就活生にとって依然人気を誇る総合商社。特に三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅の五大商社や五大商社に豊田通商と双日を加えた七大商社は憧れる人も多いのではないでしょうか?
スケールの大きさやグローバルな活躍は魅力的ですよね。
今日はそんな総合商社の中から「住友商事」にスポットライトをあてて、紹介していきたいと思います。
この記事の目次
総合商社と専門商社からなる商社業界とは?
住友商事について紹介をする前に商社業界とはどんな業界なのかを手短に紹介したいと思います。
まず商社業界には大きく分けて二つの種類があります。
・総合商社・・・・扱う商材が多様
・専門商社・・・扱う商材が単一または少ない
今日紹介する住友商事は総合商社に分類され、後ほど紹介しますが、驚くほど幅広い分野に事業を展開しています。
一方の専門商社は特定の商材に特化してビジネスを展開します。総合商社とは違い、一つの商材のスペシャリストになります。
商社業界はメーカーとメーカーの橋渡しが大きな業務の一つと言われますが、実はこの商社と呼ばれる形態は世界にはあまりなく日本で独自に発展したものなんです。
日本では「モノを作る仕事」と「それを売る仕事」が別々に発展し、モノを作る仕事がメーカーへ、売る仕事が商社へと発展しました。
海外ではメーカーが「売る仕事」までを行うので「商社」というビジネスはあまり多くないようです。
最近では特に総合商社が今までの商社としての業務だけでなく、事業投資やグループ拡大など新たな業務に乗り出しています。
住友商事の企業概要や歴史は?
日本の商社業界について手短に紹介したところで、本題の「住友商事」を紹介したいと思います。
まずは住友商事のプロフィール(企業概要)をご覧ください。
会社名 | 住友商事株式会社 |
設立年月日 | 1919年12月24日 |
代表者 | 中村 邦晴 |
社員数 | 5,342人 |
本社 | 〒104-8610 東京都中央区晴海1丁目8番11号 晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワー |
事業所数 | 国内22カ所/海外107カ所(65カ国)(2017年9月1日現在) |
住友商事は住友グループに属する企業でいわゆる財閥系企業です。
住友グループの始まりは17世紀、住友政友が書林と薬舗を開設した時です。
その時から住友グループの心得は、現在の住友商事の心得でもある、「自利利他公私一如(じりりたこうしいちにょ)」。社会貢献を目的に事業を続けてきました。
住友商事自体のルーツは1919年12月に設立された大阪北港株式会社です。大阪付近の不動産経営が始まりでした。
その後1944年に、住友の名前がついた住友土地工務株式会社になり、不動産系の企業と合併をすることを通して事業を大きくしていきます。
1950年代に入ると、海外に進出します。その後は不動産や建設業だけでなく、鉄鋼や非金属、電気機械、化成品、農水産、繊維、物資など幅広い分野に事業を展開していきます。
1970年代に入り、総合商社としての経営や地位を確立していくようになります。80年代では、今の住友商事のように、商事活動だけでなく、事業活動を加えて、2本の柱として事業を展開していくようになります。
現在では更なるグローバル化を図り、安定的で継続的に会社を成長させていくことを目標としています。
海外65カ国107カ所に事業所を持つことからもこれからの国際的な活躍が期待できそうです。
住友商事が関わる5つの事業分野について
住友商事の簡単なプロフィールと歴史を見たところで、住友商事が実際にどんな事業を展開しているのかを紹介していきたいと思います。
金属事業
鋼材、鋼菅等の鉄鋼製品やアルミ、チタンなどの非鉄金属のあらゆる金属製品を取り扱う事業です。
自動車・家電メーカーや石油・ガス会社等を対象に加工・管理・保管などを行っています。
輸送機・建設事業部
自動車、船舶、航空機、鉄道などの輸送機や建設機械を取り扱っている事業部です。
自動車分野では、自動車の流通、小売り、金融サービスにわたってグローバルにバリューチェーンを展開しています。
船舶分野では製造メーカーに出資したり、建築機械分野では商社トップの取扱高を誇っています。
環境・インフラ事業部
環境・インフラ事業部は、社会インフラ分野と電力インフラ分野の二つを重点的に展開しています。
社会インフラ分野では国内外問わず再生可能エネルギー発電事業を行っています。
電力インフラ分野では海外において大規模な電力ビジネスに取り組んでいます。
メディア・ライフスタイル事業
メディア・生活関連事業では、メディア、ICT、小売り、食料、生活資材、不動産、ライフスタイルといった幅広い分野に取り組んでいます。
住友商事の特徴的な部門の一つでもあります。ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム、テレビ通販のジュピターショップチャンネルが収益の柱へと成長し、主要5事業の中で最も売上高比率が高い事業となっています。
資源・化学品事業部門
資源・化学品事業部では、資源・エネルギー・化学品・エレクトロニクス・ライフサイエンス分野の事業を行なっています。
資源・エネルギー分野では、鉱山開発プロジェクトを主に行い、資源やエネルギーのトレードビジネスを中心に展開。
化学品・エレクトロニクス分野では、原料や有機・無機化学品、合成樹脂、先端電子材料のトレードに加え、EMS事業を積極的に展開しています。
ライフサイエンス分野では、農薬・肥料・医薬・ペット関連製品を扱っています。
これだけ多くの事業分野と商材がありますが、他の総合商社と比べて住友商事ならではの強みは以下の事業です。
・持続可能な可能な社会を可能にする再生エネルギー事業
・インフラを作り出す「輸送機」「建機」事業
・人々の健康と命を守る「医薬品」事業
・アルミニウム製造で世界を変える「産業用素材」事業
・人々と共に未来に向けた街づくり「建築」事業
住友商事の採用情報、福利厚生は?
住友商事の歴史や事業内容について紹介してきました。
己のビジネスや利益だけでなく社会貢献性を考える社訓や、グローバルな事業は魅力的だと思います。
ここでは、そんな住友商事がどんな人を募集していて、どんな採用フローをとっているのかご紹介したいと思います。(2018年採用ページ参照)
まず住友商事は総合商社なので、基幹職(総合職)と事務職を別々に募集しています。
2018年の採用予定数は基幹職140名程度、事務職20名程度でした。採用実績から見ても基幹職は130~140名程度採用していて、事務職は10~25名程度でした。
【新卒採用の選考フロー】
①エントリーシート提出
②筆記試験
③面接(複数回)
④内々定
⑤入社
という一般的な流れのようです。
また留学等で6月の選考を受けられない人用に7月中旬頃に夏季採用というものがあります。
次に気になる待遇です。初任給は基幹職と事務職で異なり、
基幹職:院了 275,000円 / 大卒 240,000円(2017年度)
事務職:大卒 205,000円 / 短大卒 190,000円(2017年度)
となっています。
勤務地は東京・大阪・名古屋などが中心になりますが、初期配属は原則東京となっています。
最後に福利厚生の面ですが、原則として通勤費は全額支給されます。
制度としては、住宅融資、終身年金制度、産休産後欠勤制度(産前6週間、産後8週間)、育児休職制度、介護休職制度と充実しています。
商社の仕事は、携わる事業部によって全く異なります。どの事業部へ配属になっても活躍できるスキルを予め磨いておくと良いですね。
社会貢献と国際的な活躍が期待される住友商事
住友商事の企業研究はいかがでしたでしょうか?
幅広い5つの事業分野を「社会貢献」の立場を重視しながら展開する住友商事、グローバルな活躍も魅力的だと思います。
住友商事以外の商社の企業研究もしてみると、さらに住友商事の良さが見つかるかもしれません。積極的に様々な企業を見てみてくださいね。