- 従業員数:50名
- インターン生数:3名
- 事業内容:本社はアメリカ・ミシガン州。顧客満足度調査、市場調査に関するコンサルティングを手がける。
- Global Business Intelligence 部門 常務執行役員 梅澤 希一 様(写真右)
(2020/11時点)
日本支社で初めての長期インターン採用をスタート
-まず最初に、御社の事業内容を簡単に教えて頂けますか?
我々の主なビジネスは、顧客満足度に関する調査・コンサルティングです。
業界や商品・サービスの顧客満足度をランキング化した調査を行っており、その要因分析や課題への提言、コンサルティングを通じて企業の活動と顧客視点による事業改善をサポートしています。
例えると、我々が公表している顧客満足度のランキングは、大学入試の点数でいうと5科目の総合点を公表しています。
自分が2位で1位よりも英語の点数が低い、中でもリスニングの点数が低いといったことがわかれば、自分がより点数を伸ばしていくための具体的な改善ポイントが分かりますよね。
-そもそも御社が長期インターンを採用しようと思われたきっかけは何だったんでしょうか?
理由は大きく3つあります。1つ目は、インターン生にお願い出来そうな新商品候補の業界分析など公表情報ベースでのリサーチ系の業務が増えてきたこと。
2つ目が、昔と違って長期インターンという概念が日本の大学生の間で根付いてきたこと。
3つ目が、私自身が過去に長期インターンを経験して自分のキャリアアップに繋がったので、そうした機会を学生さんに与えてあげたいなと思ったことです。
-ゼロワンインターンはどういった経緯で導入されたんですか?
最初は手始めに私の大学時代に在籍していたサークルなど人脈を使って大学生を2名採用しました。それで社内でも大学生って意外と良いね、となって。
新たにインターンを採用していこうと考えていたのですが、優秀な大学生を採用していくためには、そうした学生さんを囲ってらっしゃる会社と上手くタイアップしていかなければならないですし、優秀な方に応募してもらえるような環境を作って行く必要があるなと思い、ゼロワンインターンさんを利用させていただきました。
-実際に利用してみていかがでしたか?
色々な知り合いの会社にゼロワンインターンさんを推奨していますよ。
理由としては、1つが応募数。毎月30名程度の応募があって、以前使ったインターン求人媒体とは桁が違うくらいの応募があったので、非常に頼もしかったということ。
2つ目がクオリティ。営業担当の方に提案して頂いた際も利用している学生が優秀だという話を色々なデータで見せていただいたのですが、面接をしていく中でそれが非常に実感ができたということ。
3つ目が求人原稿のサポート体制。どういったアングルで見せると学生に刺さるのか、客観的に見てうちの会社はどういうところが魅力的なのか、といった点を踏まえて「こういった求人原稿にしましょう」とアドバイスを頂けたことですね。
日銀、ゴールドマン・サックスの新卒トップクラスにも引けを取らない
-インターン生には具体的にどのような業務をしてもらっていますか?
大きく分けるとリサーチと翻訳業務です。
新しい商品・サービスの顧客満足度のランキングを作るにあたり、主要な会社はどこ?従業員規模は?売上高は?といった、ベーシックな情報を調べる作業が出てくるんですね。
新しい業界やサービスが生まれる中、そもそもこの業界は伸びそうか?何が業界のキーポイントなのか?ということを調べる必要があります。
中には、調べていった結果、その情報はあまり使えないということもあるため、実際には、世に出ている調査結果の裏でその何倍もの調査をしています。
それらを社員で全て抱えるのではなく、公表情報ベースでできる部分について一部をインターン生に任せてリサーチしてもらっています。
また、当社は本社がアメリカですので、日本だけではなく、アメリカ企業の顧客満足度調査も出しています。
昔は日本企業も日本国内だけを見ていれば良い時代もあったんですけど、どんどんグローバル化していくについれて、海外の成功事例を分析したいというニーズが出てきます。
例えば、証券業界では、各社さん対面からネット証券への移行だけじゃなく、もっと手軽なスマホ証券にいこうみたいな流れがあります。
日本のスマホ証券はアメリカに比べればまだ発展途上ですが、一方のアメリカではスマホ証券で有名なロビンフットという証券会社があります。
ロビンフットの取り組みを参考にしたい、という日本企業からの声が増えてくるんですね。
そこで、我々のアメリカ本社の顧客満足度調査のプレスリリースを翻訳して、日本語でリリースしたりする。そのような翻訳業務です。
-インターン生が入社してから半年以上経過しましたが、学生の働きぶりはいかがですか?
