「ベンチャー企業」と聞いて就活生のみなさんは何を想像するでしょうか?
「成長できる」「裁量が大きい」といった点を魅力に感じる方もいれば、「大手と比べて待遇面が弱い」などと感じている方もいると思います。
本記事では、実際にベンチャー企業へ新卒入社した筆者の経験からベンチャー企業へ就職の実態をご説明します。ベンチャー企業のメリット・デメリットから会社選びのポイントまで、就活に役立つ情報を提供させて頂きます。
ぜひ今後の就活の参考にして頂けると嬉しいです。
ベンチャー企業の就職を考えている人はインターンに挑戦するのもおすすめです。
この記事の目次
そもそもベンチャー企業って何?
ベンチャー企業に明確な定義はない
ベンチャー企業とは、明確な定義が決まっている言葉ではありません。
「設立間もない会社」「画期的なビジネスを手がけている会社」「従業員規模が少ない会社」「急成長中の企業」など、様々な企業のことを指して使われます。
就活では、いわゆる大手企業と比較して、ベンチャー企業という言葉が使われることが多いですよね。
規模が大きい会社から小さい会社まで様々
ベンチャー企業というと、一般的に人数が少ない会社をイメージされる方が多いと思いますが、必ずしもそうとは限りません。
例えば、有名ベンチャー企業として、就活生からよく名前の挙がるサイバー・エージェントやDeNAなどの会社はいずれも従業員規模が1,000人を超えています。
こうしたメガベンチャーと呼ばれる大規模なベンチャー企業がある一方で、設立間もない従業員数名の企業がベンチャー企業と呼ばれることもあります。
一般的には、大手企業では手を出しにくい新しいビジネスにチャレンジしている会社をベンチャー企業ということが多いようです。
また、似たような言葉に「中小企業」があります。ベンチャー企業が著しい事業成長を目指すのに対して、中小企業は安定的な事業運営を目的としている点は大まかな違いとして挙げられます。
しかし、中小企業とベンチャー企業は明確に区別できるものではなく、中小企業であり、かつベンチャー企業でもあるという会社もあります。
ベンチャー企業へ就職するメリット
ベンチャー企業へ就職するメリットは以下の4点です。
- 若手の内から裁量が大きい仕事に挑戦できる
- 経営者との距離が近い
- 自分の成長が会社の成長に直結する
- 成果を出せば大幅な年収アップや賞与もある
以下、詳細をご説明します。
メリット①:若手の内から裁量が大きい仕事に挑戦できる
ベンチャー企業の多くは年功序列ではありません。事業成長を第一に考えているベンチャー企業では、年齢ではなく能力がある人にどんどん仕事を任せる風土があります。
そのため、大手企業では数年かからないようなポジションに新卒1、2年目から取り組むことができるのはベンチャーならではのメリットです。
裁量が大きいとは責任が大きいということです。責任あるポジションについて、役割に見合う実力をつけるためにがむしゃらに頑張ることで成長に繋がるでしょう。
メリット②:経営者との距離が近い
大手企業と比べて、経営者との距離が近いのはベンチャーで働くメリットの一つです。
人数が少ないベンチャー企業では、社長との会話の機会が多かったり、ともすると同じフロアに常に社長がいるという環境も珍しくありません。
大手企業だとどうしても経営と現場に格差が生まれてしまいますが、ベンチャーであれば「事業をどうやったら伸ばせるか」「今後事業をどのように拡大しているか」といった経営者の視点を身近に感じられます。
特に、将来起業を考えている方や事業立ち上げに興味を持っている方は、経営者の視点に触れることは大切な経験だと言えるでしょう。また、経営者の視点を学びたい人はインターンで在学中から経営ノウハウ学ぶ方法もあります。
メリット③:自分の成長が会社の成長に直結する
自分がスキルアップが直接会社の成長に繋がることは、仕事をする上で大きなやり甲斐になるはずです。
大企業だと、どうしても自分の仕事と会社の成長がどのように関係しているのか感じづらくなってきてしまいます。「事業に直接貢献をしたい」という想いを持って大企業からベンチャーへ転職する人も少なくありません。
逆に自分が怠ければ会社の成長もストップしてしまうことも意味します。こうしたプレッシャーの中で努力を続けることで自身のスキルアップにも大きく繋がります。
メリット④:成果を出せば大幅な年収アップや賞与もある
ベンチャー企業では、大手企業以上の大幅な年収アップや賞与を獲得することも可能です。
その最たる例が、ストックオプションでしょう。ストックオプションとは、自社の株を従業員が買取ことができる仕組みのことです。
