- 社名:ココネ株式会社様
- 設立:2008年9月
- 従業員数:452名
- 学生インターン:11名
- 事業内容:ソーシャルエンターテイメントサービス、アプリ企画・開発・運営
- お話を伺った方:サービス分析室 佐藤 涼様
(2024/11月時点)
長期インターン導入という新たな可能性への挑戦ー課題解決への道
-まずはじめに事業内容を教えてください。
ココネ株式会社では、ソーシャルネットワーク事業を中心に、アバターやデジタルワールド関連のサービスを手がけています。具体的には、「ポケコロ」や「ポケコロツイン」、「リヴリーアイランド」といったアプリの開発・運営を行っています。これらのアプリは、お客様が自身を表現し、デジタル空間で楽しむことができる点が特徴です。
ココネグループはココネ株式会社のほか、国内は福岡、海外では韓国やアメリカ、エストニアなどにも法人や拠点を置き、グローバルな事業展開を進めています。グループ全体では約1,000名の従業員が働いており、そのうち約500人が東京で働いています。
-長期インターンシップを導入しようと考えたきっかけを教えてください。
当社では2024年から会社としてデータ分析に特に力を入れ始めたことが大きなきっかけです。お客様の行動データや利用傾向を分析することで、より満足度の高いイベントやサービスの提供が可能になるのですが、サービスの規模が大きくなるにつれ、取得できるデータ量も増加してきたことで、データ分析の重要性が一層高まってきました。
しかし、社員数が十分に増えない状況が続いており、リソース的にも非常に厳しい状態がありました。
そこで、まずは社員が担当している作業の一部をインターン生に任せることで、業務の効率化を図れないかと考え「ゼロワインターン」を経由して長期インターンの募集を開始しました。
‐実際の応募数や応募者の質については、満足されていますか?
はい、満足しています!応募者は理系の学生が多く、エンジニア系のスキルを学んでいる学生のほか、統計学やPythonなど、データ集計や抽出に関連する言語を学んでいる学生が多かった印象です。
当初は最大10名の採用を予定していましたが、12名採用し、現在11名が所属しています。
10名の枠が埋まった後も応募が続き、その中で「この方はぜひ採用したい」と思える学生がいたため、採用枠を少し広げる形になりました!
‐データ分析の重要性が増す中で、長期インターン生を採用することでリソースの課題に対応されたのですね。それにしても、予定以上の応募があり、優秀な学生が集まったというのは嬉しい結果です!
インターン生は貴社では、どのような役割を担っていますか?
そうですね。サービス分析室は、現在社員が8名おります。このメンバーに加えて、インターン生は11名なので、インターン生の方が人数的には多い状況です。
もし現在のインターン生が全員いなくなったら、業務が立ち行かなくなると思います。
今の仕事の体制はインターン生がいることを前提に成り立っていますので、彼らは分析室にとってなくてはならない存在です!
‐インターン生の人数も多く、頼もしい存在なんですね。では、学生には具体的にどのような仕事を任せていますか?
わたしたちのサービスでは、アプリ内でさまざまなイベントを企画・運営しています。たとえば、お客様がアイテムをたくさん獲得できるようなイベントや、楽しんでいただける仕掛けが多数あります。
インターン生には主にイベントの効果測定を任せました。
具体的には、開催されたイベントがどの程度お客様の満足につながり、効果があったのかを分析します。そして、イベントの改善点を探り、得られたデータを基にプランナーへフィードバックを行うといった業務がメインでした。
こうしたイベントの振り返り分析が、インターン生の重要な役割になっていました。
‐データ分析の仕事ということで、ある程度知識のある学生が多かったかと思いますが、社会人経験のない学生がほとんどだと思います。その中で、御社ならではのサポートや工夫について教えてください。
そうですね。今回、インターン生と一緒に仕事をするのは私自身初めての経験でしたので、手探りで進める部分がありました。
リソース不足を補うための即戦力としての採用が第一条件だったので、基礎スキルの習得を最初に重視しました。
たとえば、学生たちはこれまで教科書レベルのサンプルデータしか扱ったことがないケースが多いので、実際のお客様の行動データを扱うために必要なスキルを身につけてもらうようにしました。
具体的には、SQLを使ったデータ抽出の練習問題を用意し、実データを基にした問題集を作成しました。最初は簡単な問題からスタートし、徐々に難易度を上げていき、実務に近い内容を扱えるようにしました。
このプロセスを通じて、業務に馴染んでいけるように工夫しました。
‐その練習期間はどれくらい続けられたのですか?
練習問題は最初の2週間程度ですね。
その後は、社員が行っている実務の中でも簡単なタスクから始めてもらい、少しずつ難しい作業にも取り組んでもらいました。
もちろん、スキルレベルや成長スピードには個人差がありますので、インターン生一人ひとりに合わせて業務を割り振るようにしました。
スキルの高い学生には早い段階で難しいタスクを任せたり、逆に基礎を固める必要がある学生には簡単な業務から入ってもらったりと柔軟に対応しました。
‐学生のスキルレベルに応じたサポートをされてきたのですね。インターンを導入する上で難しかった点について教えてください。
インターン生は週2回や3回といったシフト制で勤務している場合が多いので、勤務日数や時間が異なる中で、それぞれに合った仕事を割り振るのが大変でした。
また、インターン生が作成したデータの品質を社員が確認する必要があり、特にインターン導入初期の数ヶ月は、そこに多くの時間を割かなければなりませんでした。
さらに、インターン制度をどのように効率よく進めたらよいか、最短ルートを見つけることも難しかったです。そこは試行錯誤しながら進めることで、徐々にスムーズに運用できるようになったと思います。
インターン選考の基準:お客様視点とコミュニケーション能力
‐インターン生を採用する際、どのようなポイントを重視していますか?
