みなさんはキーエンスという企業を知っていますか?
実はこのキーエンスという企業は、日本の上場企業の中で平均年収第1、2位の常連企業なのです!
あまりの高年収ぶりから、キーエンスでは、30代で家が建ち、40代で墓が立つ、と言われています。
企業などに詳しい人なら、キーエンスについて詳しい方もいるかもしれませんが、一般にはまだまだ認知度は高くはない企業であり、CMなど私たちの目に見える形で登場する機会も極端に少ない企業です。
そんな魅力溢れる一方で謎に包まれた企業、キーエンスについて今回は掘り下げていきます!
この記事の目次
キーエンスってどんな会社?本社・勤務地・仕事内容は?
キーエンスの基本情報
本社は大阪府にあり、勤務地は大阪の本社・研究所、台場の東京研究所、その他国内外の事業所となります。
総従業員数は2000人ほどで、男女比は正確な数字が公表されている訳ではありませんが、ガツガツ仕事をするという特徴から、男性社員の割合が極めて高いようです。
しかし、女性が必ずしも働きにくい環境というわけではなく、同性のライバルが少ないためチャンスが得やすいという特徴があります。
男性にも負けないくらいパワフルで、仕事にがっつり打ち込みたい!というキャリアウーマンに憧れを持つ女性であれば、ぴったりの企業だと思います。
平均年齢は36.1歳、平均勤続年数は12.4年、となっておりかなり若い人が中心となっている企業と言えるでしょう。
そもそもキーエンスは何をやっている企業なの?業務内容は?
キーエンスはB to B 企業(B to BはBusiness-to-businessの略で企業間での取引を主とする企業を指します)であり取引する相手が主に企業となってるため、一般の消費者である私たちにはどんな業務を行なっているかはわからない部分が多いです。
キーエンスは、FA(ファクトリー・オートメーション)センサーを始めとする高付加価値精密機械の販売を、主に製造業を扱う企業に対し行なっています。
取引相手は世界各国にわたり、顧客企業数は20万社、世界40カ国200拠点にものぼります。いわばキーエンスは最先端技術の提供によって世界中のものづくりを支えている企業なのです。
実際に、海外事業平均成長率が過去5年間で30%を記録するなど、世界に向けてまだまだ活躍の場を広げている段階にあります。
また、文系学生にはイマイチ馴染みの薄い、精密機械を扱う業務となりますが文理問わず活躍できる場です。
実際、製品というのは顧客の抱える問題を解決するための一つのツールでしかないので、営業活動を通して自然と興味、理解が持てるようになっていく、と言われています。
ですから、入社前の段階ではキーエンスの製品に興味が持てない、という学生さんでもしっかりと論理性を持った主張をする能力や課題解決能力を備えていれば、採用に問題はないとされています。
キーエンスが誇る驚異の利益率
キーエンスを語る上で、最も重要と言える点の一つが、極めて高い利益率を誇る、という点です。
営業利益率は50%近くにものぼり、これは2000人規模の企業としては極めて高い数字です。
どれくらいこの数字がすごいのかというと、同じ精密機械を扱うキャノンの利益率は8%前後となっており、製造業・小売業の分野での目安が5~6%であることから、キーエンスがいかに驚異的な利益率を誇っているかがわかると思います。
これはキーエンスが高付加価値商品を扱っていることに加えて、自社工場を持たないため在庫を抱えるリスクがないことなどが、高い利益率を支える要因となっています。
また、新製品のおよそ70%が「世界初」や「業界初」であるため、商品に対する付加価値はより大きなものとして扱われます。
キーエンスの年収や初任給、社風・勤務時間や休日は?
年収はいくら?なぜそんなに高い?初任給はいくら?
冒頭でも紹介した通り、キーエンスは日本で最高峰の従業員年収額を誇ります。
有価証券報告書によると、平成28年3月20日現在での平均年間給与額は1777万円(平均36.1歳)となっています。
これはテレビ局業界や総合商社業界の平均年収トップの企業にも勝る金額で、同業種の企業とも圧倒的な差をつけています。
では、なぜこんなにもキーエンスの平均年収は高いのでしょうか?
