- 社名:STUDYSWITCH株式会社 様
- 設立:2017年
- 従業員数:約10名
- 学生インターン:3名
- 事業内容:学習アプリの開発及び運用
- お話を伺った方:代表取締役 北村量太 様
(2024/9月時点)
丁寧なOJTを意識:仕事の基本的な進め方からしっかり伝える
-まずはじめに事業内容を教えてください。
スマホ向け学習アプリの制作や運用を行っている企業です。累計ダウンロード数は3,000万を超えます。宅建、行政書士、簿記やITパスポート、基本情報技術者試験などの資格取得用アプリの制作や開発をしています。また、小・中・高校生向けに、日本史、世界史、数学、英語など、学校教育に対応した学習アプリも多数提供しています。
‐長期インターンの学生には、どんな仕事を任せたのですか?
インターン生には、今は主に学習アプリの教材作成を担当してもらっています。
具体的には、資格試験対策アプリや小・中・高校生向けの学習アプリのコンテンツ制作を担当してもらい、問題集や解説の執筆を任せています。最初は簡単なタスクから始めてもらい、徐々に教材の企画や設計などにも関わってもらいます。インターン生自身の経験も踏まえて、学習者目線で分かりやすい教材になるよう取り組んでもらっています。
‐どのように仕事を教えていますか?
最初にやり方をかなりくわしく説明し、実際に仕事を進めてもらった上で、個別のフィードバックも具体的に行います。「とりあえずやってみて」という放任スタイルではなく、丁寧なOJTを意識しています。
そして、仕事への考え方や進め方を説明することもあります。たとえば、「最初は何を把握するべきか」とか「どの段階でどんな質問をすればいいか」など、仕事の基本的な進め方があると思うのですが、こうした仕事における基本動作を理解してできるようになるのは、意外と難しいです。わたしは外資系コンサルティングの会社で最初にその部分を教えてもらった経験があるので、そのノウハウを学生にも伝えるようにしています。
‐インターンの大学生は、どれくらいの期間で仕事の進め方を身に付けられるようになりますか?
だいたい半年はかかります。とても地頭がいい学生でも、最初はなかなか苦戦することが多いです。でも、基礎ができるようになると、その後の成長がぐっと早くなりますから、そこは時間をかけて丁寧に伝えるようにしています。最終的には、仕事の基本動作を高いレベルで身に付けて、自立して仕事を進めることができるようにサポートすることを心がけています。
インターン生の成長スピードに驚き、刺激を受けています!
-なぜインターン生を採用しようと思ったのか、きっかけを教えてください。
会社が成長する中で、新卒採用を強化したいという思いがありました。実際に働くイメージを共有しながらカルチャーマッチを確かめる期間を設けたかったのでインターン制度を導入しました。
‐実際、インターン生を採用されてみて、想定していた学生の応募はありましたか?
それなりに多くの方と面接しましたが、アルバイトでもインターンでも一緒に仕事をしてみると、途中でどうしても学生と会社との「合う」、「合わない」があります。それでもインターン生を募集してみると、「こんなにいい出会いがあるのか!」と驚くような学生と出会えることも時々あるんですよ。そういう時はやっぱりすごく嬉しいですし、毎回面接をしながら、そんな出会いがあることを期待しているところもあります。
インターン導入について、他の社員の方の反応はどうでしたか?
みんな、すごく刺激を受けています。インターン生はそれぞれ個性的で、びっくりするくらい地頭のいい学生も多いです。最初は経験がないので、仕事のパフォーマンスはそこまで出ないこともありますが、3ヶ月も一緒に仕事をするとぐっと成長していくんです。そういう学生たちと一緒に仕事をしていて、成長スピードに圧倒されることがよくあります。
‐インターン生の成長ぶりに驚かれることもあるんですね。
そうなんです。社員もそれを目の当たりにすると、「自分たちももっと成長しないと」と感じます。インターン生の吸収力や成長速度は、社員にとっても大きな刺激になっています。みんなインターン生と一緒に仕事をすることを楽しんでいますね。
‐採用時に、重視しているポイントは何ですか?
