スマートフォンなどのデジタル化が進み衰退しつつあるといいわれる出版業界
近年は小説やコミックなどの映像化や、デジタル版書籍の発行など出版業界の転換期にあるといわれます。
私たちの身近な存在でもある出版・雑誌業界についてまとめました。
出版業界に興味のある方必見!出版業界のインターン情報まとめ!
この記事の目次
出版・雑誌業界の売上高・勤続年数ランキング
インターンや就活でESを書くときのためにも、業界の情報は知っておきたいですよね。
業界研究のために気になるであろうランキングをまとめました。
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出版・雑誌業界の売上高ランキング(平成27年度ー平成28年度)
5位 株式会社ゼンリン 約549億7000万
4位 学研HD 約959億4500万
3位 株式会社ぴあ 約1386億2400万
2位 KADOKAWA 約2009億4500万
1位 ベネッセHD 約4441億9000万
出版業界でも特に大きな規模であるベネッセHDが単独トップでした。そして大手出版社の中でも幅広く手を広げている角川HDが次点となりました。
第5位の株式会社ゼンリンとは日本最大手の地図製作会社です。株式会社ゼンリンでは紙媒体のものから電子地図まで制作しています。地図アプリも起用しており日本国内市場の8割を占めています。
ランキングを見ると各企業の差が大きく開いているということがことがわかります。
それは出版以外にも多くの業種に手を広げているか否かの差でもあると思いますが、規模の違いというのが分かりやすいですね。
有名な出版業者が多い中、株式会社ゼンリンのようなあまり知られていない企業もランキングに入っていました。出版業界といっても、知られていないような様々な企業があるので、就活生は広い視野で調べていきましょう。
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出版・雑誌勤続年数ランキング(平均年収)
7位 ベネッセHD 12.6年(942万円)
6位 株式会社ぴあ 13.8年(740万円)
5位 昭文社 15.5年(597万円)
4位 文溪堂 16.2年(547万円)
3位 東洋経済新報社 16.4年(1110万円)
2位 株式会社ゼンリン17.5年(508万円)
1位 学研HD 19.3年(931万円)
就職活動の際にも気になる勤続年数平均のランキング(平均年収)はこのような結果となりました。
平均勤続年数ランキングの上位は大手企業が占めていました。売上高では1位のベネッセHDですが、勤続年数の平均では7位におさまりました。このランキングから平均年収と勤続年数は、あまり比例していないことがわかります。
平均勤続年数が十年を超えているのは、ほかの業界と比較すると長い方だと思います。平均年収とも比例していないことは、やはり好きを仕事にしている人が多いからではないのでしょうか。
出版業界は企業ごとに特化した色があります。就職活動をするときは、その企業がどんな分野に力を入れているか、自分がしたい仕事内容とは何か、などを考えることが大切だと思います。
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出版業界の現状
出版業界は衰退しつつあるといわれていますが、実際はどうなのでしょうか。
出版業界についてまとめ、その売上について考えていきます。
出版業界とは
出版業界では書籍や雑誌を企画から編集、発行をしその後全国の書店などから消費者に商品を販売してます。
日本の出版社数は2015年時点で約3489社あるといわれています。出版企業といわれて何社か思い浮かぶ人は多いと思いますが、思ったより業界の企業数は多いですよね。
出版業界は主に出版、出版取次、書店経営の3つにわかれて商品を流通させる仕組みとなっています。
はじめに出版社が企画をたちあげます。そして執筆者やデザイナーと共に執筆作業やイラスト製作をしていき印刷します。出版社は出版取次会社に売り込み、出版取次から全国の書店へと委託販売され、書店に書籍や雑誌が並ぶという流れになります。
出版取次とはいわゆる流通業者のことです。出版社と書店をつなげる仕事をしています。
主な企業(出版社)
- 総合系:集英社、講談社、小学館、KADOKAWAなど
- ビジネス系:ダイヤモンド社、PHP研究所、日本経済新聞社など
- 雑誌系:主婦の友社、宝島社など
- 教育・法律系:ベネッセHD、学術HD、学習研究社など
主な企業(出版取次)
