- 従業員数:30名
- インターン生数:8名
- 会社詳細:タクシー相乗りサービスや空港送迎・通勤スマートシャトルなど、リアルタイム・位置情報を活用したサービス開発を行う。
- CTO:細田 謙二 様
(2022/7時点)
「数理最適化」の即戦力採用に苦戦。試しでインターンを始めました
-まず最初に、簡単な会社紹介をお願いします。
当社は、リアルタイム・位置情報を活用したサービス開発を行っている会社です。
- ・タクシーで同じ方向に行きたい人同士を、スマホアプリを通してマッチングするタクシー相乗りサービス
- ・空港と自宅やホテルをドアツードアで繋ぐスマートシャトルサービス
等のサービスを運営しています。
現在、社員10名・インターン生5名・開発パートナー15名を含めた約30名で開発を行なっています。
-長期インターンシップ採用は、どのような経緯で始めましたか?
今から1年前、中途採用でエンジニアを募集していましたが、中々当社が求めている人材と出会えず、採用に苦戦している状況でした。
そのタイミングで、ゼロワンインターンさんから営業の連絡をいただき、長期インターンの話を聞いたのがきっかけです。
-そもそも、エンジニアの中途採用で苦戦していた原因は何だったのでしょうか。
当社が扱っているのは、「数理最適化」というニッチな領域です。
最近、競技プログラミングなどで注目され始めた分野ではありますが、機械学習や統計解析の領域と比べると、まだまだ認知度は高くありません。
数理最適化の即戦力人材となると、そもそも母集団が少なかったというのがあります。
-数理最適化の経験者が少ない中、なぜ実務経験すらないインターン生の採用にチャレンジしてみようと思ったのでしょうか?
当社では、タクシー相乗りサービスの運営にあたり、位置情報と絡めたアルゴリズム開発を行なっています。
アルゴリズムの精度を高めていくためには、様々なアルゴリズムモデルを試しで作って検証してみる必要があります。
しかし、そうした研究開発フェーズのタスクは、日常業務の中で緊急度は高くないため、どうしても後回しになってしまいがちです。
それまで学生採用の選択肢は全く無かったのですが、研究開発フェーズのタスクであれば学生にも任せられそうだし、良いのでないかと考えました。
とはいえ、最初は応募がくるかどうかも分からなかったため、正直、あまり期待せずにお試し感覚でインターン募集を開始してみました。
3ヶ月で応募者100名以上!どのような人材を採用できた?
-ゼロワンインターンでは、どのような採用条件で募集をかけましたか?
数理最適化・統計分析・機械学習に興味がある方で、かつプログラミング経験が1年以上あることを必須条件にしていました。
-実際に募集をしてみて、反応はいかがでしたか?
最初は応募がくるか半信半疑だったのですが、いざ募集をしてみたら3ヶ月で108名の方から応募がきました。
数理最適化に限らず、機械学習や統計解析の知識を実践で活かせる、という点が刺さっていたように思います。
予想以上の反応に私もびっくりしました。
-そこから何名を採用しましたか?採用したのは、どのような学生でしたか?
ほとんどの学生と面接をさせてもらい、そこからキラリと光るものがあった8名を採用しました。
採用者には、
- ・大学院で数理最適化の研究をしていて、「数理最適化がやりたくて仕方がない!」という方
- ・プログラミング経験は浅いけど、地域の交通改善に強い関心があった方
- ・自身のゲーム対戦相手を作りたかったから、独学で強化学習に取り組んでいる方
など、様々な方がいます。
個人的に、学生の技術力にそこまで差はないと思っているため、技術力というよりは、何か尖ったものがあるなと感じた方を採用しました。
インターン生の指導は、良い息抜きになっていました
-採用したインターン生には、どのような業務を任せましたか?
当初考えていた通り、タクシー相乗りサービスのアルゴリズムの研究開発を任せました。具体的なタスクは、その方の技術レベルに応じて割り振っていきました。
一例でいうと、地図データを用いて、相乗り希望のユーザー同士の最短距離を測定するアルゴリズムの開発などです。
この場合、大通りの方が車を停めやすいといった事情もあるため、各道路の大きさを測定して、傾斜をかけて計算するといったアルゴリズムを作ってもらいました。
-インターン生の存在は、サービスの成長にどのような影響がありましたか?
やはり日々の開発では、どうしても目の前の改善タスクを優先しなければならないため、本番で使えるかどうか分からないアルゴリズムの作成をエンジニア社員に任せるのは難しいという事情があります。
私自身「こんなアルゴリズムを試してみたらどうだろう」というアイデアは浮かぶのですが、自分で手を動かすとなると、腰が重くなってしまう。
その辺りをインターン生の力で前進させることできました。実際、彼らにお願いした研究開発がベースとなって、本採用されたアルゴリズムもありました。
インターン生の活躍は、間違いなくサービスの成長を後押ししてくれたと思います。
-CTOとして日々の開発業務もある中で、インターン生の育成を行うのは大変ではなかったですか?
あまり大変という感覚はなく、むしろ、個人的には良い息抜きになっていました。
それこそ、普段の開発メンバーへのコードレビューではミスが許されません。コードにダメ出しするのが私の仕事みたいな面がありますが、インターン生の指導は、そういうプレッシャーから解放されます。
日常の重々しいタスクから離れて、発想豊かにインターン生と一緒に研究開発に取り組めるため、純粋に楽しさの方が大きいですね。
-今後もインターン採用は続けていく予定ですか?
はい。実は、インターンで採用した8名中、2名が新卒社員として入社してくれることになりました。
数理最適化が好きでたまらないという方々で、向こうから当社に入りたいと言ってくれました。当社の研究開発に没頭できる環境が良かったみたいです。
元々、新卒採用を狙ってインターンを始めたわけではありませんでしたが、そうした新卒採用の文化が醸成されたこともインターン採用をして良かったことの1つです。
また、インターン生や新卒も増えてきたので技術勉強会も始めました。若手が育っていける環境を整備するきっかけになったのも良かったと思います。
こうした成果を受け、社内でも、今年はインターン生の採用枠を増やしていこうと話しています。これからも良い人材と出会えることを願っています。