• 従業員数:11〜30名
  • 業種:IT・インターネット 
  • 職種:マーケティング・広報 
  • 企業負担が軽減!株式会社LATRICOが実現した『インターン育成の仕組化』の成功事例とは

    株式会社LATRICO

    2024.11.11

    • 社名:株式会社LATRICO様
    • 設立:2020年9月1日
    • 従業員数:30名
    • 学生インターン:19名
    • 事業内容:オンライン診療プラットフォーム「東京美肌堂」の運営
    • お話を伺った方:マーケティング部ブランディングチーム 鈴木佳美

    (2024/10月時点)

    インターン生の成長をサポートするフィードバックの秘訣とは

    -まずはじめに事業内容を教えてください。

    株式会社LATRICOは、ヘルスケア領域のスタートアップ企業で、オンライン診療のプラットフォームを開発・運営しています。主力事業の「東京美肌堂」では、医師によるスキンケア相談、患者様の必要に応じた医薬品の処方が可能で、アフターフォローまでオンラインで完結する仕組みを整えています。

    ‐現在、学生インターンは何人いますか?

    全体で20名ほど在籍しています。そのうち、マーケティング部のブランティングチームでは15名、広告運用のチームで2名、あとCRMの部署に2名おります。

    ‐多くのインターン生がいらっしゃるのですね。導入のきっかけについて教えていただけますか?

    もともとはブランディングチームでSNS運用や記事作成などの業務が増え、コンテンツ制作の人手が足りない状況でした。こうした背景から、インターン生と一緒に業務に取り組むことで、チーム全体のパフォーマンスを上げようと考えたのがきっかけです。

    ‐インターンの学生にはどんな仕事を任せましたか?

    わたしの在籍するマーケティング部のブランティングチームのSNS運用やWebメディアの記事作成を担当してもらっています。継続的に成果を残せる制作業務を任せていて、記事やコンテンツの改善も担ってもらっています。

    ‐インターン生には、どのように仕事を教えましたか?

    最初は一人ひとりに個別でフィードバックをしていましたが、特定の学生にしか伝わらず時間もかかりました。

    そこで、一対一だけでなく、全体に向けたフィードバックも取り入れるようにしました。一度行ったフィードバックはテキスト化して全員で共有できるようにしています。同じ内容を繰り返し説明する必要がないので、新しく入ったインターン生もスムーズに業務に馴染めるようになりました。

    また、フィードバックをもとにワークフローを整え、迷ったときにはそれを参考にできるようにしています。1on1のコミュニケーションも重要ですが、そればかりに偏ると社員の負担が増え、非効率的になってしまいます。そのため、フィードバックやワークフローを仕組み化することに注力しました。

    ‐テキストでの共有と対面でのコミュニケーションは、どのように使い分けていますか?

    日常のフィードバックや指導については、まず蓄積されたテキストを活用し、作業の定型化を進めています。

    基本的には80点のものをつくるまでの「0→8」の段階は、効率よく定型化し、インターン生が主体的に進められるようにしています。その上で、最終段階の「8→10」、つまり100点に仕上げるためには、対面で話し合いながら重要なポイントや改善点を確認しています。

    このように使い分けることで、社員の負担を減らしつつ、インターン生も効率よく学べる環境を整えています。

     

    長期インターンシップ導入の課題と解決策

    ‐長期インターンを導入してみて難しかったことはありますか?

    シフトに入った際に、同じ気持ちや目線で仕事に取り組めるようにするのが課題でした。各自の役割を平準化して、全員が同じレベルで貢献できるようにするプロセスが必要でした。

    ‐その課題を解消するまで、どのくらいの期間がかかりましたか?

    インターン生の入社時期がバラバラだったので、慣れるまでには少し時間がかかりました。

    全体が揃って安定するまでには、大体3ヶ月から半年弱くらいでした。その期間を経て、今では全員がうまく目線を合わせて、スムーズに業務をこなせるようになったと感じています。

    ‐個々の慣れ具合と入社時期の違いを考慮して調整するのが重要なプロセスだったんですね。仕事の任せ方について、工夫した点はありましたか?

