• 社名：税理士法人ともに様
• 設立：2018年6月1日
• 従業員数：50名
• 学生インターン：20名
• 事業内容：相続税申告とその他税務業務
• お話を伺った方：代表社員税理士　入江 康二様

(2024/6月時点)

インターン生は大切な戦力！採用時にミスマッチをなくすために

-まずはじめに事業内容を教えてください。

税理士法人ともには、相続税を中心とした税務業務を専門に取り扱っています。豊富な経験を持つ税理士が、相続手続きから相続税申告代行まで、一貫して高品質なサービスを提供しています。顧客の心情に寄り添いながら、効率的かつ正確な対応を心がけています。オーダーメイドの税務サービスを通じて、年間500件以上の相続税申告等に対応しています。

‐現在インターン生は何人いますか？

約20名のインターン生が在籍しています。彼らは税理士のアシスタントとして大変重要な役割を担っています。

‐事務所の約半分がインターン生なのですね！税理士業界は人手不足ともいわれていますが、インターン生はその問題解決に一役買えそうですか？

そうですね、欠かせない存在です。わたしたちは、インターン生を戦力としてみています。実際にわたしたちの事務所ではインターン生が幅広い業務を担っていて、そのおかげで社員一人ひとりの負担が軽減されています。例えば、通常の税理士事務所では業務の90％を税理士自身が行うのだとしたら、弊社は60％をインターン生や他のスタッフが担当しています 。

-インターン生に多くの仕事を任せているのですね。具体的にはどんな仕事を任せましたか？

最初は簡単な事務作業から始めてもらいますが、徐々に書類の作成やお客様対応など、重要な業務も任せます。

‐やはり簿記などの資格を持っている学生のほうが働きやすいでしょうか？

どちらかというと、あまりそういう認識はありませんね。仕事は作業の連続であり、簿記などの資格があった方がもちろんいいのですが、それは覚えてしまえばあまり関係ないことです。それよりも、書類の中から正確に読み解く能力や、慎重に処理する力の方が重要です。伸びしろがありそうな人を積極的に採用しています。

‐そのほかにインターン生の採用にあたって気を付けたことはありますか？

採用にあたり、最も気を付けたのは、インターン生が責任感を持って仕事に取り組む姿勢を持っているかどうかを見極めることです。インターン生には責任ある仕事を任せるため、そのことを採用段階で明確に伝えました。具体的には、「責任のある仕事をやってもらいますよ」「大変ですよ」「戦力として考えています」ということをしっかりと説明し、ミスマッチを防ぐために、学生がその考え方に共感できるかを確認するようにしました。

-想定していた学生を採用できましたか？

そうですね。入社後の育成も重要だと思っているのですが、基本的には伸びしろがありそうな学生を最初から集めているので、年々良い方を採用できています。

案件を丸ごと任せます⁉試行錯誤から生まれた育成方針

‐逆に、長期インターンシップを導入するにあたって難しかったことはありますか？

長期インターンシップを導入してから４年目になりますが、インターンを導入した当初は、非常に苦労しました。多くの社員が「本当に大学生にできるのか」という先入観を持っていましたから。実際に学生が業務に就いてからも全然うまくいかず、最初の二年目くらいまでは特に苦労しました。

‐そうだったのですね。それには、どのように対処されてきたのですか？

試行錯誤の連続でした。インターン生の成長を長期的な視点で見て、受け入れ体制の改善を図ることで、徐々に良くなってきました​。

‐どのように受け入れ体制の改善をされたのですか？

先ほどお話したように、一つは、採用の段階で「責任ある仕事を任せる」「大変な仕事だ」ということを明確に伝え、その仕事が彼らの成長に繋がることを理解してもらうようにしたことです​。

そして、もう一つは、「大学生が本当にできるのか」という不安や、「学生だからこれぐらいの仕事しかできないだろう」といった偏見をなくし、ある程度難しい仕事を任せることです。弊社では、入社後すぐに実務に取り組んでもらい、実際の業務を通じて学んでもらう形をとっています。インターンシップに参加できる期間は決まっているのですから、その間に着実に成長してもらうためには、一刻も早く実務に取り組み、慣れてもらうのが一番だと考えました。案件を一件丸ごとお任せすることもあります。

‐それは大変やりがいのある業務ですね！実際に仕事を任せてみていかがでしたか？

インターン生たちも、責任ある仕事を厳しいながらも頑張ってやっていくと、自分自身で成長を実感できますし、仕事も楽しくなる。わたしたちも「このレベルの仕事ができるなら、あれもお願いしよう」という風にどんどん依頼する仕事の幅が広がっていきます。それは直接給与にも反映されますし、インターン生たちのやる気にもつながり、より成長してくれます。わたしたちの業務効率も上がります。

‐責任ある仕事を任せることで良い育成フローができたのですね。そうした難しい業務を任せるときは、インターン生にどのように関わりましたか？

わからないことがあれば、すぐ聞くのではなく、まずは15分間考えてから質問するように指導しています。そうすることで、自己解決力も身につけてもらいます。

‐なるほど。業務にしっかり向き合うよう考える時間を与えるのですね。長期インターン生の仕事ぶりはどうですか？

想像以上に高いクオリティの仕事をやってくれます。本当に良く働いてくれています。若いから、吸収力と柔軟性があるんでしょうね。

長期インターンシップ導入で生まれた変化と新たな絆

‐長期インターンシップを導入したことで御社に変化はありましたか？

はい、大きな変化がありました。初めは社員がインターン生に業務を任せることに対して不安を抱えていたので、無理なんじゃないかと思っている業務を敢えて任せていって、「ほら、できるでしょう？」というように時間をかけて、社員に見せていきました。インターン生の成長を見守りながら、次第に社員にもポジティブな変化が見られるようになりました。

インターン生が戦力として機能することで、事務所全体のオペレーション力が向上し、結果として企業の成長にも繋がっています​。税理士は、仕事の特性上、仕事を抱え込みたくなるのですが、それをわたしたちは、インターン生に業務をうまく任せて効率よくやろうとしています。

‐長期インターンシップを導入されてきて、今後の展望はありますか？

これはちょっと夢なんですけど、今年の卒業生は四期生になります。インターン生とは一期目からずっと良い関係を築いていて、今でもみんな連絡を取り合っているんです。去年の卒業生には、インターンシップの先輩たちを集めて同窓会を開くように頼みました。

卒業生たちは精神力があり、人生に対してしっかりとした考え方を持つ人たちばかりです。そんな彼らが集まれば、二、三年後にはすごく面白いことになるんじゃないかと期待しています。仕事をしている間は戦力として見ていますが、卒業して社会人になった彼らが一つのコミュニティとして集まり、いろんな仕事をしながら情報共有できる場ができれば、素晴らしいと思っています。来年かもしれないし、五年後かもしれないけれど、そんな集まりができたら感動しますね。

‐インターン卒業生との素敵な関係が続いているんですね！インターン生の同窓会、実現するといいですね！最後に長期インターンシップの導入を考えている企業様にメッセージをお願いします。

インターンの導入当初は相当な時間と手間がかかり、簡単なことではありませんでしたが、長い目で見れば非常に有益です。適切なサポートとフィードバックを行って、責任を持たせることで、学生が大きく成長してくれます。また、わたしたちも新しい視点やエネルギーを得ることができるので、弊社は今後もインターン生の受け入れを続けていく予定です。