就職活動に突入すると、
『新卒採用で、体育会系学生は強い』『スポーツ系の部活出身者の特別内定枠がある』など、
都市伝説のようなうわさ話を耳にすることがあります。
- 本当に、体育会出身者は就活に強いのか?
- もし本当なら、あまり勉強が得意だとは思えない体育会系学生がなぜ評価されるのか?
気になる体育会系最強神話を確認するために、企業の元採用担当者に話を聞いてきました。
体育会系学生を評価している企業は多い
Q:体育会系出身者が就活で有利って本当ですか?
A:企業によって、面接の評価基準の違いはもちろんありますが、概ね本当です。
Q:そうなんですね・・・なぜ体育会系出身者は評価が高いんですか?
A:体育会系出身者が、スポーツを通じて培う『根性・行動量・チームワーク』は、ビジネスの場においても重要な要素だと考える採用担当者が多いからです。
スポーツは、いくら練習を頑張ったからといって、必ず大会で優勝できるわけではないです。多くのスポーツが対戦相手との相対評価で勝敗がつく競技のため、才能や運、自分以外のメンバーのコンディション、相手チームのコンディションなど、外部要因によって結果は常に揺れ動きます。
スポーツの世界に生きてきた学生は、それを重々承知の上で、日々練習メニューを組み、長期間それに全力で励んできたという実績があります。
この状況は、社会人を取り巻くビジネス環境と非常に酷似しています。
ビジネスにおいても、努力が必ず結果につながるとは限りません。
完ぺきなプレゼン資料を用意して、クライアントに提案を持って行ったとしても、例えば競合企業の営業担当者がクライアントと大学以来の旧友という関係性だけを理由に、プレゼンに負けるかもしれません。
そんなことがあっても腐らずに、翌日からまた全力で頑張れるかどうかが、長い目で見たときに社会人として大成できるかどうかを決める決定的な要因です。
体育会系出身者は、少なくともスポーツの世界においてはそれをやってきた分、ビジネスの場にも応用できるのではないか?と期待しています。
文系・理系学生が体育会系学生から学べること
Q:なるほど。そうすると、文系・理系学生は、体育会系学生に太刀打ちできないですか?
A:そんなことありません。
先ほど伝えた通り、企業の人事は、体育会系学生のスポーツ経験や、運動能力そのものを評価しているわけではありません。
あくまで、部活を通じて得た『根性・行動量・チームワーク』を評価しています。
こういった経験が得られるのは、何もスポーツに限った話ではありません。
アルバイトやサークル、その他の課外活動でも大丈夫です。
大切なことは、それらを話すときに『外部環境を言い訳にせずに、努力を積み重ねてきた』という事実が相手に伝わるように意識して話すことです。
Q:過去にそういった経験がない。入社後はそういった点を大事にして、頑張ると言うのはアピールになるか?
A:残念ながら、それは全くアピールにならないです。むしろ絶対に辞めたほうがいいです。
昔からあることわざに『言うは易く行うは難し』(いうはやすく、おこなうはかたし)というものがあります。言うのは誰でもできるけど、実際にやれるかどうかは全く別の話ということです。
むしろ、『根性・行動量・チームワーク』を実践してきた経験がないにも関わらず、入社後はそれらを大事にしたいと自ら切り出すと、「この学生は思っても、なかなか行動に至らないタイプ」と、むしろ自らマイナスアピールをすることになります。
基本的に、何かをアピールしたい場合は、そのアピールしたい内容を象徴する過去の具体的なエピソードをセットで話をする必要があります。
もし具体的なエピソードがない場合は、少なくとも自分から切り出すことはやめましょう。大打撃を食らうことになります。
自分は何のエピソードもないと、頭を抱えている方へ
Q:体育会系でもないし、これまでに大した経験もしていない。その場合どうすればいいですか?
A:まずは、本当にエピソードがないのか、自己分析することをおすすめします。
自分では大したことではないと思っていても、周りからすると、頑張ったなと思うケースは多々あります。もちろんその逆もあります。
誰に見られるわけでもないので、一度自分の中で頑張ってきたことを、ノートに書き出してみましょう。それでも思いつかないようであれば、両親や兄弟姉妹、その他親しい友人に、自分はどんなタイプかというのを聞いてみてもいいと思います。
大事なことは、客観的な視点で自分のことを見つめ直すということです。おそらく一つ二つはエピソードとして出てくるのではないでしょうか。
Q:エピソードとしては正直弱いことしかやってない。どうすればいいですか?
A:そういう状況であれば、今からエピソードとなる経験を積むしかないですね。
いくつか手段はありますが、一番手っ取り早くて、かつ効果的なエピソードとしては、企業の長期インターンに参加して、実際にビジネス経験を積むことです。
体育会系出身学生が評価される理由は、先ほど伝えた通り『スポーツを通じて得た経験が、ビジネスの場においても活かせるから』と人事がイメージできるからです。
企業の長期インターンに参加して、実際にビジネス経験を積むことができれば、体育会系出身者よりもより直接系な経験が積めるため、エピソードとしてもかなり強いですし、何より本当に社会人になって役立つスキルが身につくのでおすすめです。
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