    そうですね。わたしはインターン生と仕事をしてちょうど1年くらいなのですが、「ふわっとした形」で業務を任せてしまうと、思ったような成果に結びつかないことがありました。

    例えば、「この案件のアイデアを考えておいて」と依頼した場合、アイデア自体は出てくるんですが、それが点で考えたものに留まり、ストーリー性のあるものにはなりにくかったんです。経験の少ない学生には、そのような仕事の依頼の仕方では難しかったですね。

    ‐それにはどのように対処されたのですか?

    「この仕事は何のために行うのか」という目的や、その学生に求める役割を明確に伝えるようにしました。

    また、業務の範囲をあらかじめ決めて、その上でアイデアやコンテンツの質を高めてもらうようにお願いするようにしたんです。そうすることで、学生も方向性を掴みやすくなり、期待通りの成果を出せるようになりました。

    ‐目的を明確にすることで、成果につながりやすくなったんですね。

     

    成長し自走するようになったインターン生

    ‐インターン生とは、どのようにコミュニケーションを取っていますか?

    そうですね。私たちはインターン生を「雇う」というより、一緒に働く「チームメンバー」として捉えています。同じ目線で仕事を進めるようにしています。最終的なチェックは社員が担当しますが、実際の制作業務はインターン生に任せています。

    そのため、役割の違いはありますが、「チーム」という目線でコミュニケーションをしっかり取るよう心がけてきました。

    ‐コミュニケーションの取り方で特に工夫したことや気をつけている点はありますか?

    自分でどんどん進められる学生もいれば、最初はサポートが必要な学生もいます。ですから、こちらから積極的に声をかける必要がある場合もあります。インターン生に任せる仕事はコンテンツ制作が主な業務なので、アウトプットへのフィードバックは重要です。

    成果が良い時は褒めますが、「もう少しこうしてほしい」という時は、単に「ダメ」と言うのではなく、「なぜその方向が良いのか」という理由を伝えるよう心がけています。

    ‐具体的な理由を伝えることで、インターン生の姿勢に変化は感じましたか?

    理由を一緒に考えると、インターン生も「なぜこれが良いのか?」という視点を持てるようになります。

    例えば、「複数の競合他社で比較した結果この方法が評価されていたから」といった根拠を基に提案してくれるようになりました。以前よりも、自分の意見に裏付けを持って発言するようになったのを感じます。インターン生がただアイデアを出すだけでなく、根拠を持って意見を伝えるようになったのは、非常に頼もしく感じます。

    ‐インターン生から影響を受けたと感じることはありますか?

    そうですね。自分一人で考えていると、どうしても自分の視点の中でしかアイデアが浮かばないことが多いです。でも、インターン生がたくさんいると、自分では思いつかなかったアイデアが出てくるんですよね。「こういう風にしたらどうか」という提案に対して、「なるほど、確かに」と思わされることがよくあります。

    インターン生のアイデアにも良いものが多くて、私自身も刺激を受けています。

    ‐インターン生の仕事ぶりはどうですか?

    人によって頑張り具合や成果に多少差はありますが、皆さん、素直にとても前向きに取り組んでくれました。

    インターン生が長く在籍するようになると、新しく入ってきたインターン生に先輩インターン生が教えるようになってきました。それなら、インターン生同士でチェックし合うような体制にしていこうと、今ではインターン生同士でお互いの作業をチェックし合う体制も整いつつあるので、それは本当にありがたいですね。

    ‐インターン生が自立して組織の中で動けるようになるのは、非常に良い成功事例ですね。印象に残っているインターン生はいますか?