- トーハン…セブンアンドアイHDとのかかわりが強い会社です。セブンイレブンで扱われる書籍や雑誌はトーハンより配送されています。売上高は単体で約4613億円(2017年3月期)です。
- 日本出版販売…オンライン書店の経営も行っています。売上高は単体で約5023億円(2017年3月期)となっています。
日本の出版取次会社は上の2社でシェアの70%を占めています。
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出版業界の売上
出版社の業界規模は1兆1112億円であるといわれています。
現在では出版物の市場は縮小傾向にある一方、電子書籍物の市場は拡大傾向にあるという特徴をもちます。
日本出版販売が編集をしている『出版物販売額の実態2016』によると、2015年度の全国3489社の総売上高は1兆7922億6500万円であり、これは2014年度よりも4.1%減少した結果となります。
書店経営では売り上げ規模が大きい企業が増収となり、出版と出版取次は反対に減少していました。
損益の動向では、規模が大きい大手企業は増益であるのに対し、規模が小さい企業は減益傾向にありました。(帝国データバンクより)
書店経営は電子書籍市場やインターネット販売など、ネット介入による顧客を獲得、書店のカフェ併設や、電子書籍とリアル書籍との連携など様々な試みがありました。その結果、書店では収益が増えたと考えられます。
業界自体は現在衰退している、というのは本当のようです。しかし、この状態を脱却するための試みははじまっていました。次に以上のことを踏まえた今後の課題を見ていきましょう。
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出版業界の今後の課題
出版業界で働くうえで大切な今後の課題とは何でしょうか。
出版業界志望の就活生も一緒に考えていきましょう。
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出版業界の問題点
出版社の売上が衰退した主な理由として
- 若者の活字離れ
- 書籍販売費の減少
以上の2点があげられます。
若者の活字離れとは、インターネットや他のメディア等の普及により、書籍や新聞などの活字媒体の利用率が下がることをいいます。
近年では『火花』(原作:又吉直樹)などのヒット作が出版され売上は伸びました。しかし既存の書籍などに関しては売上減少が予想されます。
書籍販売費の減少の原因の一つは二次流通市場の存在があります。
二次流通市場とは例えばブックオフなどの新型古書店やマンガ喫茶等のことです。
これらの市場やamazonや楽天などの書籍販売サービスなどにより、今後書店での書籍販売費の減少が見込まれます。
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書籍・雑誌の電子化への問題点
スマートフォンやタブレットが普及した現代、書籍の電子化も必然であったといえます。
しかし電子書籍にも問題点はあります。
- 多くの事務的な手間がかかり+αの料金がかかること
- 読者である日本人が電子型のものよりも紙媒体のものを好むこと
例えば紙媒体でヒットした作品でも、電子書籍ではその販売量は紙媒体のものをこえた例は多くありません。日本は書店が多くあることから海外ほど電子化による利益が伸びなかったともいわれています。
iPhoneやタブレットが進展しつつある現代、電子化というキーワードはよく聞きますよね。しかしなんでも電子化すればいいという問題ではない、ということに驚いた人は少なくないでしょう。これからは電子化による売上成長率をあげるための、戦略が必要となります。出版業界で働きたい人は、ぜひこの問題についても考えてみて下さい。
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最後に
出版・雑誌業界で勤務している人は、その仕事が好きである。そういうことが勤務年数と平均年収の関係からわかりました。現状では出版・雑誌業界の売上は減少傾向にあります。その対策として電子書籍などのネット介入や、書店の様々な試みにより売上向上がはかられていました。
転換期にいる出版業界では、これからも様々な試みがされると思います。その業界で働きたいと思っている人にとっては自分の力を発揮するチャンスにもなりますね。
本当に自分が好きな仕事をするためにも、今後の戦略や動向に注目していきたいです。
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