- 従業員数:30名
- インターン生数:20名
- 事業内容:M&A仲介事業
- 採用・育成担当 山本正樹 様、鎌田和真 様
(2022/10時点)
人件費を差し引いても大幅な黒字を実現できています
-M&Aベストパートナーズでは、インターン生にどのような業務を任せていますか?
山本:インターン生には、M&A仲介におけるアポイント獲得業務をお任せしています。
現在、20名のインターン生が在籍し、売り手・買い手候補企業へ電話での提案営業を行なってくれています。
-インターン生の活躍ぶりはいかがですか?
鎌田:インターン生は当社の事業成長の要になってくれていますよ。
現在、複数あるアポイントの獲得経路の内、インターン生経由のアポイント数が全体の50%を占めます。
【アポイント獲得経路】
- ・DM送付
- ・インターン生の電話営業
- ・テレアポ代行業者
- ・Web経由の問い合わせ
インターン経由の累計獲得アポイント数は1,200件。その内、50件は案件化(基本合意書の締結)に至っています。
結果的にインターン生が獲得したアポイントからの売上だけで、人件費を差し引いても大幅な黒字化を実現できています。
インターン生が増えればアポイントが増える。アポイントが増えれば、社員が採用できる。社員が増えれば、売上も上がるという好循環が生まれていますね。
-それはすごいですね。そもそも長期インターンはどのような経緯で導入したのでしょうか?
山本:今から1年前にアポイント数増加を目指して、社内でコールセンターを立ち上げました。
パート主婦の方々に架電業務をお願いしていたのですが、コロナ禍でリモート勤務に移行したことを機にに全体の架電数が極端に減ってしまいました。
やはりお子さんがいる主婦の方はご自宅での架電は難しく、また、元のように出社勤務にも戻りづらいという声が多々ありました。
そこで別の方法を考える必要が出てきて、インターン採用の話が上がったという訳です。
-他の選択肢もある中で、なぜインターン採用だったのでしょうか?
山本:当社の風土として、売上向上に繋がりそうな施策はすぐ試してみようという社内文化があります。
インターン採用の場合もコールセンターを形にするため、「優秀な学生なら活躍してくれそうだし、試しにやってみようか」と半ば勢いで始めました。
そのため、当初は大量採用する予定はなく、まず数名採用して様子見から始めました。
本当にインターン採用は意味ある?社内で割れた意見
-インターン採用の導入に対して、社内で反対意見はありませんでしたか?
鎌田:当時はテレアポ代行業者も活用し始めていたため、「わざわざ採用しなくても、外注一本でいいのでは?」という社内の声はありました。
また、M&Aの場合、アポイントを獲得して案件化するまで期間かかります。
獲得したアポイントが売上に繋がっているのか短期的な判断が難しいため、インターンを受け入れ後も社内で「本当に意味があるの?」という声はちらほら出ていました。
-そうした意見もある中、インターン生を大量採用していくことに決めたのはなぜでしょうか?
山本:インターンを受け入れ始めて1、2ヶ月経過した頃、インターン生からアポイントをパスしてもらっていた社員が、他の社員よりも継続的にアポイントが埋まる状況が作られてきました。
その時点ではまだ売上に繋がった実績はなかったものの、「こういうアポイントは取らなくて大丈夫」「できたらこの情報も聞いてほしい」など、社員から直接フィードバックを伝えることで徐々にアポイントの質も向上してきました。
外注の場合だと、要望を伝えてから業務に反映されるまでどうしてもタイムラグが発生してしまいます。
そうした面から社内でも徐々に「インターン生いいね」という空気感が生まれてきました。ついには、他のメンバーからも「自分もインターン生からアポイントを供給してもらいたい」という声が出てきたため、インターン生の増員を決定しました。
一人の成功事例からアポイント獲得効率が改善!
-お話を聞くと、反対意見はあったものの、インターンの受け入れ自体は序盤から上手くいっていたように思えますがいかがですか?
山本:んー、決してそういう訳でもありません。
採用直後からアポイントは獲得できていましたが、時間あたりのアポイント獲得効率という点では今ほど成果は出ていませんでした。
当社は時給2,000円と高い給与をお支払いしています。そのため、時間あたりのアポイント獲得効率も重要です。
そこが改善できてきたのはインターンを採用して暫く経過してからですね。
-何か改善のきっかけがあったでしょうか?
山本:1名、他のインターン生よりも圧倒的に成果を出している学生がいました。一人でインターン生全体の月間アポイント総数の半分を獲得していたほどです。
彼の業務をよくみてみると1日数百件の電話を当たり前にこなしており、他のインターン生よりも架電数がずば抜けて多かったのです。
それまでトークのパターンを増やす、M&A知識をつけてもらう、などヒット率を高める練習はしていたのですが、一番の近道はやはり数なのだと分かりました。
彼の架電の仕方を他のインターン生にも模倣してもらい架電数を増やしたところ、全体的なアポイント獲得効率も向上していったという訳です。
-一人の成功パターンを全体に共有したのですね。ちなみに、採用後に辞めてしまう方は出てきませんか?
山本:もちろん、辞めてしまう方はいます。
定着率については、これまで60名採用した内、3ヶ月以上継続した方が30名、6ヶ月以上継続した方が12名となっています。
-この定着率についてはどう感じていますか?
山本:もちろん、辞めてしまう方が出てくるのは仕方ありません。むしろ、個人的には思った以上に定着してくれている方だなと思います。
当社はコールセンター業務の中でも架電数が多い部類だと感じています。決して楽ではない仕事の中、6ヶ月以上続けてくれる方が全採用者の内20%というのは優秀ではないでしょうか。
-ありがとうございます。最後に今後のインターン採用の展望を聞かせてください。
鎌田:お話しした通り、インターン組織は当社の成長エンジンとして最も重要なチームになっています。今後もインターンの規模はどんどん拡大していく予定です。
山本:これまでインターン生には基本的に売り手候補探しを任せていましたが、最近、買い手先探し専門チームも立ち上げました。
買い手探しチームでは、買い手が見つからず滞留していた案件に対して、インターン生に買い手先候補へ電話営業をしてもらっています。
こちらでインターン生が獲得したアポイントからも1億5,000万円以上の売上が生まれました。
インターン生自身もやはり自分が獲得したアポイントからこれだけの成約が生まれると嬉しいようです。ぜひ今後も彼らの意欲に応えられる環境を用意してあげたいと思います。