酒類業界の業界研究!現状や市場規模・ランキング・年収

大学生の中にも好きな人も多いアルコール飲料。

テレビCMの放映も見ない日がないくらい頻繁で、お酒を飲まないという人でも、企業の名前だけは知っていたり、商品名はわかるという人もいるのではないかと思います。

一方で近年では、タバコや車と並んで若者のアルコール離れがしばしばニュースで取り上げられます。

実際に、少子高齢化の影響で「お酒を飲んでもいい人」の割合は増えてきているにも関わらず、実際に「お酒を飲む人」は減る一方となっており、各社生産量の縮小を行わざるを得ない状況が続いています。

こうした中でも、若者層を取り込むためにカクテル・チューハイなど飲みやすい商品を充実化させたり、原料や生産地にこだわるなど付加価値をつけたプレミアム路線商品を開発し、高年齢層のニーズにも応えようと努力しています。

 

今回はこうした少子高齢化の流れに苦戦しつつも、懸命に活路を見いだしつつあるアルコール飲料業界について紹介するとともに、各社の特徴や採用情報まで幅広く扱っていきたいと思います!

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酒類業界の概要

市場規模はどのくらい?日本のアルコール消費量は?

矢野経済研究所による「酒類市場に関する調査結果2015」によれば3兆6054億円となっています。

日本の1人あたりのアルコール消費量は、WHOが算出した世界190の国と地域を対象とした1人あたりのアルコール消費量についてのランキングでは、年間7.2リットルで、世界ランキングの順位は71位となっています。

これをみると、イスラム国家などの飲酒を宗教的な理由等で禁止されている国々があることを踏まえれと、日本の一人当たりの消費量はかなり少ない水準にあると言えるでしょう。

 

ですが日本の人口規模がおよそ1億人と大きいことを考えれば、アルコール飲料の国内市場は十分大きいものと言えると考えられます。

実際、国連が算出した「World Population Prospect」によれば2014年の国別ビール消費量では540万キロリットルで世界第7位となっており、世界的に見ても国内市場自体は十分大きいものなのではないかと思います。

酒類業界の現状や動向・日本人の酒消費量の推移は!?

先ほど日本の酒類を取り巻く国内市場は世界的にも大きいと述べましたが、近年では国内市場の縮小が進み各社とも対策を講じなければならなくなってきています。

その大きな要因の一つが、近年では若者の酒離れが進んでいることです。

国税庁の発行する「酒のしおり」によれば、酒類消費量は1996年にピークのおよそ950万キロリットルに達しましたが、そこからは減少傾向に一転し、2014年には100万キロリットルの減量となる850万キロリットル程度と落ち込んでいます。

またこうした間にも、成人人口は右肩あがりとなっていることから「飲める年齢の人口の割合が増えてるのになかなか飲んでくれない」という業界にとってはもどかしい状態が続いています。

こうした状況に対して、各社では販売促進に向けた広告宣伝費の縮小によるコストカットや、高付加価値な高級路線商品など採算性の高い商品へのシフトが相次いでいます。

 

また、国内市場の飽和を受けて、各社は海外市場へ目を向け始めています。

実際に日本の酒類輸出量・輸出額はともに平成21年から右肩上がりで平成27年には21年の数量・金額ともに2倍以上の規模まで拡大しています。

輸出先は主に日本食レストランの多い地域で、アメリカ(特にカリフォルニア)や韓国・台湾などのアジア各国が主要輸出先となっています。

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酒類業界の主な企業・売上高や平均年収・各社の特徴は?

アサヒグループホールディングス

・売上高 1兆8903億円

・経常利益 1374億円

・従業員数 23619人

・平均年収 996万円(平均年齢42.2歳)

・主な商品 「スーパードライ」「クリアアサヒ」など

ビールでは、国内シェアがおよそ5割を占めるなど圧倒的な地位を築いています。

酒類事業の売上収益は、ビール類の販売数量が増加したことや、ビール以外のアルコールテ イスト清涼飲料の売上がそれぞれ前年を上回ったことなどにより、前期比0.6%増の9,766億となりました。

キリンホールディングス

・売上高 2兆750億円

・経常利益 1406億円

・従業員数 39733人

・平均年収 963万円(平均年齢40.9歳)

・主な商品 「一番搾り」 「のどごし<生>」など

ビールでは業界第2位だが、*発泡酒売上は業界1位を誇ります。

オーストラリア・ブラジル・ミャンマーなどへの進出や、医薬・バイオケミカル事業など非飲料分野も盛んです。

*発泡酒:ビールが原料の3分の2以上が麦芽で副原料もかなり限定的であるのに対して、発泡酒は麦芽が原料の3分の2未満で副原料に対する自由度も高いことが相違点です。

サントリーホールディング

・売上高 2兆6514億円

・経常利益 1758億円

・従業員数 38013人

・平均年収 1065万円(平均年齢40.3歳)

