- 従業員数:20名
- インターン生数:5名(エンジニア1名、デザイナー1名、営業2名、マーケティング1名)
- 事業内容:①ウィメンズヘルスケア事業、②ファストヘルスケア事業③オンデマンドヘルスケア事業、④プロダクツヘルスケア事業などヘルスケア領域に関わる幅広い事業を展開している。
- 代表取締役 伊藤 様、エンジニア 鈴木 様
(2020/12時点)
採用のミスマッチを解消するため、長期インターンを導入
-まず、御社の事業内容について簡単にご紹介お願いします。
伊藤:整体師の育成やホームケア商品の開発など、ヘルスケア事業を軸にして幅広い事業を展開しています。
元々はリラクゼーション・整体サロンの運営から始まった会社で、私自身も整体師です。
社名の通り、笑顔作りに繋がることを第一にしていて、そこへ繋がる事業へどんどん挑戦していきたいという考えで、整体サロン以外の事業にも取り組んできました。
-ありがとうございます。元々、長期インターンシップを始めようと思ったきっかけは何だったんですか?
伊藤:採用のミスマッチを解消できるんじゃないかと思ったからです。
私たちは、整体の領域に限らず、幅広く事業を展開していきたいと考えていますが、その中で、採用のミスマッチが少なからず起きていました。
整体の仕事をしたくて入ってきた人には、他事業展開していきたいという思いが浸透せず、逆に事業展開に興味を持って入ってくれた人は、目の前の整体の仕事に違和感を感じる。そうしたギャップが原因で、会社を辞めてしまう人も少なくありませんでした。
目の前でやらなければいけない仕事と会社の事業方針の両方を理解してもらわないといけない。けどどうすればいいんだろう、と悩んでいたタイミングで長期インターンというやり方を知りました。
会社の理念と実際の仕事内容を理解してもらい、その上で新卒採用に繋げられたら、離職は減るのではないかと思って、いくつかの求人媒体で長期インターンシップを募集してみることにしました。
-ミスマッチをなくし、新卒採用に繋げることがインターン導入の目的だったのですね。
伊藤:はい。正社員の離職率を減らして、組織を拡大していきたいというのが狙いだったので、インターンも新卒採用に繋がるかどうかを重視していました。
インターン面接段階から率直な気持ちを伝えた
-ただ、最初からインターンシップ先に入社しようと思っている学生は少ないと思います。そうした学生を採用することに不安はありませんでしたか?
伊藤:不安がないといったら嘘になりますが、まずはやってみないと分からないなと。
私たちも投資をする以上、入社可能性のある方を採用したかったため、インターン面接の段階から「将来的に新卒入社して、会社を成長させてくれる人を募集しています」と本音を伝えていました。
-ストレートに伝えたんですね。そこまでは考えてない子がほとんどだと思うんですけど、反応はどうだったんですか?
伊藤:当然、学生にとっては、インターンシップはスキルアップの場です。就職先とは考えていないので、辞退する子の方が多いです。
もちろん、インターンで入ってもし合わなかったらそれは縁がなかったということだから仕方ないと思います。うちとしては、インターン入社時点で新卒入社を確約してほしいわけではなくて、あくまで可能性として考えてほしい、ということはお伝えしていました。
そのような弊社の思いを理解してくれる子は、10名面接したら1名いるかいないかでしたね。
-それでも少なからず理解してくれる子はいるんですね。
伊藤:はい。それで今年、エンジニアとして、インターンから新卒入社してくれたのが鈴木くんです。
-実際に新卒採用に繋がったんですね。鈴木さんもインターンシップで入った時から新卒入社を考えていたんですか?
鈴木:正直、最初はそこまで深く考えていませんでした。
実際にインターンシップをやってみて、自分に合うようだったら納得して入社できると思いましたし、もし合わなかったら断ればいいので、まずはやってから考えようという気持ちでしたね。
-そこからどういった経緯で入社を決めたんですか?
鈴木:インターンをやる中で、会社のビジョンや社長の人柄を知っていく内に、もっと一緒に働いていたいという思いが強くなっていきました。
大学3年生になって就職活動が近づいてきたとき、社長から「今後どうする?」聞かれて、「じゃあ入ります」という流れで入社が決まりました。
伊藤:実際、鈴木くんが本当に入社を考えてくれているか分からなかったので、内心はひやひやしてました。
話をしたら「あ、就活はしてないです」みたいな反応だったので、良かった、入社を考えてくれているんだと。笑
社内にエンジニアがいない中、インターンの採用を開始
-鈴木さんのインターンシップ中のお話も聞きたいんですけど、そもそもなぜエンジニアでインターンを採用しようと思ったんですか?
