海運業界というと、就活生のみなさんはどんな印象を持っているでしょうか。
「あまり馴染みがない・・・・」という就活生も多いと思います。
しかし海運業界は、商社などと並んで国際的でスケールの大きい仕事が出来ると人気の業界です。
実際、商社と併願して志望する人も多いです。
今回はそんな海運業界について見てみましょう。
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この記事の目次
そもそも海運業界の特徴と現状とは
「国際的な仕事に憧れるけれど、実際どんな仕事をしているのか分からない・・・・」
海運業界とは輸出入大国の日本にとって必要不可欠な業界です。
メーカーがモノを作り、商社が貿易のパイプを作る存在だとすると、海運業界は、そのモノを海上で運ぶ仕事を担っています。
国内の海上輸送を行う「内航海運」と海外の海上輸送を行う「外航海運」の二つが海運業界の主な仕事です。
海運業界は海でモノを運ぶために様々な船を持っていて、運ぶモノに合わせて船を使い分けます。
- 日用品や工業製品を運ぶコンテナ船
- 穀物や鉱石、セメントなどを運ぶバラ積み船
- 液体を運ぶタンカー
が主です。
しかし現在ではその運ぶモノに特化する傾向にあり、
- 自動車を運ぶ自動車船
- 液化天然ガスやシェールガスを運ぶLNG船
といった業務に重きを置いているところが増えています。
また企業によっては客船やフェリーなどで業績を伸ばすこともあります。
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海運業界の動向
海運業界には景気に左右されやすいという特徴があります。
2016年の業界規模は5兆7118億円で、伸び率5パーセントでしたが、基本的に不安定な業界だと言われています。
モノを運ぶことで業績を上げる海運業界。景気が悪くなり、運ぶモノが減ってしまうと売上が下がってしまうという一面を持ちます。
実際に海運業界は一時期アメリカの金融危機の影響で一気に業績を悪化させています。
また、石油やガスなどの資源を運ぶことが売上の大部分を占める海運業界にとって石油価格や資源価格の高騰に業績を左右されるという点もその不安定性に繋がっています。
今は景気とともに業績を取り戻しましたが、その不安定さに不安を持たれることは多いようです。
最近の傾向としては、コンテナ事業の業績が落ち込んだことを受けて日本郵船、商船三井、川崎汽船がコンテナ事業を統合しました。
一方で最近業績が伸びているのがLNG事業。地球環境にやさしい液化天然ガスの利用量が世界中で増えていることを受けています。
また、米国で増産されている安価なシェールガス輸送としてもLNG事業は活躍しているようです。
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海運業界の売上ランキング
日本の海運業界は、大手3社の売上が全体の80%にもなります。
そんな海運業界の気になる売上ランキングを紹介します。
5位 飯野海運 948億円 全体シェア1.7%
4位 NSユナイテッド海運 1,371億円 全体シェア2.4%
3位 川崎汽船 1兆2,439億円 全体シェア21.8%
2位 商船三井 1兆7,122億円 全体シェア30%
1位 日本郵船 2兆2,723億円 全体シェア39.8%
ここまで大手3社の全体シェアが大きい業界も珍しいのではないでしょうか。
1位の日本郵船は堅実と誠実な社風と経営で知られています。
また、海運だけではなく陸上輸送や空輸、不動産事業にも積極的で業績を伸ばしています。
2位の商船三井は日本郵船に比べて、柔らかい社風で個性を大事にするという評判があります。
また、日本郵船に比べ、海運ひとすじというのも特徴でしょう。日本郵船や川崎汽船に比べてLNG船の保有数が多いことも特徴です。
1位の日本郵船と2位の商船三井は海外海運ランキングでも上位に食い込む存在です。
3位の川崎汽船は日本郵船や商船三井と違い、財閥系ではないという点でチャレンジ精神が旺盛な社風を持つと言われています。
4位のNSユナイテッド海運は長期契約を多く持つ堅実な経営が評判の企業です。一方であまり新規開拓などは行わないようです。