私たちの会社では、「ものづくりを楽しむこと」を大切にしています。社員の多くが「いいものを作りたい」という思いで仕事に取り組んでいて、本当に良いものを作り上げて、結果としてユーザーさんに満足してもらえることを大切にしています。同じように、ものづくりを楽しみながら、利用者に喜んでもらうことをイメージできる方を採用したいと考えています。
そして、教材作成に関わる業務では学習者目線でわかりやすく伝える力があるか、日常業務では相手の立場に立って説明できるか、仕事を前向きに楽しむ姿勢があるかも重視しています。また、会社の文化に合うかどうかも大切です。長く一緒に働くことを考えると、会社と個人の相性が合うかどうかも重要なポイントです。
ポジティブサプライズ!「成長を全力でサポートしたい」と思えるような学生との出会い
‐特に印象に残っている学生はいましたか?どんな学生でどんな仕事をしていましたか?
そうですね、特に印象に残っているのは、エンジニアとして新卒で採用に至った男子学生です。彼は、未経験からエンジニアのインターンの仕事に挑戦しました。小規模な会社ではエンジニアをゼロから育てることはコスト的に難しいんです。ただ、ちょうど彼が入ってきた時期に、IT系教材の制作業務があったので、それに携わりながら並行してエンジニアとしての勉強も進めてもらいました。
‐彼が成長できるように、どのような研修やサポートを行ったのですか?
エンジニアとしてさらにスキルアップできるように、夏休みには2ヶ月間の集中研修を行い、実際の開発業務に関わってもらいました。その結果、彼も自分の成長を実感して、「いろいろ見渡しても、他にこれ以上に良い会社は見当たらず、この会社で働き続けるのが一番いい」と判断してくれたんです。そして、就職活動をせずにそのまま新卒として入社を決めてくれたことは、非常に嬉しかったです。お互いにとって最高の選択だったと思っています。
‐企業として、インターン生のために環境を整えるのは簡単ではないと思いますが、それでも彼を育てたいと思った理由は何ですか?
インターン募集の際には多くの学生と面接をする機会がありますが、その中でカルチャーマッチする学生と出会うことが成功のカギだと感じています。エンジニアとして採用した彼の場合ですと、コストの問題を考えるというよりも、お互いに「この人と一緒に働きたい」と感じたから成功したのだと思います。
彼自身「こんなキャリアを歩みたい」としっかり意志を持っていたので、それに対してこちらも全力でサポートしました。勉強を手伝ったり、業務の進め方を教えたりする中で、彼はそれを素直に受け入れて頑張り、成長しました。私たちも「成長して欲しい」と思いましたし、結果として、彼自身も仕事が楽しいと感じてくれていたようです。
相性の合う学生と企業が巡り合えたからこそ、彼がしっかり成長し、新卒採用に至ることができたと思います。やる気や相性がぴったり合ったときには、結果としてお互いが予想以上の成果を得られる「ポジティブサプライズ」が生まれるんだと感じました。
-インターン生の採用を通じて「ポジティブサプライズ」が生まれたんですね!学生にとっても、インターンを通じて将来のキャリアの選択肢が広がるのは良いことですね。
そうですね。最終的に、学生自身が納得して「ここで働きたい」と思ってくれることが大切だと思います。そうすることで、入社後のミスマッチも減りますし、長く一緒に働ける関係が築けると考えています。
では、総じて想定していた学生からの応募はあったということですか?
そうですね。とても優秀な方が多いと思います。特に2年生ぐらいから入ってきて、最終的に卒業まで残ってくれる学生たちは、本当にびっくりするくらい仕事ができるようになります。そして、そういう学生は、最終的に超大手の会社にどんどん就職していくんです。それは僕としては嬉しい反面、少し寂しい気持ちもあります(笑)。
「教える立場」にならないからこそ生まれる相互成長
‐採用後、インターン生との関わりで気を付けていることなどありますか?