・主な商品 「ザ・プレミアム・モルツ」 「金麦」など

元々はワインの製造販売が祖業でしたが、現在は蒸留酒や飲料水などが中心となっています。

ノンアルコールビールの代表格「オールフリー」が5年連続売上首位になるなど、ビールでは国内3位に定着しています。

海外企業とのM&Aにも積極的で、2009年にはフランスの飲料メーカーであるオランジーナ・シュウェップス、2014年にはアメリカの蒸留酒メーカーのビーム社を買収しました。

サッポロホールディングス

・売上高 5418億円

・経常利益 192億円

・従業員数 7858人

・平均年収 819万円(平均年齢46.5歳)

・主な商品 「ヱビス」 「麦とホップ」

ビール業界第4位で、高価格路線のパイオニア的存在である「ヱビス」が看板商品です。

不動産業も盛んで「恵比寿ガーデンプレイス」などの複合商業施設の運営を行っており、営業利益は100億円にも達し、第二の収益源となっています。

オリオンビール

・売上高 280億円

・経常利益 36億円

・従業員数 314人

・平均年収 579万円(平均年齢40.3歳)

・主な商品 「オリオンドラフト」など

沖縄で圧倒的なシェアを誇るビールメーカーです。

近年ではアサヒビールと共同で、「シークァーサーのビアカクテル」を販売するなど、ビール以外の商品開発にも取り組んでいます。

宝ホールディングス

・売上高 2341億円

・経常利益 143億円

・従業員数 4407人

・平均年収 643万円(平均年齢46.3歳)

・主な商品 「澪」 「焼酎ハイボール」など

焼酎やみりんなどで業界トップシェアを誇ります。

海外卸事業では、欧州を中心として、日本食レストランなどの外食市場や、スーパーマーケットや食料品店などの小売市場などへの展開を引き続き強化し、売上高は、前期比140.0%の289億円と高い伸び率を記録しています。

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酒類業界ランキング!売上高や経常利益・平均年収トップ5を紹介!

売上高ランキング

1位 サントリーホールディングス 2兆6514億円

2位 キリンホールディングス 2兆750億円

3位 アサヒグループホールディングス 1兆8903億円

4位 サッポロホールディングス 5418億円

5位 宝ホールディングス 2341億円

経常利益ランキング

1位 サントリーホールディングス 1758億円

2位 キリンホールディングス 1406億円

3位 アサヒグループホールディングス 1374億円

4位 サッポロホールディングス 192億円

5位 宝ホールディングス 143億円

平均年収ランキング・他の業界と比較すると高い!?

1位 サントリーホールディングス 1065万円(平均年齢40.3歳)

2位 アサヒグループホールディングス 996万円(平均年齢42.2歳)

3位 キリンホールディングス 963万円(平均年齢40.9歳)

4位 サッポロホールディングス 819万円(平均年齢46.5歳)

5位 オエノン 699万円(平均年齢47.5歳)

1位〜3位が900万円越えを達成するなど酒類大手では高い給与水準が設定されていることがわかります。

 

では、同じ食料品を扱うメーカーと比べるとどうなるでしょうか。

同じく有価証券報告書をもとにした平均年収を算出すると食品・飲料メーカーの企業全体の中でもサントリーホールディングス、アサヒグループホールディングス、キリンホールディングスの3社はトップ3に君臨しています。

そのため、酒類業界は食品・飲料を扱う業界全体でも高い給与水準にあると言えるでしょう。

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就活生必見!酒類業界の採用情報!選考プロセスは?どんな職種がある?

 

売上高業界第1位のサントリーホールディングスの例を見ていきます!

新卒採用で募集される職種は、ビジネス部門・財務経理部門・生産研究部門の3つです。

ビジネス部門は主に家庭向け・業者向けの営業や広告やブランンディングなどの商品マーケティングを行います。

財務経理部門は会社の財務整理など健全な企業経営が行われるために活躍します。

生産研究部門は新しい商品開発や技術研究などを行います。

 

採用プロセスは3部門とも同じで、

エントリーシートの提出(3~4月)

書類選考(5月頃)

社員との座談会など

面接(6月頃)

となっています。

また3月から5月にかけては各種セミナーや説明会が随時開催されているので、そちらもぜひチェックしてみると良いのではないかと思います。

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まとめ

酒類・アルコール飲料業界の業界研究はいかがでしたか!?

大学生になってからぐっと馴染み深くなってきた業界のはずが、まだまだ知らないことも多かったのではないでしょうか?

業界全体としても平均年収は高い水準にあることであったり、テレビCMで見かける機会も多く、企業の認知度も高い業界で就活生からの人気も高い業界です。

まずは各社の特徴やストロングポイントをしっかりと把握し、「なぜこの業界を志望するのか!?」「どうしてこの企業を志望するのか」という明確な動機付けができるようになれば、採用に近づいていくのではないかと思います。

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