皆さんは「ファネル」という言葉を聞いたことがありますか?主にマーケティングの分野で使われる言葉であり、働き手の考え方の指標となる言葉なのですが、その内容は世の中にあるどの仕事にも応用することが可能な代物です。
このファネルを意識した行動ができるかどうかで、あなたの仕事の能率や成果は大きく変動することになるでしょう。
そこで今回は、ファネルの意味を改めて解説し、その活かし方についてご紹介していきます。
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そもそもファネルって何?
ファネルはそのまま日本語に訳すると「漏斗」という言葉になります。小学校の頃に理科の実験で使ったことがある人も多いでしょう。逆三角形で、すり鉢状の形をした器具のことです。
この逆三角形の一番狭くなっているところを仕事の成果とし、そのために必要な要素は何なのか、順序だてて図式化していったものが、このファネルという考え方の基本になっています。
ファネルには大きく分けて3つの考え方があります。それが「パーチェスファネル」と「インフルエンスファネル」と「ダブルファネル」。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
パーチェスファネル
パーチェスとは「購入」を意味する言葉で、ユーザーがモノやサービスに注目してから購入に至るまでの意識の流れを図式化したものです。例えばCMを配信して100人の人に広告をリーチしたとしましょう。そこから興味を持って、実際にHPなどまで来る人は50人ぐらいでしょうか。そしてそこからさらに購入まで至るのは1人だけということも普通にあることです。
最初は広いところから、ゴールに近づくにつれて狭くなる。消費者の意識の流れは、概ねどんな場合でもこの傾向を辿ることが多いのです。マーケティングの世界でよく使われるファネルとは、このパーチェスファネルを指すことが多いでしょう。
インフルエンスファネル
パーチェスファネルが購入までの意識の流れを辿るのとは逆に、購入した後の意識の流れを図式化したのがインフルエンスファネルです。インターネットやTwitterなどのSNSが流行したことにより、ユーザー自身の口コミや体験談の方が、CMや宣伝よりも高い効果が出る、なんてことが普通に起こるようになりました。
購入してもらったらそれで終わりではなく、購入した後にどういうアクションを取ってもらえるのかまでを含めて、長い目線でユーザーの行動を追いながら考えていく際に使われる概念ですね。
ダブルファネル
これまで紹介したパーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせて、相乗効果で購入者を倍増させようという考え方がこのダブルファネルです。
購入者の口コミがSNSを通じ、これまでリーチできていなかった層にまで情報を届けることができたり、今まで注目はしてもらいながらも購入までのあと一歩が足りなかった層にダメ押しができたりすることをダブルファネル効果と言い、この状態になれば人が人を呼び、企業側がアクションを起こさなくても自然に購入者が増えていくと言われています。
とはいえ、概要だけだと分かりにくい部分もあるかと思いますので、具体例を見て行きましょう。
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営業のファネル
営業が目指すべき仕事の成果とは「受注」です。受注をして初めて営業は成果を出したと判断され、存在価値が認められるものなのです。
ですので、ファネルの一番細い部分に受注というゴールを設定しましょう。
さて、受注をゴールにしましたが、放っておけば受注ができるほど仕事の世界はあまくありません。受注を獲得するためには、見積書を提出して、クライアントに発注を検討してもらう必要があるでしょう。
見積書を1枚出せばそのまま即受注に繋がるというわけでもありませんから、1件の受注に対しおおよそ必要な見積書の枚数を考えます。これまでの傾向や他の人の様子を見て5枚に1件ぐらいと判断できるならば、ファネルの第二段階に見積書5枚という数字が入れられるわけです。
ただ見積もりに関しても、誰でもどこにでも出せるわけではありません。しっかりと提案の機会を頂き、商品説明を念入りに行えたクライアントにしか出せないはずです。
すると見積書5枚の上には、密度の高いアポイントが何件必要になるかを考えなければなりません。大体2件のアポイントを獲得すれば1枚は見積書を出せているのであれば、見積書を5枚出すためにはアポイントを10件獲得しなければならないということがわかります。
そして次は、そのアポイントを獲得するために必要な要素を考えます。例えばテレアポを10件掛けると1件はアポイントが獲得できるのであれば、10件のアポイントを獲得するのに必要な架電件数は100件ということになります。
つまり、1件の受注を実現するためには、100件のテレアポが必要だということがわかりました。
このように、ゴール地点が逆算することで、今やるべきことを明らかにする。それがファネルの基本的な使い方なのです。
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マーケティングのファネル
マーケティングも基本的には営業と同じ構図になります。例えばECサイトなどで商品を販売する時、1件の購入が発生することがゴールになるでしょう。
1件買ってもらうには3件カートに入れる作業まで進んでもらわなければならず、そのためにはその商品ページを30人に見てもらわなければならず、そのためには300人にトップページを訪問してもらわなければならない。
そんな風にファネルを当てはめ計算していくことで、今足りていない部分は何なのか、これからやるべき施策は何なのかを考える指標にすることができるのです。
事務や技術といった別職種でも同じことが言えるでしょう。すべての仕事にゴールがあり、そこに至るまでの道順というのがあるはずです。それを飛ばして実現することはできません。
ファネルという考え方は、あらゆる仕事を進めていく上で、絶対に忘れてはならない核となる考え方なのです。
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ファネル分析をすることで、あなたの弱点が見えてくる
例えば営業職のあなたが、自分自身のファネルを見た時に、トッププレイヤーは5件に1件はアポイントが獲得できているのに、自分は10件に1件しかアポイントを獲得できていないということがわかったとしましょう。するとあなたのテレアポでの話し方やアプローチ先に課題があるということがわかります。
またマーケティングで言えば、競合他社は1件カートに入れるが発生すればほぼ100%購入にまで繋がっているのに、自分のところは3件に1件しか発生してない。なんてことがわかれば、購入までの画面や操作方法に課題があることがわかります。
このファネル分析を行わず、何となくの感覚だけで改善策を打って行っても、思い通りの結果を出すことはできません。
アプローチ先が悪かっただけなのに、提案内容が悪いんだと勘違いしてしまっていては、場合によってはこれまで獲得できていた発注すらも失ってしまう可能性もあるでしょう。
操作性が悪くて人が離れて行ってしまうサイトに、いくら広告を出してたくさんの人を誘引しても、成果を増やすことはできないのです。場合によっては大きな損失を出してしまうことにも繋がるかもしれません。
ファネル分析は、自分の弱点をしっかりと見つけることで、それに対応した改善策を講じるための材料になるのです。仕事は常に同じことをしていれば良いというほど単純なものではありません。
常に改善を繰り返し、より良い方法を模索していかなければなりません。その際に、ファネル分析という考え方は必須になってくるのです。
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