長期インターンシップを始めたきっかけを教えてください。
就職活動に向けて自己分析を進めていく中で、「自分の強みってなんだろう?」「本当に興味があることは何だろう?」と考えるようになりました。そのときに浮かんできたのが、“誰かに何かを伝える”ということ。言葉や表現を通して人の心を動かしたり、何かのきっかけをつくったり。そういう仕事ができたら素敵だなと思ったんです。そこから広告やマーケティングの世界に惹かれていきました。
でも正直、そのときの私は“マーケティング”という言葉の意味をきちんと理解していたわけではありません。「数字を見ながら分析する」「伝え方を考える」そんな断片的なイメージしかなくて、本当に自分に合っているのか分からなかった。だからこそ、“まずは実際にやってみよう”と考えました。
心から興味を持てる分野で全力で取り組みたい。そして社会人の方々と一緒に働くことで、自分の力を試し、成長したい。そんな思いからインターンに挑戦しました。
インターンをしているオーガニックグループについて教えてください。
オーガニックグループは、医薬品やサプリメント、コスメなど、さまざまな分野で事業を展開している会社です。一つの商品や業種にとらわれず、幅広く取り組んでいるのが特徴だと思います。会社が大切にしているのは、“持続可能なビジネスであること”。「この事業は社会のためになるか」「長く続けられる形か」という視点を大切にしていて、持続可能性があるビジネスであれば積極的に挑戦していくという方針です。実際に働いてみても、本当にいろんなことをしている会社だなと感じます。
インターン生としてどんな仕事を任されているんですか?
私はマーケティング部門で、自社商品のSNSマーケティングを担当しています。TikTokの運用が中心で、企画から編集、投稿までを自分たちで行っています。
投稿づくりでは、トレンドや類似の投稿を参考にしながら、「どうすれば商品の魅力をより多くの人に伝えられるか」を考えています。視聴回数を伸ばすだけでなく、「これ欲しい」と思ってもらえる投稿を意識しています。
動画がバズったり、「この商品買ってみた!」というコメントを見ると、自分の発信が誰かの行動につながったことを実感できて本当に嬉しいです!
日々の業務では、自分の行動が数字として表れ、それがチームの成果につながっていくのを感じます。忙しさの中にも確かな成長があって、「働くってこういうことなんだ」と実感しています。
未経験からどのように仕事を覚えていったのですか?
大学では政治思想や国際関係を中心に学んでいたので、マーケティングの知識はゼロに近かったです。ただ、もともと動画や編集が好きで、TikTokの運用を任されたときも「やってみたい!」という気持ちのほうが大きかったですね。
最初は、どうすれば視聴者に刺さるのか全然わからず、他のアカウントを見てインプットすることから始めました。人気の投稿を分析して、「このテンポが見やすいな」「この構成だと飽きないな」など、小さな気づきを積み重ねていくうちに、少しずつ感覚が掴めてきました。私が所属する部署は、立ち上がって間もない時期に始まったので、社員さんとインターン生で試行錯誤しながら仕組みを作っている段階でした。
最初からマニュアルがあるわけではなく、「こうしてみたらいいかも」と話し合いながら進めていく。一つひとつの試みが部署全体の成長につながっていく感覚があって、やりがいが大きかったです。社員さんもオープンで、意見を出せば必ず耳を傾けてくれます。
「学生だから」ではなく「チームの一員」として扱ってもらえることが多く、自然と自分から動こうという意識が芽生えました。
インターンを通して、どんな成長やスキルの変化を感じましたか?
大きく分けて二つあります。
ひとつは“俯瞰して考える力”が身についたこと。もうひとつは“チームを動かす力”を学べたことです。
最初のころは、自分の作業に集中しすぎていて、全体の目的をあまり意識できていませんでした。でも、部署や会社全体で目指している方向を理解しながら動くことの大切さに気づきました。たとえばTikTokの動画を作るときも、単に再生回数を上げるだけでなく、「どういう投稿なら会社のブランド価値を高められるか」を考えるようになりました。そう意識するようになってから、自然と時間の使い方や優先順位も変わりました。
もうひとつの「チームを動かす力」は、実際に案件を担当した経験からです。私は自社商品のマーケティングに加えて、外部案件も担当しています。その案件では、私がメインで進行を担当し、もう一人のインターン生と協力しながら、社員さんにサポートしていただく形で進めています。学生でありながら、クライアント企業とのやり取りやスケジュール調整などを任せてもらえるのは貴重な経験です。同い年のインターン生とどうやってリードし合うか、どう意見をまとめるかを考えることが多く、プロジェクトを動かす難しさと楽しさの両方を学びました。
印象に残っているエピソードはありますか?