やはり向上心があって、レベルの高さに驚かされることは凄くありました。
私は昔日銀とかゴールドマン・サックスに在籍していましたが、そこの新卒のトップクラスより凄いなと思える瞬間もありました。
具体的に1つ例を紹介すると、アメリカのプレスリリースを翻訳してくださいと言う仕事をお願いした時の話なのですが、アメリカのプレスリリース文って文学的な表現を使っている人が割といて、直接的には翻訳しにくい文言があるんですね。
その子に翻訳をお願いしたリリースの中に「Coffee for closure」という文言がありました。
単語としては、コーヒーと、クロージャはクローズの名詞だと分かるんですけど、じゃあ「Coffee for closure」って何?と言われても私も意味が分かりません。
驚いたのが、その子は「Coffee for closureの意味が分かりません。」と私に質問に来るのではなくて、事前に調べて、
「Coffee for closureという文言があって、直接的な意味が分かりませんが、この言葉は1990年代のアメリカの映画で使われたセリフで、営業部長が売れない営業に対して『ここにある無料のコーヒーを飲んでいいのはclosure、つまり契約を取って来た奴だけだ』と皮肉として使った言葉でして、プレスリリースの文脈ではこのような意味で使っていると思うのですがどうでしょうか。」
と初稿で持ってきたんです。その時にはビックリしました。
私に言われて調べてくるならまだ分かるんですけど、何も言われずに自分でそこまで仕上げてきたレベルの高さには驚かされましたね。
-そういう姿勢で仕事に取り組んでくれると成長スピードも早そうですね。
本当にそうですね。初めはもちろん学生なので出来ないこととか分からないことは多いですけど、事前に聞かれるだろうということを先回りして考えて、自分なりの答えを持つ意識を持っているので吸収力は物凄く早いです。
中には、インターンで入社してすぐにコロナでリモートワークになった子もいましたが、向上心があるのでリモートでもしっかり学びを得て、半年経った今ではこっちがびっくりする位のレベルになっている子もいますよ。
英語力・論理的思考力・積極性の3つが評価の軸
-優秀な学生を採用するために、選考ではどういった点を見ていましたか?
書類選考として面接前に「大学時代に力を入れたこと」「なぜこのインターンをやりたいのか」「なぜ自分が最もこのインターンに適しているのか」の3つを質問して、そこである程度ふるいにかけました。
選考の評価軸としては3つあります。
1つは、英語。我々は外資系でアメリカ企業の満足度調査結果の翻訳などもしてもらうので、帰国子女か留学経験がある、または同程度の英語力を持っているというところ。
2つ目は論理的な物の考え方、論理的な思考能力が高いかと言うところ。
3つ目は、インターンの機会を学びに変えていこうと言う積極的な姿勢があるか、というところ。
主にの3つを軸で選びました。
ゼロワンインターンさんは良い学生さんをたくさんプールしてらっしゃいますが、やはりその中でもトップ層の子を取って行く必要があるので、選考は上手くやらないといけないなと思いました。
書類選考で一次審査をして、面接に進むのが全体応募者の3割くらいでした。
-面接ではどういった点を見極めていましたか?
基本的にこれまでやってきたクラブ活動や勉強などの経験の中で、どういうことを考えて取り組んできたのかということを聞きました。
そのやりとりで、論理的な思考能力、ロジカルに物事を考えて伝えられるかということと、PDCAサイクルを回す力を持っているのか、ということをチェックします。
あとは、事前リサーチです。全く会社のことをWEBでリサーチしてこない子は不採用にしました。リサーチ業務を任せる上で、事前準備は重要ですからね。
採用した子は、会社のことに加えて、私のインタビュー記事などもチェックしてくれていました。
インターン生の仕事ぶりが現場社員にも良い刺激になっている
-実際にインターン生を受け入れてみて、何か社内に変化はありましたか?
アメリカ本社では長期インターンを行なっていたのですが、日本では全くやっていなかったため、長期インターンを導入する際も社内で「前例がない」など色々と議論がありました。
日本の多くの会社は長期インターンを雇ったことがなくて、インターンというと、1日の会社説明会だったり、長くても1週間というものほとんどだと思います。
当社も長期インターンという文化が根付いてたわけではないので、実際にどれだけワークするんだろうとか、知らないことに対しての現場社員の恐れはあったと思います。ですが、実際に働く機会を持った社員がインターン生のアウトプットや働く姿勢をみて、学生でもこんなにちゃんと出来るんだ!という認識に変わっていきました。
-現場社員の方々にとっても学生がいることで助かっている部分はあるのでしょうか?
はい。今は社員が抱えてる課題や業務を私の方で引き取って、それを学生にお願いするという形をとっているので、間接的にインターンの恩恵を受けています。
インターンでもこんなアウトプットが出てくるんだ、ということが分かると全体的にも良い影響を及ぼしてくれていて、社員たちも自分たちも負けてられないなという良い意味での刺激になっていると思いますよ。