- 社名:株式会社Lit Ship様
- 設立:2021年1月18日
- 従業員数:86名
- 学生インターン:66名
- 事業内容:モバイル商材の催事営業・Amazonを活用した越境EC事業
- お話を伺った方:宗和 様
(2025/6月時点)
学生が事業を創る!Lit Shipのインターン戦略
– 御社の事業内容を教えてください
弊社は、モバイル商材に限らず商業施設・展示会場などのリアルな場で、“人の手でしか伝えられない価値”を直接届けるセールスプロモーションを展開しています。特に、ショッピングモールなどのイベントスペースを活用した催事営業が主力です。ここには学生インターンも積極的に参画しており、 営業未経験の学生でも段階的に成長できるカリキュラムを整え、最終的にはリーダーとしてチームを牽引し、数字と向き合い、組織を動かす経験まで積める環境を用意しています。
– インターン制度が始まった経緯を教えてください
もともと創業メンバーが全員、中央大学の同級生なんです。大学時代から“いつか一緒に仕事ができたらいいね”という話をしていて、それぞれが社会人を経験したあと、再び集まってLit Shipを立ち上げました。
当初から“学生の力を借りて会社を大きくしていこう”という構想はあったんですが、最初はアルバイトという形で学生と関わっていました。正直なところ、当時の僕たちがインターンシップという概念をあまり認識していなくて。そんな中、ある上智大学の学生が『ここまで任せてもらえるなら、インターンとしてやらないんですか?』と言ってくれたんです。
その一言がきっかけになって、インターン制度としての枠組みを整え始めました。今では、学生が主体的に動く組織ができあがり、彼らの存在が会社の成長に欠かせないものになっています。
– アルバイトとインターンの違いは、どんなところだと思いますか?
一番の違いは、やはり「目的意識の深さ」にあると思います。アルバイトは多くの場合、生活費や学費を稼ぐといった「目の前の必要」が出発点ですが、インターン生には“成長したい”“将来に向けて力をつけたい”という、自ら未来を切り拓くための意思がある。その違いが、半年、1年と経つにつれて、目に見える大きな差になっていきます。
Lit Shipでは ”楽しみなはれ” という理念を掲げていて、これは“働くことを楽しもう”という軽いスローガンではなく、挑戦の先にある「自分の人生を選ぶ力」を育てようという想いが込められています。インターン生には、将来どんな人生を歩みたいか、どんな働き方をしたいかといったところまで問いかけながら、一緒に考えていくようにしています。
だから、働くことが目的じゃなくて、手段として位置づけられていて、その先にある人生や夢に向かってチャレンジしてる子が多いんです。そういう姿勢って、見ているこちらも刺激を受けますし、彼らの吸収力や成長スピードにも驚かされますね。
僕たち自身の実体験としても強く思っているのは、「将来的に誰かに選ばれる人材になること以上に、“自分がどこで、誰と、何をするかを選べる人材になること”の方が圧倒的に価値がある」ということです。
その選択ができるようになるには、技術や知識だけでなく、成功も失敗も自分の責任で経験できる本番の実践機会と、問い続ける習慣、そして仲間との対話が不可欠です。
だからこそ私たちは、インターン生に対しても「どんな人生を送りたい?」「そのために今、何を選ぶ?」と問い続けています。
そうやって自分と向き合い続けた学生は、単なる就職先ではなく、“自分の人生をどう設計するか”という視点でキャリアを選び取れるようになる。
人生を楽しむって、表面的なことじゃないと思うんです。自分の意思で道(【好きなやつと】×【好きなこと】)を選ぶことこそが、人生を楽しむための本質なんじゃないかと、僕たちは信じています。
– ゼロワンインターンを通じた採用の効果はどうですか?
2ヶ月で100件以上の応募が来ました。ありがたい悲鳴ですね。とにかく忙しいです!
– 現在、学生インターンの方はどのように活躍していますか?
今は66名の学生インターンが在籍していて、それぞれがプロ意識を持って業務に取り組んでいます。営業未経験で入ってきた学生も、しっかりと成果を出せるようになっていきます。
その成長過程を支えるために、「マイメンター制度」を導入しています。これは、社内でプロレベルと認められた先輩社員がメンターとして付き、初めての営業現場に同行したり、心理的なフォローも含めて丁寧に支えていく仕組みです。
面白いのは、誰にメンターになってもらうかを学生自身が選べる点です。自己紹介動画を見たうえで、この人に学びたい!と思う先輩を指名するので、「自分が選んだ先輩だから頑張ろう」という気持ちが自然と湧いてくる。逆に選ばれた側も、それがモチベーションになっていると思います。
今では、学生チームが自律的に動いていて、1人のリーダーのもとに約20人のメンバーが所属する体制をとっています。採用や教育まで学生主体で運営していて、まさに会社の中核を担ってくれている存在です。
– インターンの方がチーム運営まで担っているんですね!
