「安定しているから公務員になりたい」という就活生は多いです。
親が公務員で昔から目指している。官僚として日本を変えていきたい。といったように、明確な目標を持って公務員を目指すのは素晴らしいことです。
しかし、何となく安定してそうだからという理由だけで公務員を目指すと、入社後のギャップに悩まされてしまうかもしれません。
ここでは、公務員が安定していると言われている理由や、公務員のリアルな実態について解説していきます。
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公務員には国家公務員と地方公務員がある
公務員には「国家公務員」と「地方公務員」の2種類があり、仕事内容や社会的立場が異なります。
国家公務員とは、司法・立法・行政に関連した国家機関に所属する公務員のこと。財務省や農林水産省といった各省庁や裁判所、国会運営機関などで仕事することになります。仕事内容は国家レベルで、経済、教育、医療、税務、外交など国民全体の利益に関わる事柄に携わります。
昇進すれば、政治家と同じレベルの影響力を国民にもたらすことになるので、スケールが大きく非常にやりがいのある仕事と言えます。一方で、自身の決断が国民の生活を大きく左右するため、責任感が重くのしかかってくる仕事でもあります。
地方公務員は、各都道府県の役所に勤務して地方の行政に携わる仕事です。教育や交通、治安など地方の生活環境に直結する事柄に携わり、市民にとっても身近な存在になります。
国家公務員はその分野のエキスパートであることが求められるのに対し、地方公務員はあらゆる分野に携わる可能性が高いです。電気や土木建築から警察官、教員まで幅広く、専門職以外であれば部署異動も行われます。市民の生活に直接的に関わり、実際に市民と対面して対応する機会も多いので、人の役に立っているという実感が得られやすい仕事であると言えます。
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公務員が安定していると言われる5つの理由
幅広い業務に携わる公務員は、なぜ安定していると言われているのでしょうか。給与面や待遇面などから、その理由を探っていきましょう。
・給与が高くボーナスが支給される
まず、公務員は経済的に安定しており、社会的信用も高いことが挙げられます。一般的な中小企業よりも給与が高い水準にあることが多く、ボーナスも確実に支給されます。国家公務員法や地方公務員法という法律によって身分が保証されているため、経済的な不況や業績、個人の能力に関する評価リスクが少ないです。
一般企業であれば業績次第でボーナスがカットされたり、倒産してしまったりというリスクがつきまといますが、公務員は国民・市民の生活になくてはならない存在です。そのため、給与が激変したり倒産による失業といったリスクがほぼありません。また、産休や育休、有給休暇の取得も比較的容易で、待遇面で優れているのが公務員のメリットとなります。
・転勤が少ない
一般企業に比べて転勤の機会が少なく、居住を安定させられるという点もあります。国家公務員の場合は全国転勤の可能性もありますが、地方公務員であれば管轄地域以外に転勤する機会はあまりないです。
しかし、民間企業との癒着を防ぎ、均一な行政サービスを提供するために、人事異動は頻繁に行われます。幅広い経験を積むことができますが、一つの業務を極めるということには不向きな環境です。
・年功序列で昇給する
日本の大手企業のように、公務員も年功序列で昇給する制度がとられています。そのため、長年勤めれば勤めるほど給与が上がり、生活も安定してきます。一方で、初任給が極端に低いといったことはありません。一般的な企業と同水準かそれ以上の待遇に恵まれます。
年功序列で将来像が描きやすいため、住宅ローンなども計画的に借りられるのも安定している理由の一つでしょう。一方で、若いうちにどれだけ頑張ってもそれに見合った評価は得られにくいので、実力勝負の世界を求めている人にとっては居心地が悪く感じられると思います。
また、退職金の金額が多いことも挙げられます。年功序列である公務員は、勤続年数が長くなればなるほど豊富な退職金をもらえる傾向にあります。最近は退職金がもらえない一般企業も増えているので、この点は魅力的にうつるでしょう。
・リストラの可能性が低い
犯罪を犯した、重大な情報漏洩を行ったなど、よほどの理由がない限りはリストラされる可能性は低いです。一般企業であれば、業績の悪化などにより、普通に仕事をこなしていた人でもリストラの対象になりえますが、公務員はそのリスクが限りなく低いです。
・離職率が低い
公務員から民間企業に転職する人は少なく、途中退職する人も少ないので、離職率は低い傾向にあります。給与や休暇、残業代などの待遇に不満がないということもありますが、公務員から民間企業に転職するハードルが高いという影響もあるようです。
民間企業は公務員の離職者に対し、キャリアを疑問視することが少なくありません。また、地方公務員は民間企業で必要なキャリアと認められにくい傾向もあるようです。そのため、一度公務員に就職した人は離職せず最後まで勤め上げる傾向にあります。
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公務員のリアルな実態
給与面や待遇面で安定している公務員。仕事も何となく楽そうと思っている就活生も多いようですが、リアルな実態はどのようなものなのでしょうか。
・残業や休日出勤がある
公務員は残業がなく、必ず定時に帰れるというイメージを持つ就活生は少なくありません。しかし、公務員にももちろん残業があり、休日出勤が求めれるケースも非常に多いです。職種や配属先によっては拘束時間が非常に長い部署もあるので、公務員の知り合いやOB・OGに実情をヒアリングしておくとよいでしょう。
また、市役所などは土曜日にも開館しているケースが多く、休日に市民行事が開催されることも多いです。そのため、土日祝日に出勤が命じられるケースも多々あります。残業がなく土日祝日は必ず休めるというイメージで公務員に就職すると、そのギャップに悩まされてしまうでしょう。
・AIに仕事が移行される可能性が高い
公務員の仕事は事務作業が多く、今後AIに仕事が移行される可能性が高いと言われています。すでに地方自治体で積極的にAIを導入しているところも多く、公務員に求められる仕事内容も変化していくでしょう。
また、公務員は民間企業ほど仕事の成果や効率が求められない環境で働くことになります。そのため、民間企業に転職した場合に苦労する人が多く、即戦力でないという理由で採用難易度も高くなる傾向にあります。これから公務員に就職する人は、どのような環境になっても対応できるスキルが求められるようになるでしょう。
・世間の風当たりが強い
「国民の税金でいい暮らしをしている」とメディアや巷ではよく言われます。そのため、世間の風当たりが強いということは覚悟しておかなければなりません。
もちろん、公務員という仕事はなくてはならない仕事であり、業務内容も尊いものです。しかし、税金から給料が払われている以上、市民からやっかまれてしまいやすいのです。公務員に就職する場合は、世間の声に負けず、誠実な心で自分の仕事に誇りを持って取り組むようにしましょう。
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まとめ
公務員は確かに安定した仕事であると言えますが、事務作業がAIに移行されるなど、これからの公務員に求められるスキルは変化していくことが見込まれます。
なんとなく楽そう、なんとなく安定してそうといった漠然としたイメージで就職すると、苦労することになるかもしれません。
公務員のメリットとデメリットをしっかりと把握して、民間企業とどちらが自分に向いているのか、正しく判断するようにしましょう。
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