未上場の企業で働く従業員が、上場前にストックオプションを利用することで、上場成功した際に大きな金銭的リターンを得ることができます。
ただし、ベンチャー企業だからといって全ての会社が上場を目指しているわけではないことに注意しましょう。中には上場することで株主から事業方針に口出しされるのを嫌がる経営者もいます。
もしストックオプションがなくても、会社が利益を出せば、その利益を社員に還元する会社もあります。
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ベンチャー企業へ就職するデメリット
ベンチャー企業へ就職するデメリットは以下の3点です。
- 教育制度が整っていない
- 残業・長時間労働がある
- 大企業のような福利厚生がない【最近は変化も】
デメリット①:教育制度が整っていない
丁寧な研修や教育を求めているのであれば、ベンチャー企業は向いていないでしょう。
常に人手不足で困っているベンチャー企業では、大手のような研修体制が整っていないケースがほとんどです。現場の仕事が手一杯で中々教育に時間が避けないという現実問題もあります。
ベンチャー企業で働くのであれば、教えてもらうのを待つのではなく自ら学びに行く姿勢が大切です。
デメリット②:残業・長時間労働がある
残業をよしとせず、決まった労働時間内の業務を推奨しているベンチャー企業もありますが、大半のベンチャーでは残業や長時間労働はつきものです。
少ない人数で新しいチャレンジをしているので、必然的に一人あたりの仕事量は増えてきます。繁忙期には土日出勤をしなくてはいけないというケースもありえます。
しかし、企業によって働き方は様々なので実態を知りたい場合は、現場の人に話を聞いたり、インターンなどで実際に働いてみることをおすすめします。
デメリット③:大企業のような福利厚生がない【最近は変化も】
事業運営・事業成長を第一に考えているベンチャー企業では、大企業と比べると福利厚生へ予算をかけるケースは少ないです。
しかし、最近では、働き方の見直しを風潮が見られ、ベンチャーでもユニークな福利厚生を導入している企業も増えてきました。
例えば、以下のような取り組みが見られています。
- ビジネス向けソフトウェア開発を行なっているサイボウズ・・・最長6年間の長期介護休暇を取得が可能に。
- IT企業のカヤック・・・サイコロで出た目に応じて給与の一部を支払う
このような制度を導入する企業も増加傾向にあるので、就職の際は事前にどんな制度があるのかなどを聞いてみるといいと思います。
ベンチャー企業に向いている人の特徴
日々の変化を楽しめる人
ベンチャー企業の仕事は変化が激しいです。常に一つのことをやり続けているだけでは、新しいビジネスを立ち上げることは出来ません。
決まった仕事をやり続けるのではなく、新しい仕事に取り組み、時にはこれまで経験したことがない全く新しいポジションの業務を行う必要も出てきます。
特にIT系の企業では、日々新しいネットサービスや技術が生まれます。そうした情報をキャッチアップして、情報をアップデートしていくことが求められます。
知的好奇心が旺盛で、新しいものに興味がある人はこうした日々の変化も適応できるでしょう。
自分から意見やアイデアを発信できる人
指示を待つ受け身な人はベンチャー企業には向いていないでしょう。
限られた人数の中で自分たちのビジネスを成功させるためには、何よりも主体的が大事です。ベンチャー経営者や周りの従業員としても決して作業者が欲しいわけではなく、一緒に事業を創る仲間が欲しいと考えています。
そうした環境で自分の意見を発信することが出来ない人は、周りにとって悪影響を及ぼすだけではなく、自分にとっても居心地が悪い職場になってしまうので注意が必要です。
行動力があり、何事も諦めない人
「新しいビジネスへ挑戦する」というと聞こえはいいですが、そのほとんど失敗に終わっている事実にも目を向けた方がいいでしょう。
事業が成功するかどうかの決め手は、「行動を起こす」「諦めない」の2点です。
成功するかどうか分からない、リスクがあるからといって何も行動しなければビジネスを立ち上げることはできません。
また、ベンチャー企業には多くのトラブルがつきものです。今は名の知れた企業も、様々な危機や致命的なミスを乗り越えて現在に至っています。
問題が起きたからすぐに諦める、という姿勢では決してビジネスは成功しないことを肝に命じておきましょう。
自分がベンチャー企業に向いているか分からなければ、少数精鋭の会社でインターンをしてみよう。
新卒でベンチャーへ入社するリスク・危険性は?