基本的なスキルはもちろん重要でしたが、私たちが提供しているのは単なるゲームではなく、お客様が自己表現を楽しめるアバターアプリです。
そのため、このジャンルに興味があるかどうかや、抵抗感がないかを確認しました。可愛らしいデザインのアイテムが多いので、そういったエンタメ領域への親しみがあるかを重視しましたね。
また、面接の前にココネのサービスを実際にダウンロードしてプレイしてもらい、その印象を聞くようにしていました。
「どんな印象を持ったか」といった質問を通じて、サービスに対する熱意や興味を見極めることができました。
‐確かに、事前にサービスを知ってもらうことで、事業への関心が明確になりますね。そのほかに、注目されているポイントはありますか?
学生にお任せするデータアナリストの仕事では、特にコミュニケーションスキルを重視しました。データ分析の結果を社内のプランナーや事業部長などに共有する場面が多いので、自分の意見を分かりやすく伝える力や、相手の質問を正確に理解する力が重要です。
そこで、自己紹介などを通じて、自分を表現できるかどうかを注視して面接を行っていましたね。
‐インターン生との関わり方や、仕事の教え方で気をつけていることがあれば教えてください。
学生ではありますが、組織の一員として迎え入れているので、社会人としての振る舞い方を自然と学べるような関わり方を心がけています。
たとえば、Slackでのメッセージのやり取りなど、気づいた点があれば「もう少しこうした方がいい」とその都度注意するようにしています。
インターン生が社会人になった際に困らないよう、今のうちに改善できる部分はしっかりと伝えるようにしていますね。
また、コミュニケーションはなるべく堅苦しくならないようにしています。雑談を挟みながら、信頼関係を築けるようなフランクな雰囲気を大事にしています。
たとえば、私が担当している「リヴリーアイランド」というアプリをインターン生も実際にダウンロードして遊んでいたりするので、「今日のガチャ引いた?」なんて会話をしたりしています。
仕事に関わる話題を交えつつ、こういった雑談を通じて信頼関係を築けるようなコミュニケーションをとるようにしています。
インターンがもたらす変革:組織に新たな価値を
-インターンシップ特有の魅力はどんなところだと感じますか?
インターン生の場合、最終的に入社してくれたら非常に嬉しいという期待があります。
また、最近ではデータ分析に関する最新の技術を学んで、非常に高度なスキルを持っている学生が増えていることも魅力だと感じています。
‐インターンシップ導入によって、社内にはどのような変化がありましたか?
新しいスキルを持ったインターン生が加わることで、新しい風が吹いたように感じています。
私たちが持っていない専門性を発揮してくれる学生も多く、分析室として提供できる価値がさらに高まったと感じています。
また、簡単な作業や私自身が抱えていた業務をインターン生に任せられるようになり、社員がより高度な分析業務に集中できるようになりました。
その結果、分析室全体が会社に与える影響力が増したと実感しています。
‐仕事を分担できることで、社員の方々が本来の業務に集中できるようになったのは、大きなメリットですね。
長期インターンを導入する前と後で、インターン生に対する印象は変わりましたか?
はい、非常に良い意味で印象が変わりました!
正直、インターン生がどのくらいできるのか、どれほどの熱量を持って業務に取り組んでくれるのか分からない部分がありました。
しかし、実際に一緒に仕事をしてみると、非常に高い熱意を持って取り組んでくれる学生が多くて驚きました。
本当に何名もの学生が、期待以上の熱量で業務に向き合ってくれていて、「良い意味で裏切られたな」と感じています。
‐最後に、長期インターンシップの導入を検討している企業様に向けてメッセージをお願いします。
これまでお話ししてきた内容のまとめになりますが、学生は今、非常に高度なスキルを学んでいることが多いです。私たちが持っていない知識や視点を持ち込んでくれることが多く、組織が持つ固定概念を打ち破るきっかけにもなります。
さらに、最新のトレンドや最先端の技術を学んでいる学生が多いため、分析など当社がインターン生に任せた業務においては、新しい風を吹き込む存在として非常に貴重です。
中途採用の方も素晴らしい経験をお持ちですが、前職で培ったスキルや経験に依存する部分がある場合もあります。
その点では、インターン生は最新の知識や技術を持っていることが多く、個々のスキルを活かすことで組織としてできることの幅を広げられることが大きなメリットです。
また、長期インターンの学生に、社員が抱えている業務を任せられることで負担が軽減され、社員がより高度な業務に集中できる点も大きなプラスです。ですから、わたしたちはインターン生は組織にとって価値ある存在だと感じています。