5位の飯野海運は不動産事業も手掛ける企業。他海運企業よりさらに少数精鋭で、一人一人の任される仕事が多いようです。
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海運業界の気になる年収
商社と同じように国際的でスケールの大きい仕事が特徴の海運業界。
年収も商社マンのように高いのかと期待する大学生は多いはず。
ここでは有価証券報告書をもとに作った大手海運企業の年収ランキングを発表します。
5位 川崎汽船 857万円(平均勤続年数13.5年 平均年齢 37.9歳)
4位 NSユナイテッド海運 904万円 (平均勤続年数15.9年 平均年齢40.1歳)
3位 飯野海運 951万円 (平均勤続年数12.2年 平均年齢37.4歳)
2位 商船三井 969万円(平均勤続年数14.2年 平均年齢37.1歳)
1位 日本郵船 1035万円(平均勤続年数13.6年 平均年齢38.9歳)
売上ランキングでも1位だった日本郵船が1000万円超えしました。
商社に比べるとそれでも給料が低いのでは?と思う就活生もいるかもしれませんが、見てほしいのは平均年齢です。
商社に比べ海運業界は平均年齢が低く、勤続年数も短いことが分かりますね。
また海運業界は少人数で一人一人の仕事量が大きいことが年収の大きさに繋がっているかもしれません。
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海運業界の仕事内容
では海運業界ではどのような仕事をするのでしょうか。
海運業界では業務が陸上職と海上職に分かれています。
- 陸上職
陸上職は事務系と技術系にさらに分かれています。
事務系では、運行管理、海路管理を行います。日付や海外とのやりとりで運行を決める仕事です。
また、商社やメーカーとやりとりすることで運ぶモノを見つける営業職もこの事務系に入ります。
技術職では主に造船計画や新技術の導入を行います。
船の手入れや、どのように効率の良いモノ運びが出来るのかを考え、技術として形にするのが仕事です。
- 海上職
海上職は言葉の通り、海の上で仕事をします。航海士や機関士といった仕事です。
海上職は実際に船に乗り、事務系の管理の元で船を進めます。
海上職では航海士や機関士の資格が求められるので、専門の高校や大学を出た人がなることが多いようです。
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海運業界に挑戦したい!志望動機の書き方
「海運業界に挑戦したくてもどう志望動機を書いたらいいんだろう」
「どんな人材が求められているのか知りたい!」
という就職活動中の大学生も多いはず。
求められている人材に自分を合わせて志望動機を書くことが大事ですよね。
- 責任感や遂行力をアピール
海運業界は少数精鋭で一人一人の仕事が大きいと言われています。
そんな中で重要となる責任感と、物事をやり遂げる遂行力。
学業、留学、サークル、アルバイト、インターンなど「自分がやり遂げた」経験を話せるようにしておくといいかもしれません。
- 国際性をアピールする
外航海運を扱う海運業界。
海外とのやり取りがとても多い業界でもあります。
英語力や海外インターンシップ、留学など、自分の国際性をアピールしましょう。
- なぜ海運業界なのかを伝える
海運業界の面接でよく聞かれる質問で、
「なぜ商社ではなく海運なの?」
というものがあるそうです。
事実、商社の次の希望として海運にチャレンジする就活生も多いです。
しかしそれでは難しい海運業界。
「モノを実際に動かすことへのやりがい」など商社と違った点を志望動機に織り込むのもいいでしょう。
最後に
海運業界の業界研究はいかがでしたでしょうか。
商社に比べると人気は劣るかもしれませんが、その国際性と仕事のスケールの大きさでは商社に負けず劣らずの魅力があります。
一方で不安定な業界という一面があることも海運業界の一つです。
良い面もそうですが、悪い面をしっかりと把握するためにも業界研究や企業研究は大事ですね。
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