ベンチャー企業の倒産確率を知っていますか?一説によると、設立後1年以内に半分の会社が潰れ、3年でおよそ7割の会社が倒産すると言われています。
ベンチャー企業へ入社する時の最大のリスクは、「倒産リスク」だと言えます。
経営は難しいという現実をしっかりと認識しておくべきです。かつては勢いがあった会社も、時代の流れにしたがって衰退していったケースも多々あります。
そうしたリスクを理解した上で、ベンチャー企業で挑戦する!という意気込みであればいいですが、何も知らずに入って数年で倒産した、、となってしまっては実生活やその後のキャリアにも大きく影響してしまいます。
ベンチャー企業の正しい選び方【3つのポイント】
企業規模・事業ステージを確認しよう
企業の規模・事業ステージをしっかりと把握しておくことは、倒産リスクを知る上でも大切です。
前述のように設立わずか数年でほとんどの企業が倒産・廃業に追い込まれています。まずは、その企業が設立年数、従業員規模を調べましょう。
また、事業がどのようなフェーズにあるのかも働く上で重要な情報です。
「事業を立ち上げたばかりでまだ認知度が低い状況」「サービスや商品は知られているが、まだ収益化していない」「一つの事業が安定して、別の新しい事業を展開しようとしている」のかによって、企業が求める人材や経営の安定度合いも変わってきます。
ビジネスモデル・市場動向を理解しよう
企業へ入る前に、お客様は誰か、どのような価値を提供しているか、どうやって収益をあげているのか、市場はどう変化していくか、この4点は必ず押さえておきましょう。
例えば、高齢者向けのサービスを提供している会社であれば、今後高齢化社会を迎える日本では市場は拡大傾向にあり、市場の波にのって大きく企業が成長していく可能性があります。
しかし、逆に子供向けサービスをこれから新たに立ち上げようと考えている会社であれば、少子化によって市場が減って行く中でどのようなビジネスプランを考えているのか聞いた方がいいでしょう。
現場の人から話を聞こう
ベンチャー企業では「社風」も企業選びの重大な要素です。人数が少ない分、同じ人たちと一緒にいる時間は必然的に長くなります。
社風を知るためには、面接担当や社長の話だけではなく、現場の人からも話を聞いてみましょう。
ベンチャー企業の場合、社長が語る会社の姿と現場の人間が感じている社風がズレているケースも少なくありません。
カリスマ性がある経営者の場合、社長に惚れて入社を決めるという人もいるようですが、実際入ってみたら全く社内に活気が無かったという失敗談もあるようです。
入社先の事業やビジネスだけではなく、どんな人と一緒に働くかは調べておくに越したことはないでしょう。
おわりに
最近、安泰と言われていた大手企業が市場の変化や不祥事によって経営不振に陥ったというニュースをよく耳にします。
就活では、自分が知っているから、人気企業だからといった理由で大手企業への就職を志す人も多いと思います。
もちろん、大手企業への就職がダメだと言うわけではありません。大事なのは、将来会社に依存しないだけのスキルを身に付けるという観点も必要ではないでしょうか。
ベンチャー企業への就職は、大変な面もありますがその環境を活かして大きく成長することも可能です。
この記事でベンチャー企業へ就職するメリットやデメリット、見極め方を理解した上で有意義な就職活動を送って頂けると幸いです。
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