初任給を見てみると、大卒で20万円前後、大学院卒で22万円前後とあまり高い給与は設定されているとは言えません。
ここにキーエンスの持つ大きな特徴が隠されています。それは徹底した「成果主義」です。
営業成績の芳しくない社員に対しては躊躇なく退職を勧めることもあるそうです。
当然、これだけ高い報酬を得るわけですから、仕事はかなりハードなものとなります。要求される仕事量、効率性へのハードルは厳しく、合理的な経営をモットーとしているがゆえに精神的にかなり負担のかかるとも言われています。
逆に言えば、良い営業成績を残せば年齢にかかわらず昇級のチャンスを迎えられることもまた事実です。
勤務時間や休日などは?やっぱり激務なの?
先ほど述べたようにキーエンスは効率的な働きを社員に対して求めているため、かなりオン・オフのメリハリを大事にしたライフスタイルを提案しています。具体的には、
- 21時30分以降の残業禁止
- 年間休日128日
- 平均結婚年齢27.7歳
などです。
とにかく月曜日から金曜日はがっつり働いて、土日はしっかりと休む!という風潮がキーエンスにはあるようです。
また、残業や早朝出勤の禁止を奨励しているため、家に帰れないことや、十分な睡眠時間が確保できないなどの問題は生じにくくなっています。
そのため、勤務時間以外はしっかりリフレッシュし、勤務時間中は頭をフル活用して働く!というのがキーエンスのベースとなる勤務方針となります。
キーエンスの社風は?合理主義ってどうゆうこと?
キーエンスの社風を一言で表すとすると、「徹底した合理主義」の一言に尽きます。社員の勤務時間中のスケジュールは分単位で管理されるため、効率よくサボって仕事を乗り切りたい、という考えの持ち主は絶対にやっていけない職場です。(笑)
ですが言い換えると、「とにかく自分に厳しく、仕事に打ち込みたい!」という人にとっては絶好の成長の場と言えるでしょう。
また、キーエンスで培った営業などのスキルを活用し独立したりする人も多いそうです。また、他企業で実績・自信をつけた人がぜひキーエンスで腕試しをしたい!という中途採用の希望も根強いようです。
どんな人が入れるの?採用までの流れや入社に必要な能力は?
採用までの流れ
キーエンスの採用システムの特徴として、「エントリーシートの提出がない」という点が挙げられます。これは、就活生の負担になることに加えて、面接を通じて真の姿を見て選考したいという意図があるようです。
簡単なエントリーをすませると、セミナーへの参加案内が届きます。セミナーを経ると、適性検査、複数回に及ぶ面接と続きます。
見事、面接を通過すれば晴れて内々定、内定となります。
求められる能力・人物像
キーエンスでは徹底的に管理された環境での仕事となるので、自分に厳しい人、細かくスケジューリングできる人がキーエンスで働くには向いていると言えます。また、会社から指示に対して迅速かつ効率的に応えられる能力が必要となります。
また、企業に対して自社製品の魅力を伝えなければならないので、コミュニケーション能力も重要となります。
人物像としては、仕事をするぞ!というスイッチを入れたら仕事に没頭でき、仕事が終わったらスイッチをオフにしてしっかりと休養をとれるメリハリある生活ができる人が望ましいと思います。
まとめ
今回はキーエンスについて取り上げました。今までは何にもわからなかったけど、少しはキーエンスに対するイメージを持てるようになったかな、と思います。
高い年収ばかりに注目が行きがちですが、高い営業利益率とそれを支える徹底的な合理的経営も非常に注目すべき点だと思います。
まずは、キーエンスの製品がどんな分野の企業に販売されているのか、またその企業によってもたらされた製品が自分たちの生活にどのように関わっているか、を調べてみるともっとキーエンスという企業を身近に感じることができると思います。
また、日頃からメリハリのある生活、1分1秒を大切にするスケジュール管理をすることが、キーエンスとのミスマッチを防ぐためにもつながると思います!