」として取り上げられることが多いので、ぜひこのワードも押さえておいてください!
平均年収ランキング
1位 K&Oエナジーグループ 798万円(平均年齢44.1歳)
2位 静岡ガス 682万円(平均年齢41.4歳)
3位 大阪ガス 650万円(平均年齢43.3歳)
4位 東京ガス 649万円(平均年齢44.3歳)
5位 中部ガス 632万円(平均年齢42.7歳)
業界内での各社の平均年収にはそれほど開きはないものと推測されます。
K&Oエナジーグループだけが頭一つ抜けている印象ですが、まだまだ出来たばかりの会社なので今後どうなっていくかは注目すべきところの一つであると思います!
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就活情報!採用までの道のりは!?
ガス業界各社で新卒採用の際に募集する区分は異なり、総合職・一般職と区別する企業もあれば、ゼネラリスト職・プロフェッショナル職という分け方をする企業もあります。
ただ多くの企業の採用に対して共通して言えることは、職務内容には、営業・技術開発・施工管理・原料調達・システム管理・経理などあらゆる分野があり、それぞれの分野に対する専門性を極める社員も必要であるとともに、あらゆる分野に精通し広い視野を持つことのできる人材も必要であるということです。
では、採用まではどういったプロセスで進んでいくのか実際に中部ガスの例を挙げて見てみましょう!
エントリー
↓
(企業説明会)
↓
エントリーシートの提出
↓
筆記テスト
↓
選考・面接
↓
内定
特に重要となるのは面接で、「なぜインフラ・エネルギーの分野で働こうと思ったか?」や「どんな点で地域社会に貢献していきたいか」など仕事に対する誠実さ、ひたむきさを問うような質問が予想されます。
また、私たち国民の生活の基盤となるガスを扱うことから、安心・安全にサービスを提供するために、倫理観の備わった人材・責任感に溢れる人材が求められる傾向が強いようです。
就活・インターンシップに受かるエントリーシートの書き方例
まとめ
ガス業界の業界研究はいかがでしたか!?
私たちが普段生活していく上ではなかなか目にする機会のない業界である一方、就活生からは「安定している」などの理由から根強い人気を誇っている業界でもあります。
各社のホームページを見ると、もちろん事業内容や経営理念などを見ることはできます。
しかし、実際に社員の方々がどのように働いているか、実際に自分が将来働いていきたい環境か、などは文章からではなかなか判断できません。
ですから、ガス業界を志望しようか迷っている段階の就活生のみなさんこそ、ぜひ各社の実施している説明会やインターンシップに参加して見ると良いのではないかと思います!!
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