留学ドットコム東京オフィス代表 阪本 達郎様
インターン生の受け入れは大変と思いきや、むしろ助かっています
-まず、御社の事業内容について簡単にご紹介をお願いします。
当社は「留学ドットコム」という名前の留学エージェントを運営している会社です。留学エージェントとはその名の通り、海外への留学を希望している方に留学先を紹介して、目的や予算に合わせたベストな留学先を紹介する仕事です。
最近ではWebでの集客にも注力しており、インターンシップ生のみなさんにはWeb上でのコンテンツ作成を主にお願いしています。
-ありがとうございます。もともと長期インターンを活用しようと思ったきっかけは何だったんですか?
きっかけは、ゼロワンインターンさんから長期インターンについてお話を伺ったからです。
最初にお話を聞いた時は、正直驚きました。お金よりも経験を重視して仕事を探す学生がいるなんて、最近の子は立派だなと。学生時代お金目的でアルバイトばかりしていた僕が、そんな子たちの面接なんかしていいのかと(笑)。
-実は今でも、長期インターンをやる学生は全大学生の約3%程度しかいないんですよ。もっと多くの学生に広まればいいんですが・・・。
そんなに少ないんですか。でも、たぶんそれもあって意識が高い子がたくさん応募してきてくれてるんですね。
最初はインターンなんて発想全然なかったんですけど、とても良い取り組みだと思います。
学生さんも将来に繋がる経験が積めるわけですし、我々としても社員に近い高度な仕事をこなしてくれる若い人材がたくさん来てくれるのでとても助かってます。
うちのように10人もいない少人数の組織なら、重要度は高いけど専門性や経験があまりいらない業務っていくつかあると思います。この辺の仕事はインターン生に最初任せる業務として相性が良いんだと思います。 弊社で言えば、留学先紹介のWebコンテンツ作成や留学希望者からの電話応対などは、積極的にインターンシップ学生に任せてますね。
既存業務のサポートに加えて、売上に直結する働きもしてくれます
-ゼロワンインターンのご利用開始から約1年経ちますが、インターン生たちの働きぶりはいかがですか?
本当に意欲的な子が多くて助かっています。もともと数名程度の採用を予定してたんですけど、不採用にするのが惜しくて結局東京と名古屋で合わせて30人近く採用しました。
最初は1人採用ごとにお支払いする成果報酬プランでやろうと思ったんですが、ご提案いただいた通り定額制のプランを選んで本当に良かったです(笑)。
-それはすごいですね。良い子をたくさん採用いただけたようで良かったです。
おかげさまで、ありがとうございます。
やっぱり前提として自己成長を目的に来ているからか、お願いした仕事以外も自分から興味を持ち、積極的にやってくれてるのでとても助かってます。
-具体的にどのような仕事ですか?
例えば留学希望者の方って、学校や街の風景を重視して留学先を選ぶ方が多いんですけど、1人の学生がそれならInstagramでアカウントを作って学校や街の写真を発信したらいいんじゃないかと提案してくれたんです。
留学する人って自分と同じ学生が多いと思うので、インスタのアカウントを持ってる人も多いんじゃないかと。実際に留学される方の多くは学生さんをはじめとする20代の方がほとんどだったので、じゃあやってみようということでアカウントを開設したんです。
最近では実際にインスタ経由での問い合わせも入るようになってきてびっくりです。
-既存業務のサポートだけでなく、新しい集客のチャネルを開拓してくれたわけですね。
社員はSNSと無縁なメンバーばかりだったので、このアイデアは絶対出てこなかったと思います(笑)。
他にも英語を流暢に話せる子には海外の大学スタッフの方との打ち合わせにも同席してもらったりと、彼らが興味を持った仕事にはどんどんアサインするようにしています。
実はインターンを始める前は主婦パートの方に電話対応をお願いする案もあったんですけど、こういうフットワークの軽さを発揮してくれる点ではうちはインターンシップ生のほうが相性が良かったかなと思います。
インスタの件も別にスキルや経験がいる話ではなくて、単純に年齢の若さとフットワークの軽さによるものだと思うんですよね。
業務を限定しすぎずに適正に合わせて色々なことを任せていったほうが、僕らも助かりますし、彼らも楽しんでやってくれると思います。
思い切って「無茶振り」するようにしてから、定着率が上がりました
-逆に、インターンならではの難しさのようなものは感じましたか?
うーん、強いて言えばやっぱり学生さんなので、テストや就活・サークルの行事がある時期は休みができちゃうのはありますかね。複数人のインターン生がいれば気にならないですけど。 毎日インターン生がいるという状態を作るには、最低でも3人くらいの人数が必要になると思います。
あと最初は学生との距離感というか、「どの程度の仕事まで任せても大丈夫なんだろう?」という悩みはありました。意欲的とは言っても社会人経験はない子たちなので、あんまりハードな仕事を渡して潰してしまったら申し訳ないなと思っていたので。
-なるほど。そうすると最初は結構遠慮がちだったわけですか。
なにせ初めてなもので。恐る恐る接してました(笑)。最初は気を遣って簡単なデータ入力や表作成などお願いしてたんですけど、短期で辞めちゃう子もちょくちょくいたんですね。
そんな負荷かけてないのに不思議だなって思ってたんですけど、彼らに対して成長機会を提供できていなかったのが良くなかったんでしょうね。
つまり、簡単すぎて物足りないと。 その後、1人の学生に提携先の海外の学校担当者が来るから同席して議事録でも作ってみるかと聞いてみたら、即答でやると言ってくれたんです。 あ、こういうのが喜んでくれるんだと思って、それからは積極的に無茶振りするようにしています(笑)。
でも面白いことに、負荷のかかる業務を任せるようにあってからのほうが定着が良くなったんですよね。 アルバイト的な感覚で言えば決められた時間を簡単な仕事でやり過ごすほうが楽だと思うんですけど、こういうところは、長期インターンシップと学生アルバイトでは、良い意味で違いがありますよね。
彼らがお金稼ぎではなく実務経験を積みに来ているということを僕たち受け入れ側も再認識しなきゃと思いました。
-ありがとうございます。最後に、長期インターンシップ導入を検討されている企業様にアドバイスがあればお願いします。
社員採用で苦戦されている企業や、社員採用に拘っている企業ほど、一度長期インターン導入されてみることをおすすめします。
弊社も学生に仕事を任せる感覚ってこれまでは全然なかったんですが、長期インターンシップの導入によって、意外と社員にこだわらなくてもできる業務は、社内に多くあることに気づくことができました。
そして、その業務に興味のある学生は意外にも多いと。 また、インターン導入をしたことで、結果的にコストメリットも感じています。これまで社員に任せていた仕事を、時給1000円ちょっとのアルバイトと変わらない金額で、意欲ある学生が積極的に業務に取り組んでくれているため、この金額的インパクトは小さくないです。
それにさっきのインスタの例のように、学生ならではの新しい視点を吹き込んでくれることも大きなメリットだと思います。
「インターン」って聞くと、いろいろ受け入れの準備しなきゃとか、手間が増えるとか、敷居が高く感じるかもしれませんが、あまり身構えずにまずは話を聞かれてみると良いと思います。