- 社名:ZEIN株式会社
- 設立:2017年11月
- 従業員数:89名
- 学生インターン:6名
- 事業内容:経営コンサルティング(戦略・業務・DX/IT)
- お話を伺った方:取締役 長田 瞬様
(2023/6月時点)
学生の視点を取り込んで新卒採用を最適化!そんな思いから始まったインターン生の採用
-長期インターンを採用しようと考えた背景を教えてください。
コンサルティング事業は「人材」が根幹です。お客様へサービスを提供する「人=コンサルタント」こそが、経営資源の柱となっています。
しかし中途採用市場において、私たちのような創業間もないベンチャーコンサルが「優秀な人材」を確保することは非常に難易度が高く、なにか手立てが必要な状況でした。どうしても会社の知名度が応募人数を大きく左右してしまう業界だからです。
その時私たちが出した答えは、「新卒採用に力を入れる」。しかし、いざ新卒採用をやろうとした際、今の学生たちがどのような基準で会社を選んでいるのかが想像の域を出ず、効果的な新卒採用を行うことが難しいということに気付きました。
そこで学生視点を取り入れるために、学生という当事者であるインターン生を採用してみようと考えたのがきっかけです。
-インターン生の業務が「新卒採用の広報」というのはめずらしいですね。
私たちのような現役の経営コンサルタントが広報をやろうとすると、学生に向けての記事であっても、専門用語を多用してしまったりと非常に難しい文章を作ってしまいがちでして、、、それが学生側の視点に立ってみると、分かりづらく伝わりづらい文章なのではないかと思っています。
業務内容も学生にとっては想像しづらい+難しい+固いイメージだと思うので、その辺りのイメージを払拭したり、効果的な採用活動を行うためにはインターン生を活用するのが最適だと考えました。
具体的には、就活している学生に向けて、主に就職メディアやSNSを通じて学生目線の発信をして頂くイメージです。学生の視点を取り入れることによって、効率的に新卒採用を行っていくことを目的としていた次第です。
私たちの「当たり前」が、実は一番学生たちが気になるポイントだった
-インターンは、どのような形で業務に携わっているのでしょうか。
毎年6月頃に始動する来年卒業予定の学生に向けた「新卒採用プロジェクト」を運営してもらっています。
プロジェクトは3チームに分かれていて、
・ビジネス系投稿サイトを活用した広報活動
業務内容や社員、就活生への有用な情報など記事制作の企画〜リリースを管理
・Twitterを中心とした企業情報の告知
プレスリリースや記事の公開お知らせなど、会社のブランディング業務における発信
・イベントの企画運営
就活活動中の学生に向けたミートアップイベントやオンライン会社説明会の企画~運営、ファシリテーションなど
をお任せしています。私達から大枠の企画を投げかけたり、最終チェックをしたりはしていますが、それ以外の部分に関しては全てインターン生中心で運営をしています。
裁量をもって仕事をして頂いた方が学生の潜在的な能力も引き出せますし、学生側もPDCAサイクルを自分が主体となって何回も経験することによって、真の社会経験が得られるのではないかと考えているからです。
-インターン生が社内で活動するようになって社内の変化はありましたか。
インターン生を採用したばかりの頃は、学生が職場にいることに違和感を持っていた社員もいたかもしれません。ただ学生たちが作る広報記事の社員インタビューや、毎年恒例のクリスマスパーティーなど、インターン生と社員が触れ合う回数を重ねたことで、存在も認知され、社内の雰囲気が活気づいてきました。
インターン生の期間を通じて、コンサルの仕事に興味を持ち、この業界に入社した学生もいます。また弊社でも、私たちのカルチャーや「人」に惹かれ入社してくれた学生が4名います。(1名は2024年4月入社)インターン経由の新卒採用を最初から意図していたわけではありませんでしたが、一緒に働きたいと思ってくれたことは非常に嬉しく思っています。
また最近では、インターン生の応募に女性の学生が増えました。会社でも女性コンサルタントを増やしていこうという方針だったので、広報活動が学生に認知され、応募総数も非常に増えていることが起因しているのではないかと考えています。
-インターン生を活用してみて感じた、メリットやデメリットを教えてください。
学生視点の発信ができることが一番のメリットだと思っています。
私たちからすると当たり前で、わざわざ発信するようなことではないと感じる内容でも、実は学生さんからしてみると非常に刺さる内容だったり、反響が良い記事になったりしています。業界に長くいると見えなくなってしまう部分を、学生が掘り起こしてくれているような感覚です。
デメリットとしては、やはりどうしても学生の入れ替わり、代替わりが起きてしまうことですね。ただ最近ではこの点を解消するために「後輩を育成すること」も1つの業務として依頼しています。
長く勤めたインターン生が卒業する前に、「インターンシップで得た知見」をしっかりと後輩に引き継いで頂くことで、この課題も解消していけるのではないかと考えています。
今後は広報だけではなく、エンジニア職の採用も!
-インターン生を採用する際やインターン生と関わる時に心がけていることを教えてください。
採用については「素直さ」ですね。長期インターンで成長したい気持ちをしっかり言語化できていると尚良い印象になります。
接し方としては「学生扱いしない」ことです。社員と同じ仕事のクオリティーやコミュニケーション、振る舞いを求めています。在籍する限りは同じ会社の人ですからね。
細かいことですが、パワーポイントで作成した書類のオブジェクトやフォントが不統一なども指摘しています(笑)
学生にとってみても、私たちが学生扱いしてしまうことで、真の社会経験が得られなくなってしまうのではないかと考えているからです。
もちろん自社の規範を示した上で、役員との1on1などではフォローするようにしています。
-今後のインターン生における展望を教えてください。
今までは主に広報業務を担当して頂くインターン生を募集していましたが、今後は自社開発しているプロダクトなどのエンジニア職も採用していく可能性もあります。
よりインターン生が活躍できる機会を増やしていくことで、弊社も益々飛躍していけるのではないかと考えています。
-最後に長期インターン採用を考えている企業様へのメッセージをお願いします。
インターン生は驚くべきスピードで成長します。入ったばかりの頃は「大丈夫かな?」と思っていた学生も、3ヵ月、半年経ってみると見違えるくらい成長しています。
また、社内では当たり前だったことを、魅力として発見してもらえたりもします。フレッシュさや活発さをもたらしてくれることもインターン生を活用するメリットです。
まずは単純に「企業と学生の接点を増やす」という取り組みとして、インターン生の採用を行ってみてはいかがでしょうか?
企業側は学生をただの労働力としてではなく「自社をプレゼンテーションしながら経験やスキルを身に付けてもらう機会」と捉えることで、インターン生の活用を成功させることが出来るのではないかと考えています。