そうなんです。リーダーになった学生がメンバーをまとめて、日々の目標管理や業務のフォローを行っています。もちろん最初から完璧にできるわけではないですが、自分が経験してきたことをもとに、後輩を育てていくスタイルなので、自然と成長していきます。
チーム内でも、さらに小グループを分けて、それぞれに役割を持たせたりもしていて、仕組みづくりにも学生のアイデアが反映されているんですよ。僕たち役員は基本的に“横串”の立場でサポートするだけで、現場の意思決定や改善は、学生たち自身の手でどんどん進んでいっています。
採用まで任せていたこともあり、中には就職せずに起業する子もいます。そのまま弊社に入社してくれた学生もこれまでに7人ほどいて、いったん他社に就職した後に、「やっぱりLit Shipで働きたい」と戻ってきてくれたケースも3人ほどあります。
– 社会に出た後に、再び仲間として戻ってきてくれる理由は何だと思いますか?
Lit Shipでは、インターン時代から「人生の目的」や「自分の欲しいものは本当に今の延長線上で手に入るのか?」といった深い問いかけを学生にしています。また、「仲間と働くことの楽しさ」や「人生の時間を誰と過ごすかが重要」という価値観も常に伝えてきました。こうした理念に共感した元インターン生たちは、社会人になった後もつながりを保ち、時には再びLit Shipに戻ってくる—そんな関係性が築かれているんだと思います。
– 学生との関わりで大切にしていることはなんですか?
一言で言えば「愛」ですね。つまりどれだけ本気で「時間を共有できたか」だと考えています。学生は、大人以上に将来に悩み、真剣に考えています。だからこそ、私たちも覚悟を持って向き合い、一緒に悩み、考え、過ごすことで信頼関係を築いてきました。
その姿勢は採用の段階から反映されていて、面接にも時間をかけています。まず30分のオンライン面談で基本的な意思確認を行い、その後1時間の代表面談で将来の目標や価値観を深く掘り下げます。合計2時間近くかけて、学生と企業の相互理解を重視しています。
– 学生インターンと働くうえで、意識していることや工夫している点はありますか?
業務面では、学生であることを理由に任せる内容を変えることはありません。弊社ではインターンを社会人と同様に扱い、同じスタンスで実務を任せています。
ただ、学生特有の事情として、学業や就職活動との両立があります。そのためスケジュールの柔軟な調整や個別対応は欠かせませんね。また、価値観の違いや人間関係の構築も意識的に支援しています。時間をかけて丁寧に対話を重ねることで、チームとしての信頼関係を構築しています。
– 今後の展望を教えてください。
今後は、インターン卒業生とのつながりをさらに強化していきたいと考えています。今もすでに、OBたちが気軽にオフィスに顔を出してくれたり、近況を報告しに来てくれたりしていますが、これをもっと仕組みとして整えていきたいんです。
具体的には、OBが集まれるプラットフォームをつくって、業界を超えたコラボレーションが生まれるような場にしたい。それぞれが違う経験を積んで、またLit Shipに戻ってきたり、一緒に何か新しい事業を始めたり—そんな未来を描いています。
僕たちは、学生と「期間限定の関係」を築いているつもりはないんですよね。一緒に時間を過ごして、本気でぶつかってきてくれた仲間とは、社会に出てもまたつながっていたい。そう思える関係性を、これからも大切に育てていきたいと思っています。
– 最後に、インターン導入を検討する企業へのメッセージをお願いします。
インターンって、人が変わる瞬間に立ち会える面白さがあるんです。学生って本当に変わりますから。彼らが短期間で驚くほど成長していく姿を間近で見られるのは、企業にとって非常に貴重な経験だと思います。
また、その関係性が、将来的な採用につながったり、新規事業の立ち上げや社内カルチャーの活性化など、組織全体に良い影響を及ぼすケースも多くあります。学生時代という限られた時間に本気で向き合えば、卒業後も「またここで働きたい」と思ってもらえる関係性を築くことができると感じています。
実際に弊社でも、卒業後に再び戻ってきてくれたメンバーが何人もいますし、そういった人材は即戦力にとどまらず、組織の価値観を体現し、後輩の育成や社内の文化づくりにも自然と関わってくれる存在になってくれています。
中長期的に見れば、インターンは極めて合理的な人材投資だと思います。企業の未来を共につくる仲間と出会うための選択肢として、インターン導入は非常に有効ですね。
迷っている方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。未来の仲間との出会いが、きっと新たな成長のきっかけになるはずです。