普段からインターン生がストレスを感じるような環境にならないように心がけてはいます。私たちの会社では、失敗に対して怒るということはありません。というのも、失敗が起こるときは、ほとんどの場合、会社側が準備不足だったり、環境が整っていないことが原因なんです。インターン生が前向きに頑張っている限り、その失敗は会社の責任だと考えています。だから、「これはインターン生個人のミスだ」と責めることになりませんし、本人が意欲を持って取り組んでいれば、どんなトラブルも会社の側で対処するべきだというスタンスで接しています。それが当たり前だと思っているので、特に「気を付けている」という感覚はないです。
他には、社員とインターン生とで一緒にランチに行く機会があるので、仕事以外の話も含めてコミュニケーションを取ることも大切だと考えています。社員も学生もフラットな関わり方をしています。
-インターン生だからこその難しさや大変さはありますか?
そうですね、学生なので、仕事や組織で働くことに慣れていないという部分はあります。特に、社会経験がない分、仕事のスケジュール調整や責任の捉え方が分からず、迷惑をかけてしまうこともあります。
‐具体的にはどんなことがありましたか?
例えば、急に「友達と旅行に行くことになったので来週の勤務をを休みたいです」と言われることもあります。もちろん、その時は「なぜ仕事の予定を直前に変更すると困るのか」を説明するようにしています。仕事では、その日程を基に多くの人が調整していることや、工程全体に影響が出ることを伝えていかないと、学生はイメージしづらいですよね。とはいえ、友達と旅行に行くことにも価値があるので実際には許容することも多いですが、そのやりとりを通じて学んでいってもらうようにしています。
‐学生の立場に配慮しながら、仕事の大切さを伝えるのは難しそうです。
実際に難しいですが、こちらが一方的に指導するというよりも、あくまで「対等な立場で話し合う」ことを心がけています。学生も一個人として自分なりの考えを持っていますし、学生の考えのほうが妥当であることも多いです、学生の考えにちゃんと向き合いながら、お互いが納得できる形でコミュニケーションを取るようにしています。
‐お互いの立場にたって、しっかり話し合えているんですね。
はい、社会人としての基礎的な考え方や行動を伝えつつも、こちらが「教える立場」として無意識に偉そうにならないように気を付けています。お互いを理解し合いながら、一緒に成長できる環境を作りたいと思っています。
お互いの相性を見極めてインターン導入の価値向上につなげる
‐今後も長期インターン生を採用される予定ですか?
はい、今後も長期インターン生を採用していく予定です。大きな企業ではインターンを経ずに新卒採用をするケースも多いと思いますが、当社の規模感だと、新卒採用で「結果的に合わなかった」というのは大きな痛手になります。インターン期間中に半年や一年でも一緒に仕事をすることで、学生側も「この仕事が自分に合っているか」「自分の時間をここの会社で費やしたいか」をしっかり確認できますし、企業側としても「この人と一緒に働けるか」を見極めることができます。そうしたお互いの相性を確認できる点で、インターン制度は本当に良いものであるので、今後も続けていきたいと考えています。
‐長期インターンシップを導入してみて、御社にとってメリットがあったと言えますか?
そうですね。インターンの導入は、時間と労力がかかりますが、その分だけ大きな成果が得られます。相性の良い学生に出会うことができれば、会社にとっても学生にとっても大きなメリットがあると思います。
-最後にインターンシップの導入を考えている企業様にメッセージをお願いします。
企業によって文化や考え方はそれぞれ異なりますし、何が正解かは会社によって変わると思います。ただ、私たちの経験からお伝えできることは、時代が大きく変わってきている中で、学生が求めるものも変化し、多様化しているということです。そのため、「相性が合うかどうか」をしっかり見極めることが重要だと考えています。
インターンを通じて多くの学生と会い、一緒に仕事をしてみることが、相性の良い人材を見つけるための大きなチャンスになります。採用活動は労力がかかるものですが、その努力を惜しまずに続けることで、良い出会いにつながることもあります。
採用活動は試行錯誤の連続ですが、間違いなく、インターン生たちは圧倒的に仕事ができるようになるので、意欲的な学生に来てほしいと思いますし、そういう優秀な人と出会える場がこの長期インターンだと思っています。