    期待以上の成果を出してくれたインターン生が何人かいます。

    特に記事作成を担当したインターン生の中に、事業の予約サービスでのコンバージョンに大きく貢献してくれたエース的な存在がいました。社員からのフィードバックを素早く理解して吸収する力もあり、フィードバックをもとに自ら進んで改善を重ねていけるタイプでした。こういったメンバーが徐々に増えてきているのも、とてもありがたいと感じています。

     

    インターン採用基準と進路相談のサポート

    ‐実際に長期インターンを募集をしてみて、応募数や学生の質についてはいかがでしたか?

    そうですね、応募数も質も期待に沿ったものだったかなと思います。採用時期が早ければ早いほど、理想の学生が見つかりやすいという印象がありました。特に2月から3月の時期は、学期が始まる前なので応募が多く、優秀な学生に出会えるチャンスが増えます。

    ‐インターン生を採用する際、どんな学生を選ぶか、またミスマッチを防ぐための見極めポイントはありますか?

    私たちは、主に2年生をターゲットにしています。長く働いてもらいたいので、インターンを始める段階から意欲が高い学生を重視しています。そのため、「なぜインターンを始めるのか?」という質問は必ずします。

    ‐その問いにどう答えるかが重要なんですね。

    そうですね。正解があるわけではないですが、自分の言葉でしっかり考え、自信を持って答えられる学生を選んでいます。

    学歴よりも「自分の言葉で将来をどうしたいか」を語れる学生を採用しています。単に「授業でマーケティングを学んだから」という理由では不十分です。学生なので、現時点でできることは限られています。それなら、「将来何をしたいか」をしっかり考えているかどうかの方が大切だと思っています。

    あとは、私たちのチームはマーケティングに関わるため、最低限マーケティングや美容やSNSに興味があることも大事ですね。

    ‐インターン生の進路については、どのようにお考えですか?

    そうですね。私たちはインターン生にとって身近な大人なので、キャリア相談されることはよくあります。その際、その学生の状況に応じて、一番良い選択肢を一緒に考えています。スタートアップの環境がその学生にとってメリットになると感じた場合は、歓迎しています。

    でも、「まずは大手に行きなさい」と伝えることが多いです。もちろん、うちに来てくれるのは嬉しいですが、人生を考えたときに、まず大手で経験を積んだ方が良いと感じています。実際、今の経営陣も大手企業の出身者が多いです。大手で仲間を作り、実力をつけた上でスタートアップに挑戦するのが理想だと思っています。

    逆に、途中で大学を辞めた学生や、卒業後に一旦インターンとして働き始めた学生などにとっては、スタートアップでの経験が大きなチャンスになる場合もあります。

     

    長く働いてくれることに期待!仕組化でインターン生の自走をサポート

    ‐長期インターン生を受け入れることのメリットは何だと思いますか?

    期間限定とはいえ優秀な学生を採用できるのは大きなメリットだと思います。実際、中途で採用しても半年以内に辞めてしまうケースは珍しくありませんよね。その点、インターン生は3年間働いてくれる可能性が高く、意識も高くて優秀な人材が多いです。「今できること」で判断しないで、こちらがしっかり教えれば力を発揮できる学生が多いと感じています。

    ‐今後、長期インターンシップの導入を検討しているほかの企業にメッセージはありますか?

    私たちは、インターン生に対して「やりたいことがあれば教えてね」というスタンスを取っています。そのため、全てを一対一のマンツーマンで指導するのは大変なので、仕組み化に力を入れています。フィードバックを蓄積して仕組み化することで、社員の負担を減らしながら効率のよい教育体制を実現できました。

    今後もインターン生を受け入れながら、これまでの蓄積を活かし、よりインターン生が主体的に活動できる仕組みをさらに強化していきたいです。インターン生の成長は企業にとっても大きなプラスになると思います。

    社名 株式会社LATRICO
    業種 IT・インターネット 
    従業員数 11〜30名

    株式会社LATRICOは、「美容医療×IT」を軸にオンライン診療プラットフォームを運営しています。「東京美肌堂」は、オンライン診療を行う医師と患者様をつなぐシステムを提供しており、診察は提携医療機関の医師が行います。

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