伊藤:それまで開発業務は全て外注をしていたのですが、将来的には自社でスピードよく開発していけるようになりたいなと考えていました。
ただ、中途採用で優秀な人材を採用するのも難しいし、インターンでやってみようかなということで採用をしました。
-社内にエンジニアはいないわけですよね。むしろ、実務未経験のインターン生を採用する方が不安じゃないですか?
伊藤:外注していた取引先の会社がエンジニアインターンの研修をしてくれることになったんですよね。
お互い未経験だけど、研修面はうちが外部の人に頼んでサポートするから、スキルアップしてもらって、最終的に新卒入社してくれたらいいだろうという考えで始めました。
-将来の期待を込めての投資でもあったわけですね。鈴木さんはインターン参加時点で、どのくらいプログラミング経験があったんですか?
鈴木:学校の授業でC言語を勉強したことがあるくらいです。
インターンでは自社サイト制作をやってもらうということだったのですが、サイト制作に必要なHTML・CSS、PHPは知識はありませんでした。
そんな状態だったにも関わらず、「未経験でも大丈夫。勉強しながら、実践で力をつけていこう」と社長が言ってくれたので、この会社なら成長できそうだと感じて、飛び込んでみました。
-プログラミングの知識は、研修で身に付けていったんですか?
鈴木:研修と実践をやりながらですね。
インターンで入社して1ヶ月は、HTML・CSS・PHP、WordPressの仕組みをネットや書籍で独学で学びました。
その後、1ヶ月間は社長の知り合いの会社へ行き、研修をうけました。プロのエンジニアの方がつきっきりで教えてくれたのでそこでかなりスキルアップ出来たと思います。
そこからはひたすら実務です。うちは新しいサービスを次々に出しているので、会社HP以外に各ブランドサイトを含めると全部で15個くらいの自社サイトがあります。
それらのサイトのデザイン企画から実装、機能追加まで全て行っていました。
-研修期間の1ヶ月以外は、基本的に1人で業務をしていたんですか?
鈴木:入社してすぐに元々別の仕事をしていた社員さんがエンジニアへポジションチェンジしたので、僕と先輩社員の2名でした。その方もエンジニア業務は初めてだったため、お互いに勉強しながらやっていました。
-なるほど。周りに先輩エンジニアがいない中での業務は大変じゃなかったですか?
鈴木:僕はそういう環境が結構燃えるタイプだったので、むしろ何くそ頑張ってやるぞという気持ちになりました。
ただ、同時期にインターンシップで入った他の2名は早い段階で辞めてしまったため、人によって、合う合わないはあるんだろうなと思います。
あと、他の会社だと開発に時間がかかりすぎたら「まだ出来ないの?」と突っ込まれることが多いと思いですが、うちはそういったことがなく、わりと自由なスケジュールで開発ができました。
未経験だし、納得できるまで時間をかけていいよというスタンスで任せてくれたのでそこはやり易かったですね。
新卒目的のインターンシップ採用でも充分成功できた
-インターンシップとして受け入れた後に、新卒採用に繋げるために意識していたことはありますか?
伊藤:エンジニアのテクニック的なところは分からない代わりに、関係構築は意識していました。
出社時に頻繁に声をかけたり、たまに食事を誘ったり、仲間として迎え入れているということがしっかりと伝わるようにコミュニケーションをとりました。
-長期インターンを導入してみて、今の率直な感想を教えてください。
伊藤:結果的に、鈴木くんが新卒入社して活躍してくれているので非常に良かったと思いますが、研修費を投資している以上、新卒採用に繋がっていなかったら、継続してやっていないかなと思います。
ただ、鈴木くんの他にもデザイナーが1名、来春にエンジニアがもう1名、長期インターンシップ経由で入社してくれる予定なので、今のところはうまくいっていると感じます。
現状だと6名のインターンシップ生を受け入れて、予定含め3名が入社に繋がっています。お互い就職する前から出会えるので、関係性も濃いですし、新卒採用目的でも充分成功してますね。
-非常に高い入社率ですね。
伊藤:インターンシップに参加する学生の目的とは少しズレているかもしれませんが、最終的に入る入らないは別にして、応募時点で率直に気持ちを伝えることは大事だなと思いました。
うちみたいな小さい会社は、大手の新卒求人媒体に掲載しても埋もれてしまいます。
インターンシップだと、同じような規模の会社の募集が多いので、他の求人に埋もれることなく、優秀な方と出会える仕組みはすごくいいなと感じます。