TikTokで初めて“300万回再生”を出せたときのことです。
最初はなかなか結果が出ず、ほかのインターン生の方が再生数を伸ばしていました。でも焦らずに、数字と向き合って改善を重ねました。どんな時間帯に投稿すると伸びるのか、どんな構成だと離脱されにくいのか、結果を見比べながら仮説を立てて次に活かす。その積み重ねの先に大きな数字が出たときは、本当に嬉しかったです。
社内では社員さんや他のインターン生と自分の投稿や結果を共有する時間があります。「この投稿のどこが良かったか」「次はどうするか」を話し合うことで、他の人の考え方を学ぶ良い機会になっています。社員さんから「仮説を持って行動しよう」という言葉をいただき、それ以降は数字だけでなく、なぜその結果になったのかを考えるようになりました。マーケティングを“数字の仕事”ではなく、“人の反応を考える仕事”として捉えられるようになったのは、この経験が大きかったと思います。
長期インターンで大変だったこと、苦労したことはありますか?
一番大変だと感じるのは、限られた時間の中で成果を出すことです。大学・就活・サークル・インターンを同時に進めているので、スケジュールのやりくりには常に工夫が必要です。特にインターンでは求められる水準も高く、どこにどれだけ時間をかけるかを意識しながら動いています。
だからこそ出社している時間の中でいかに集中できるか、効率を重視して働くようにしています。TikTokの投稿では土日に対応が必要なこともありますが、基本は職場にいる時間の質を高めることを最優先にしています。そうした取り組みを続ける中で、集中力や判断のスピードが鍛えられてきたと感じます。まだ模索中ではありますが、時間を意識して働くこと自体が大きな学びになっています。
インターンでの人とのつながりや、社員さんとの距離感について教えてください。
人とのつながりも、このインターンの大きな魅力のひとつです!
社員さんとの距離はとても近く、仕事の相談はもちろん、就活の話まで気軽にできる関係性があります。意見を出せば耳を傾けてもらえて、「学生だから」と線を引かれることもありません。懇親会の時間には、自分の投稿や数字を共有しながら率直に意見を交わします。「この投稿のどこが良かったか」「次はどうするか」を話し合う中で、他の人の考え方や視点に刺激を受けることも多いです。
また、インターン生同士の関係も大きな財産です。現在は8名ほどのメンバーが在籍しており、大学や考え方もさまざま。同世代の学生が真剣に仕事に向き合っている姿を見ると刺激を受けますし、サークルや授業のつながりとは違って、プロジェクトを一緒に動かす仲間としての関係が生まれています。成果や数字についても率直に意見を出し合える環境で、チーム全体で成長のサイクルが回っている感覚があります。
仲間の頑張りを見ることで「自分ももっと成長したい」という気持ちが自然に湧いてくる。そうした人との関わりが、このインターンを続ける大きな原動力になっています。
長期インターンを経験して、キャリア感などは変わりましたか?
はい、変わりました。広告やマーケティングの仕事が楽しいと感じる一方で、日々の業務を通して、ITなどの技術で業務を改善していく分野にも興味が広がりました。マーケティングで培った「伝える力」と「分析する力」を生かしながら、より良い仕組みを作る側としても価値を出していけるのではないかと感じています。
そして今の目標は、「チームに必要とされる存在」でいること。プロジェクトやメンバーが変われば、求められる役割も変わります。その中で、俯瞰的な視点と自分のスキルを掛け合わせて、どんな場面でも価値を出せる人になりたいです。前に立つときもあれば支えるときもある。どんな場面でも成果に責任を持てる人でありたいと思っています。
これからインターンを考えている学生へ、伝えたいことは?
大学生には“時間”という大きな資産があります。その時間を、自分の将来を考える一歩として使ってほしいです。勉強、サークル、部活、バイト、留学、そしてインターン。インターンは、働くことを具体的に想像できる貴重な機会。新しいコミュニティの中でフィードバックをもらいながら、社会に出る前に成長できる場所です。
無理に詰め込む必要はありません。目的を持って、自分のペースで挑戦してみてください。小さく試して、小さく学び、次へ進む。その積み重ねが、確実に未来の自分をつくっていくと思います。
自分の興味を確かめたい、何かに本気で取り組んでみたいという気持ちがあるなら、インターンはきっとそのきっかけになるはずです。